雪の下のスタートダッシュ

昨日から今朝にかけての関東の雪ほどではないと思うが、当地でも今夜からまた雪の予報が出ている。今年は幸いにもまだ被害がないので、穏やかな雪であるよう願うばかりだ。

われわれ人間は雪が降るとつい縮こまりがちだが、植物たちは雪の下でも着々と春への準備を進めている。

花壇のクリーピングボリジも地面に張り付くように葉を伸ばし、冬の間の少ない陽の光を集めようと必死だ。

クリーピングボリジ

それにも増して、周りから伸び出したホトケノザを始めとした雑草たち。前回の雪の下ではやくも伸び始めたようだ。この様子なら、暖かくなったらあっという間にクリーピングボリジを覆ってしまうだろう。

普通のボリジは一年草なので、雑草に負けない勢いで春から一気に大きくなるが、クリーピングボリジは多年草の分おっとりしている。「夏までにジワジワと成長すればいいか・・・」といった感じである。それを尻目に一気に成長した雑草たちは早い者勝ち。春のお日様を独り占めすることになるだろう。

クリーピングボリジ
気持ちだけでも草取りを

日陰には割と強いクリーピングボリジとはいえ、周囲を囲まれてはせっかくの成長期に育つことができず、場合によっては花もわずかしか咲かせられないことも考えられる。さすがにそれは避けたいので、今日は周りの草を気持ちだけ取り除いておいた。きっと春にはもう一度、二度と行うことになるだろうけれど・・・。

つかの間の雪解け

先週の半ばから終わりにかけて降った雪も昨日と今日の暖かさでほぼ解けた。昨日など、気温が15度を超えて、すこし作業をしても汗ばむほどだったので、あっという間に溶けた感じだ。

このあたりでは大雪というほどではなかったが、この冬初めての積雪だったので念のため、圃場の周りのハーブたちのチェックを行った。

雪の後、枝折れが心配なラベンダーやローズマリーも問題なし。寒さに弱い種類についてはまだ今の段階ではどうも言えないが、屋外の温度計でマイナス4度が最低だったのであまり心配する必要もないだろう。

ボリジ

毎年のことだが、雪が降るまでは雑草に隠れてて目立たないボリジも雪が溶けると姿を見せてくれる。こぼれ種なので、ブルーなのか白なのかわからないが、毎年このあたりで芽を出しては新しい株が育つ。まだ小さいが、暖かくなるとあっという間に大きくなって周りを圧倒することだろう。周囲にいくつも芽が出ているのでかなり整理しないといけないかもしれない。

レモンバーム
まだ古い枝が残る

年明けにもまだ青々していたレモンバームも、古い葉が黄色くなり、その隙間から株元の新芽がぎゅっと集まって顔を覗かせている(古い枝は早く剪定しておかなければいけなかったのだが・・・)。

レモンバーム
株元の芽

昨年は雪で枝折れしたホワイトセイジも今回は大丈夫。

ホワイトセイジとハムシ

それよりも、株の上を一匹のハムシがゆっくりと歩いていた。ちょっとこの時期には見かけないので、やはり相当暖かいのだろう。雪よりもこっちの方が心配だったりする。

とはいえ、寒くて食欲がわかないのか、しばらく見ていたが、葉をかじる様子は見られなかった。春はまだ遠い。来週はまた雪が降って寒くなるようなので、もうしばらくのあいだ静かにしていてほしい。

いかがはせむ

夏の終わり頃から、圃場の横にあるイングリッシュ系ラベンダーの畑の植え替えを行っている。もう5年近く植え替えを行っていないため、ダウンした株で歯抜けになったり、徒長する株も出てくるようになった。良い機会なので一度仕切り直しである。

畝も立て直して、耕耘、追肥を行う。用土も結構流れているので、補助の畑から追加した。傷んだ株は新しい苗から再スタート。そうでない株も剪定をして植えかえた。

土が落ち着くのを待って一畝ずつ行ったので結構日数もかかってしまった。

植え直しされたラベンダーたちは見ていても気持ちがよい。秋の新芽も順調に伸びてきてまずは一安心。

ところが、今年の春に周りでたくさん咲いていたボリジの種がどんどん発芽してきた。追加した土に入っていたのか、もともと蟻でもが運んできたのが耕耘された刺激で一斉に発芽を始めたのだろうか。

ラベンダートボリジ

今はこんなにかわいいけれど、すぐに大きくなってこのままではラベンダーの株は覆い尽くされてしまうだろう。

この周りにあったのはホワイトボリジだが、実生は白が出るとは全く保証できないのでポットあげする訳にもいかず、さて、どうしようかと迷っているのである。

ミツバチのお気に入り

暖かい日には圃場の周りでもミツバチを良く見るようになってきた。今日も、サラダに使うロケットの葉を収穫していると、周囲を何匹ものミツバチが飛び交っていた。

花盛りのロケット(ルッコラ)。サラダ用にはイマイチ。苦味が気になる。
花盛りのロケット(ルッコラ)。でも、もうサラダ用としてはイマイチ。苦味が気になる。

蜜源植物のボリジにはさぞやたくさんのミツバチが集っていることだろうと、ほんの10メートルほど離れたホワイトボリジを見てみても、なぜか一匹もいない。

ホワイトボリジ
少し前、大学で蜂の飼育を行なっておられる方が、青系統の花を好むと仰っていたので、もしかして白はお気に召さないのだろうか。ロケットの花も白ではないものの、せいぜいクリーム色である。

さて、ミツバチの姿を写そうとしてレンズを向けていると変なことに気がついた。ミツバチが花の上の方に現れてこないのだ。こちらは、花の中心に顔を突っ込む姿を待っているのに。

ロケットとミツバチ

蜜がでる所が、ずいぶん下にあるのかもしれない。萼の下の辺りから直接口を挿しているように見えた。ミツバチもなかなか大変である。しかし、ボリジをほったらかしにしてここまで頑張るとは、さぞ美味しい蜜があるのだろうか。花が咲いて、葉の甘さが移ってきたのかもね。

ガンバレ受験生

ここ松江では霜柱が立つ日がずいぶんと少なくなった。子供の頃は通学途中に時々見ていたように思うのに、目線が高くなったことばかりが理由とは思えない。

今日はそんな霜柱を久しぶりに見つけた。といっても歩くとサクッと音がする程度。地面に顔を近づけてみてもなかなか分かりにくい。

霜柱は耳で楽しむとして、朝日を受けて光る霜を少し楽しんだ。

何でもない雑草地も今だけは一寸良い感じ
何でもない雑草地も今だけは一寸良い感じ
クリスタライズド・ローズ
クリスタライズド・ローズ
ボリジの葉にもびっしりと霜が
ボリジの葉にもびっしりと霜が
小さなつぼみも見える
小さなつぼみも見える

それにしてもボリジの寒さへの強さは一寸驚く。ごわごわしているとは言え、結構水分の多そうな葉っぱである。こういった感じの葉を持つものは秋にさっさと葉を落としてしまうものが多い。寒さの中ロゼット状になってなるべく日の光を受けられるように頑張っている姿は健気でもある。冬も努力して、春には一気に花を開かせようと思っているようだ。受験生みたいだね。ガンバレ!