個人的な話だが、今年の夏は、昔の友人や知人とよく顔をあわせる機会があった。昔と変わらない友人や、成長して全く印象が変わった後輩など、様々だった。
小さい頃と大きくなってからではずいぶん印象が変わる人も決して少なくない。あってしばらくは同一人物とは思えないような変わりようの人もいたりする。
これはハーブにも当てはまる。いつも見ていれば「そんなもんだ」という程度だが、一年に一度か二度、限られた季節に育て始めるような種類だと、ときに思っても見ない姿を見せて当惑させられることもある。
マレインはそれほどメジャーと言えるハーブではないし、希望される方もそれほど多くないので、一年に一度育てるか育てないかのことが多い。
大抵そういうハーブは春に育てることが多いのだが、今年は問い合わせもあったりして夏前に種をまいて育て始めた。今月初めにはそこそこ大きくなって発売できるぐらいに育ったのだが、普段見ているマレインの苗とはずいぶん様子が違う。
春から育て始めると、もっと葉が厚ぼったく、クリームイエローという感じの葉になるのだが、妙にグリーンが強く平べったい。また、ふわふわとした綿毛があるようなないような・・・。
マレインの仲間は他にもずいぶんたくさんあるので、もしかしたら種子が間違って入っていたのかも・・・という不安も頭をよぎる。この頃はさすがに少なくなったが、20年前ぐらいは海外の種子は特に全然違うものがやってくることも希ではなかった。
せっかく大きく育ったのに、発売しようかどうしようか、迷っていた頃、ようやく中心の新芽に、見慣れたふわふわの葉が出てくるようになった。
おそらく、これまでの暑さから急に涼しくなってきたことや株の成熟度も関係しているに違いない。また、春の育苗だと、成長が速い上、なかなか成長過程をつぶさに見る余裕もないからかもしれない。
いずれにせよ、何ケースもあるのに何かわからぬまま育て続けたり、泣く泣く処分ということにならなくてよかった。
ドキドキしてスタートしたこの秋だった。