厳しい夏を超えて

圃場では、基本的に地植えのものには水やりをしない。この夏のように極端に雨が少なかった年もそれは変わらない(全国的にはゲリラ豪雨をはじめ、大雨の被害があった年なのに、不思議に思うが、雨乞いをしたいほど雨が降らなかった)。

普段から雨水だけでまかなう方が良いと勧めているし、一度水を与えると、その後もずっと与えないといけなくなる。そしてそんな時ほど水が足りなかったりする。また、渇水にどれぐらい耐えれるかを確認するという意味もある。

もちろん、現在ひと株しかないような貴重なものは別なのだが。

そんな数少ないものに、クリーピングボリジがある。ここ数年、栽培のタイミングや害虫の影響で育苗が思うようにいかず、親株もどんどん減っていき残り2株になってしまった。

今年はかなり気合を入れて種子の採取を行い、その後の種まき・育苗もずいぶん丁寧に行なった。5月ぐらいから種子を取り続けたあと、1株は8月の半ばに地上部がなくなってしまった。

地上部が消えてしまったクリーピングボリジ。乾燥防止に麻袋でマルチをしていたのだが・・・

落葉樹の下という比較的湿り気のある場所だったが、さすがに過酷だったかもしれない。また、すでに2~3年は経った株だったので、老化も原因だったと思われる。

一株は無事夏を超えた

夏前に種子の採取をしていなかったら、大慌てで水をやっていたことだろう。だが、次の世代がしっかり育っていたので、結局水はやらずに秋を迎えた。

株元の様子

株元の土をそっとよけてみたら、「もしかしたら」と思わせるような様子。もっと涼しくなったら、新たに芽を出してくれるのかもしれない。

「まだ働かせる気か?」と言われそうだが、その時は株元に腐葉土をたっぷり与えたり、ねぎらってやるつもりだ。

次の世代は成育中