心配になる

先月、水を貯めるタンクの洗浄をした時、水を抜くために使った泥水ポンプの電源コードに亀裂が入っていることに気がついた。

後で確認したところでは、手に入れたのがなんと20年ぐらい前。当初は井戸を掘るために使っていた(もちろん水は出なかったが)。

その後は、もともとある井戸の掃除をするときや、タンクの洗浄時に使うぐらいで、一年に一度か二度しか出番はなかった。

その間、特に不具合はなかったが、着実に劣化は進んだようで、特に力がかかりやすい本体と繋がれている部分は内側のコードも露出し始めた。水に浸かる部分なので下手するとビリッとなる危険さえある。

ここで、10年前の自分ならばむりやりビニールテープやその他の手段で留めてしまうか、パーツをなんとか取り寄せて自分で修理していたことだろう。だが、少しは大人になったので、メーカーに修理を依頼することにした。

古い説明書を取り出して型番を確認、メーカーに連絡を取る。しばらくして電話がかかってきて、有償修理の見積もりをもらった。往復の送料を含めて7千円弱。妥当なところだろう。一応、ほかにも修理が必要なところがあって追加で費用がかかるようなら連絡しますということだった。

製品を送り出して1週間経たないうちに、代引きでの荷物があると運送会社から連絡。金額は見積もり時と変わらなかったのでひと安心。おそらくケーブルの交換だけで済んだのだろう。

ところが、修理品を受け取って開けてみたらびっくり。「え、新品ではないですか?」傷だらけの本体がピカピカになっているではないか。

詳しく見ると確かに一番下の吸い込み部分は確かに以前と変わらないが、それから上が新品になっている・・・。

修理明細書も確認。ずらずらずらっと修理内容が書かれているが、本来の修理を希望していたのはおそらく上から5項目ぐらいのところ。

これでいいのか・・・?の修理明細書

その下は、ほぼ心臓部を総入れ替えという感じではないだろうか。そのうえ、外側のケースまでピカピカの新品だ(納品書にも見当たらないが)。

自動車で言えば、ガソリンタンクの修理を頼んだら、タイヤ以外全て新品になって戻ってきた感じだろうか。

それなのに請求金額は・・・。

あとから追加でしこたま請求されないか心配になるぐらいだ。それよりも心配なのは、この会社の修理部門。計算がきちんとできるのか、納品書作成ソフトに不具合がないのか、大丈夫だろうかと思ってしまう。

でも、そんなメーカーの姿勢には正直頭が下がる。大事に使わせていただきます。もちろん、次買うときもこちらで購入しますよ!

待つのも一つの解決法

夏が終わり、貯水用の水タンクの役目が終わると、「今年も無事秋が迎えられた」と、感謝しつつタンクを洗う。

タンクといっても、そのうちの多くは古い風呂桶に蓋をしたもので、あとは大型の1トンと1.5トンのタンクだ(こちらはビルの貯水槽のようなタイプ)。

風呂桶はまさにお風呂を洗うのと一緒でタワシで水垢などを擦ればいいし、大型のタンクは中に入れるサイズなのでこれも同様。

ところが、一つだけ問題のタンクがある。大型のタンクを手に入れる前に使っていた500リットルのタンクだ。

このタンクには入ることができないし、かといって、上からでは手も届きにくい。そのため、2年ほど掃除を怠っていたら中にすごい量の藻が発生してしまった。

使っていれば水も循環するので藻はつきにくいが、ここ2年、水を貯めるだけで使っていなかったのも災いした。9月、水を抜いた時、愕然としてしまった。

厚さ数センチのゼリー状の藻が、内側を覆っていた。これでは、もし今年の夏使おうと思ってもトラブルが起きたかもしれない。

使わなくて済んだのは良かったが、さて、どうやって掃除をしようかと悩んでしまった。

このまま上半身を突っ込んで掃除をするのはとてもする気にはなれず、とりあえず水だけ抜いて放置していた。スタッフに相談したところ、塩素系の漂白剤を入れてみては?というアドバイスもあったが、液の処理や、その後のタンクの乾燥などあとの課題も多く、実行には踏み切れずにいた。

そして先日、ふと覗いてみたら何か中の様子が違う。よく見ると、藻が乾燥して薄くなっている。しかも一部は壁面から剥がれつつある感じだ。

そっと剥がしてみると、まるで日焼け後の皮を剥ぐようにペリペリペリと綺麗に剥がれる。これはありがたい!汚れは残っているが、これなら容易に洗えそうだ。

まとめて剥がれると気持ちが良い

まだ下の方は湿っていてゼリー状だったので、横倒しにして更に乾燥を待つことにした。

多くの場合、問題を放置しておくと大抵ろくなことにはならないが、時には待つことも一つの解決につながるようだ。

火入れ式

先日、休憩所の薪ストーブをスタッフに設置してもらったので、昨日、今年の火入れ式をおこなった。

まだ、実際に使わないといけない状態ではないのだが、早めに着火だけはしておく。構造はとてもシンプルなので火がつかないとかそういう心配はないが、毎年春の使い終わりに掃除をして耐熱スプレーをかけて保管しておくようにしている。

この耐熱スプレーが、次に火を入れるときに結構匂いがするので、本番までに何度か火をつけることで塗装の匂いを飛ばしておく必要があるのだ。

実際耐熱スプレーをかけるまでする必要があるだろうかと毎年のように思う。もともとの本体価格が4000円弱(数年前・先日見たら6千円台だった・・・)なので、ハードに使うところでは毎年使い捨てという話も聞く。

耐熱スプレーも案外高価だし、事前に錆を落としたりスプレーが飛び散らないようにしたりそれなりに手間もかかる。ただ、捨てる手間もあるし・・・と、どちらも判断付けがたい・・・。

今年も問題なく点火、順調に火が回り、暖かさが伝わってくる。それに従って特有の匂いが休憩所に広がった。あと3回ぐらいは点火したほうがいいかもしれない。

あとでラジオで耳にしたのだが、昨日は立冬だったそうだ。ストーブに火を入れるには最適な日だったようだ。さて、来年はいつ火をつけることになるだろうか。

ファーストエイドキットよりも

昨日のようなこともあるので、圃場にはファーストエイドキットが欠かせない。

一応、スタッフそれぞれがそれなりに自分用の応急処置薬などはもっているようだが、誰でも使えるファーストエイドキットもある。

昨年、それを新調した。今回は気合を入れて、プロ監修のファーストエイドキットだ。

監修者はもと消防士のスタッフ、U君だ。監修といっても、すでにセットになっている市販のファーストエイドキットを「これでいいかな」とみてもらったぐらいだが。それに追加して蜂に刺された時などに使う軟膏と、毒を吸い出すポイズンリムーバー、使用頻度の高いバンドエイドを加えたぐらいだ。これだけ揃っていたら一応何があっても対応できそうでひと安心。

事務机の引き出しに入っているが、いまのところ、使われたことはない。使われるような事態が起こらないのが一番だが。

ただ、皆が安心しているのは、元消防士が近くにいること。まあ、大抵のトラブルがあってもなんとかしてくれそうだ。ファーストエイドキットよりも安心感は高い。

それにしても器用なことだ

挿し木作業は、この仕事を始めた頃からカミソリを使って行っている。

いろいろ試してみたが、ごく普通(といっても、この頃は購入できるところも限られてきたが)の換え刃を超えるものにまだ出会わない。鋭利さ、使い勝手、コスト・・・使い捨てというのだけが気にかかるが、それでも一枚で相当数の挿し穂を処理できるので目を瞑るしかない。

刃が両方についているので、当然慎重に扱う必要がある。慣れてきたとはいえ、膨大な差し穂をつくる以上、年間に一度ぐらいは自分を切ってしまうことがある。

今回も、気が焦っていたのだろう。急いで作業をしていたら手元が狂ってスッパリ。もちろん、そう慌てることもなく、すぐにカットバンで止血して作業に戻った。

作業をしながら、それにしても器用なことだと半ば呆れた。カミソリを持っているのは右手。それなのに右手を切ってしまうとは・・・。