好物は最初に

食事の時、どういう順番で食べるかは個性が現れやすい。好きなものは最後にとっておく人、まず最初に好物を食べる人、バランスよく食べ進む人。特に小さな子供ははっきりしていているので見ていて面白い。

自分はどっちかなと改めて考えてみると、好物は最後の楽しみにしておくタイプのようだ。

さて、人間に比べ、虫たちははっきりしている。まず、好物から箸をのばす。

タイムの仲間はハーブの中でもあまり害虫に悩まされる方ではない。でも、夏の暑さがピークを迎える今ごろ、しばしば小さなイモムシのターゲットになる。

シルバータイムとイモムシ

似たようなタイムでも明らかに好きな順番があるようで、たとえば
シルバータイム>レモンタイム>コモンタイム
といった順番のようだ。
斑入りのもの、より柔らかいものを好むらしい。小さな苗を並べていると、おおよそ食べ尽くすと次に移っている。

また、匍匐性のものより、立性のものがいいようだ。雨が降った時など濡れるのが嫌なのか、地面から離れていた方が天敵などから逃れやすいのかそれは分からない。感心するのは卵を産み付ける親のほうだけれど。

さて、食べられてしまう側のタイムだが、ちょうど暑さや蒸れでしんどそうな思いをしている頃である。これを機に刈り込んでやるのもまたよし。丁度よい刺激になるようで、また元気に伸びてくるからあまり心配はしなくて大丈夫だ。

帽子の政権交代

頭のてっぺんが寂しくなり始める前からの帽子愛用者である。外仕事をするようになってからだったのか、それより前からだったのか、いまではもう思い出せない。

専らキャップ派で、被りツブした(というのかな?)帽子は数えきれない。

ところがこの一年ほど異変が起きている。昨冬、あまりの寒さにかぶったニット帽の暖かさが手放せなくなり、ひと冬のあいだキャップから遠ざかっていた。

また、梅雨に入る前、長時間の屋外労働のためにと購入した麦わら帽子。その日だけかぶるつもりだったのに、以来、キャップに取って代わってしまった。それまで夏はキャップに首手拭いがお決まりのスタイルだった。けれども、首はむしろオープンにして麦わら帽子のつばで陰を作ってやる方が遥かに涼しい。無論、帽子内の涼しさはキャップの比ではない。

麦わら帽子

冬のニット帽は作業に限らず、店頭でもお出かけの際にも変わらず身に付けていたのだが、麦わら帽子は作業以外で被るには抵抗がある。麦わら帽子が街なかでも似合うには夏の太陽にも負けないような笑顔が必要だとおもう。それは望むべくも無いから、もっと歳を重ねて良い具合に枯れた爺さんになるまで待たねばなるまい。

気合いで夏を

暑い日が続く。猛暑、熱中症のニュースが流れる中、ビニールハウスの中での作業は過酷である。「ビニールハウスの中で作業中に・・・」なんてニュースを聞くとひとごとではない。

今年の熱中症は梅雨明け後、一気に暑くなったために体が追いつかなくて発症する場合も多いと聞く。たしかに、梅雨が明けて10日ほど経つと、少し楽になったような気がする。これで乗り切れると良いが。昔のように気合いで夏を乗り切れるほど体力は無くなってきたし。

さて、ハーブたちも暑さの中、しんどそうなものも多い。一方でバジルなどは元気そのものだ。ただ、紫色のルビンバジルは夏になるとちょっとぼけたように葉色が曖昧になってくる。春、育苗したての頃はあれほど鮮やかなのに。朝の寒さも心配なくなって気が緩んだのだろうか。

ルビンバジル

すぐ横では紫蘇が見事な紫色で緑に覆われた畑にアクセントを添えている。ルビンバジルくん、君こそ少し気合いを入れたらどうだい?

都市鉱山

昨日、スタッフが苗の剪定をしていたところ、妙なものを見つけたと言うので見せてもらった。モッコウバラの苗に付いていたサナギ。なんと、棘のようになっている所が金色に光っている。金属のような輝きである。雰囲気としては金色のハンダ付けをしたような感じだ。

サナギ

昨日はまだぴくぴく動いていたという。はっきり言ってサナギがぴくぴく動いている姿は実に気持ち悪い。この姿でぴくぴく動かれては相当不気味に感じたかも知れないが、今日はもう静まっている。

体の中のどういう成分をどうやって使うとこんな光沢が出せるのだろう。「まさか、金じゃないよね。もしかしてレアメタルだったりして?」としばし話が盛り上がった。都市鉱山と呼ばれる携帯電話よりも量的には多そうだ。

正体をすぐに調べてみたい所ではある。ネットで検索をかければすぐに分かると思うが、敢えて調べずにしばらく観察してみようと思う。

追記

後に分かったのだが、ツマグロヒョウモンのサナギだった。残念ながら羽化は見逃してしまっていつの間にか抜け殻だけが残っていた。

ちょっとこの頃、昆虫図鑑と化しているとの指摘があったので、来月からはちょっと気をつけます。

戦慄の集団

とあるお庭へ作業に言った時、アカメの葉が何かにかじられていた。一つの葉を裏返してみて、瞬間、緊張が走った。イラガである。思わず退いてしまう。

チャドクガの幼虫

仲良く美味しそうに葉をかじっている。こういうのを見つけるともう駄目である。作業は一旦中止。一緒に作業をしている皆に知らせ、他にいないかチェックした上でないと作業が再開できない。普段庭仕事で遭遇する危険昆虫の中でもスズメバチに続いてタチが悪い。その次がチャドクガといったところ。

さて、後になってこの写真を見て気づいたのだが、この時、周囲を探しても他にイラガはいなかった。この周りの葉はこの方々が食べられたとしか思えない。この隊列のまま移動するのだろうか???