雪の下から顔を出す

先月の大雪、1月25日の写真。おそらくこの冬で1番の積雪の時だろう。右側にハーブの親木たちがたくさん埋もれている。

これが今日の様子。ようやくほぼ全ての株が雪の下から顔を出した。念の為、それぞれの株を確認するが、やはりそれなりに被害は大きい。

ビニールハウスから滑り落ちた雪があるぶん、まだ一部、雪の下敷きになって横倒しになった枝もある。

今年もローズマリーはずいぶん枝折れ、裂けの被害にあった。毎年秋には、雪に備えて強く剪定してしまおうと思ってはいるのだが、「まだ冬の間に挿木に使うかも・・・」という中途半端な欲があって残してしまった株がこういう被害にあう。

この株は、確か去年か一昨年もそうとう裂けてしまった。えだを長く伸ばしていると雪で裂けてしまうということがわかったのだからきちんと剪定すれば良いだけなのに。教訓が生かされていないことをただ反省するばかり。

おそらく大丈夫だと思われるが、ホワイトセイジもずいぶん押し潰されてしまった。

ラベンダーも今回ところどころが折れてしまった。

今年被害を免れたのは、マートルの大株。今年ぐらいの大雪だと相当の枝折れが起こる。たまたま、秋にガーデナーのKさんに試しに剪定をお願いしたところ、太い枝だけを残して球状に刈り込んでくれた。「どうなるか・・・」と彼女も不安そうだったが、細い枝が透かれたおかげか、その間を雪が積もって行ったのだろう、全く被害なし。今年の秋もお願いせねばならない。

こうして、雪の下から顔を出してくれるハーブたちには毎回ドキドキさせられる。

ヒヤヒヤのこの季節なのだが、雪の下から顔を出してくれると嬉しいものもある。

昨日、ビニールハウスのご近所さんからいただいた蕗の薹。今年は出てくるのがちょっと早く、ずいぶん大きめだとか。早速、大量の蕗の薹味噌を作った。

これでしばらくは、日本酒を楽しむのには事欠かなさそうだ。

いつもと違う冬の終わり

この冬、ここ松江は大雪こそ降らなかったが、いつまでも冬の空が続く。

2月に入ると、例年ならば天気が明らかに1月と異なることに気づかされる。数日に一度でも、春が近づいたような気にさせる気持ちの良い天気が見られるようになり、作業場の薪ストーブの薪の消費量も格段に少なくなる。

ところが今年は、いつまでも冬の空模様。朝起きて外を見ると、また路面が真っ白と言うことがここのところ毎日だ。

2月24日朝の雪。昨日は地面が見えていたのだが・・・

とはいえ、せいぜい1、2センチなので、大騒ぎするほどのことではないが、色々と作業に支障が出る。朝からビニールハウスに積もった雪を見ると少しゲンナリする。

屋根に雪があると冷蔵庫状態

ローズマリーの雪。折れるほどではない

ラベンダーの株も雪をしっかり被り、ローズマリーも白く雪化粧。枝が折れるような心配がないのはありがたいが。

毎年、この時期気をつける必要があるのが、急な暖かさと寒さによる苗の被害だ。

多くの苗はこの時期も出入り口や換気口を開けっぱなしにしているので、屋外と同じ気温。苗もそれをわかっているのでじっと我慢しているからあまり心配はない。

ところが、寒さに弱い苗はさすがに外気と同じでは寒さで枯れてしまうので二重のビニールハウスの中で冬を過ごす。

こちらのビニールハウスは夜はぴっちりと閉じて、昼は天気が良い日だけ空けているのだが、それでも温度が案外上下する。

寒さに弱い種類は、寒さへの備えをそもそもしようとしないので、少しでも動ける温度になると柔らかい葉を伸ばそうとする。

その葉が、寒さでやられてしまうのでこの時期は本当に神経を使う。

主な種類としては、フルーツセイジ。これも冬の間そこそこ伸びたりして、春先の寒の戻りで真っ黒と言うことがなん度もあった。今年もまだ気を緩めることができない。

それから一連のヘリオトロープ。ちょっと気温が上がると伸びはじめてしまって、先日一度、それほど寒い日ではなかったが、扉を閉め忘れて帰ったら、数日後傷みが見え始めてきた。

葉の先が黒っぽくなったのが前兆

また、ちょうどギリギリの温度なのか、ナスタチウムも成長はしないのに花を咲かせている。秋のポット上げが遅くなってしまい、冬前の発売に間に合わなかった株たちだ。花を咲かせてしまったことで春の成長がどうなるやら、いま1番心配な種類である。

一枚のビニールだけで寒さに耐えているレモングラスは、秋までは青々としていたのに、ずいぶん黄色っぽくなってしまった。

今朝のニュースで、週末からは気温が上昇するとのこと。春の成長が目に見える日も近いだろう。

ローズマリーと蛇の夢

休憩の時、「今年は暖かい」という話になった。

まず、この時期には増えにくいアブラムシがゆっくりとはいえ増えつつある。

普段の年ならもう葉っぱが白くなって落ちてしまう畑のティートゥリーの親木がまだ緑色のまま。こんなことは初めてだ。

これも親木だが、鉢植えのミントマリーゴールドにまだ葉があるどころか花まで咲かせて(残って)いる。

今のところ雪かきなどしなくていい状況は本当にありがたいが、寒い時にきちんと寒くならないのはやはり心配だ。

畑に植えているローズマリーも例年は対策が間に合わず雪でボキボキ折れたりするが、今年は全く被害がない。

そんなローズマリーをふとみると、ある種類の枝先が黄色っぽい。目を近づけたらおやおや、斑入りになっている。枝変わりだろうか。

斑入りでないところが結構少ない。夏は焼けてしまいそうだ

ローズマリーは、種類も多いが、当店の一番初期段階から栽培している。記憶を辿ってみるが、このように斑入りになったことはなかったように思う。

他の斑入り種のように、暖かくなると消えてしまう可能性も高いが、もしきれいに残るようならば増やしてみる価値もあるかもしれない。

そういえば、昨夜、蛇の夢を見た。この辺りでは、蛇の夢はお金が儲かるという吉兆とされる。「もしや・・・」なんてニヤニヤするのも良いが、実際のところは、昨日地元の自然館で蛇やウナギをたくさん見たから・・・というのが原因なのだろう。

3月初めのハーブたち

3月に入ってから暖かい日と寒い日が交互にやってきている。

トスカナブルーローズマリー
みぞれの中のローズマリー

昨日はみぞれが降るような寒さで、トスカナブルーローズマリーの青い花も寒々しく見えたほど。それでも、2月はまだ、日差しが届く日の方が圧倒的に少ないので、気持ちは明かるい。

今日は三日目。天気が回復して少し暖かい。

満開の

サンタバーバラローズマリー
サンタバーバラローズマリー

も昨日と今日ではずいぶん感じが違う。バックに咲いているオオイヌノフグリのブルーも、あたたかな日差しの元だからこそ目に優しい。

おそらくもう極端な寒波はやってこないだろう。陽光のもと、畑を一巡してハーブたちの様子を見る。

マートル
マートル

ここ数年、寒さでかなり傷めつけられたマートルも今年は難を逃れたようだ。さすがに新芽は真っ赤だが、雪の枝折れも最小限。背丈を越し始めているので、花が終わったらかなり強く剪定してやろうと思う。

アープローズマリーも花の準備が進んでいる。

アープローズマリーの花芽
アープローズマリーの花芽

寒さに強い分、本当に暖かくなってからでないと開花しにくいのだろう。

ティートゥリー
ティートゥリー

ティートゥリーも今年はこの程度で済んだ。新芽が伸びるにはまだかなり気温が上がるまで待つ必要がありそうだ。

一方、レモンティートゥリーは明るい茶色のまま。

レモンティートゥリー
レモンティートゥリー

こちらのほうが今年は被害が大きい。葉も硬くなっているのでいずれパラパラと落ちていくだろう。もちろん、そのあと新芽も出てくるだろう。

同じく、寒さと雪でやられたローズゼラニウムも茶色だが、株元に近い方から新芽が見え始めていた。株はダウンしていないようだ。

ローレルの蕾
ローレルの蕾

ローレルは開花まであと一歩。去年は寒さで汚らしい開花だったので、今年はいい花が楽しめそうだ。

外にいるハーブたちは、これからはあまり心配はいらない。そのかわり、ビニールハウスの中で育つ種類はすこし油断できない季節になる。

油断できないフルーツセイジ
油断できないフルーツセイジ

フルーツセイジもほとんど傷む事なくここまできたが、結構、この先暖かさで柔らかく伸び、寒の戻りで伸びた葉が一気にダメになってしまうことがたびたびある。忙しい季節を迎える分、目が行き届きにくくなるので注意が必要だ。

今年の新芽

冬の間の大事な仕事に、鉢の植え替えがある。落葉したり、休眠している間に古い枝を剪定したり、古い土を取り除き、新しい土を加えて春からの成長を促す。

もちろん、種類によっては剪定した枝を使って挿し木をしたり、株分けを兼ねた植え替えを行う場合もある。

寒さに弱い種類はさすがにもう少し暖かくなってから行うのでまだそのままにしているが、昨年のうちに植え替えしたような種類はもう新芽が動き始めたている。いずれもオープンなビニールハウスなので、気温は屋外と変わらないのだが。

エルダーの新芽
エルダーの新芽

今年も早く動き始めた一つがエルダー。昨年も芽吹きが早く、挿木が間に合わなかったりしたので、今年は植え替えと挿し木も早めに行った。山菜を思わせるような芽吹き。日本のニワトコの新芽も天ぷらにするようなので多分美味しいだろう(同じくたくさん食べるのはよくないと思うが)。ただ、天ぷらにするほどには数がないので手を出すわけにはいかない。先日登ったとある山では、登山道の横に何百本というタラの芽が伸びていた。天ぷらが食べたければそこへ行くほうがよさそうだ。まあきっと、もっと芽吹きに敏感な人々にしっかり採取されてしまっていると思うが。

グリークオレガノ
グリークオレガノ

グリークオレガノもいい感じで新芽が伸びてきた。こちらは挿し木をしていなかったので、もう少し大きくなったら試してみようと思う。ただ、急に暖かくなると柔らかく伸びてしまうので注意が必要だ。

この間までほとんど見えなかったブラックペパーミントも新芽が顔を出し始めた。

ブラックペパーミント
ブラックペパーミント

この時期の葉は、丸まっていて可愛らしい。最盛期には呆れるほど大きく育って、葉も鋭くかわいさは無くなってしまうが。

レモンマリーゴールド
レモンマリーゴールド

レモンマリーゴールドはまだ丸坊主。急いで植え替える必要はなかったが、大株なので忙しくなるとつい面倒くさくて後回しにしがち。今まで寒さでダウンしたことはないので多分大丈夫とは思うが、新芽が出てきたら毎年のことだがホッとするだろう。

植え替えると楽しいのがやはり斑入りの種類、植え替えた後に伸びてくる新芽はやはり鮮やか。冬の初めは、斑が確認できるとはいえ、ぼんやりとしていたゴールデンクイーンタイム。植え替えたらこの通り、綺麗な斑入りの葉が現れた。いつもこうならいいのだが。

おや、ちょっと早いお目覚めでは?というのがステビア。

ステビアの新芽
ステビア。古い枝からは良い芽が出ないので後で剪定してしまう。

あんまり早く動き始めてちょっと心配。来週は氷点下近くになる日もあるというので。葉が傷んでも、根さえ駄目にならなければ大丈夫ではあるが。こちらはもっと暖かくなって、伸びてきたら挿し木の元にするので、しばらくは少し大事にしておこうか。

いずれにしても、寒い中作業をしたことに答えてくれている感じで嬉しい。春に向けての作業も弾みがつくというものだ。