冬の生き物たち

今朝は予想外の積雪。せいぜいにわか雨が降る程度だと思っていたのに、サラサラの雪が降り出した。案外気温が低いのだろうか。

除虫技
雪を纏ったワームウッド

 

今年は、ここ数年のうちでは結構それなりに冬らしい冬のような気もするのだが、一方で、「この時期なのに?」と思うような生き物を何度も目にする。

ツチイナゴ
ツチイナゴ

まずはバッタの仲間。雪が舞う1月の半ばトノサマバッタ(と思ったらツチイナゴというバッタのようだ)がビニールハウスの外でガサガサと音を立てていた。ビニールハウスの中から間違って外に出てしまったのかもしれないが、ビニールハウスもほぼ外気温だ。

クサキリ。死んでいるのかなとつついたら足を動かした

また、1月の終わりにはクサキリ(多分)がビニールハウスのフレームに止まっていた。暖かい日だったので動き出したのかもしれないが、鮮やかな緑色はこの季節らしくない。

ちなみに、先月、お土産でイナゴの佃煮を頂いた。今まで進んで食べることはなかったが、お土産だということもあって抵抗も少なかったのかもしれない。それでも、ややおっかなびっくり口に入れたら意外な美味しさと歯応えに先入観は完全に払拭された。今後は目の前の皿に出てきても躊躇なく箸が伸びそうだ。正直なところ、硬くて口の中に突き刺さる田作り(ごまめ)よりもサクサクとして好みである。

将来的に、食糧難で昆虫食を摂取せねばならないことになっても案外抵抗なくいけそうだ。

もしかしたら今年はバッタの仲間を見る目も違ってくるかもしれない。

また、一昨日はニオイスミレの鉢にツマグロヒョウモンの幼虫。他の季節なら即刻退場してもらうところだが、なんだかかわいそうで躊躇してしまう。

先日、ホーリーの挿木をしていた時には、足元で動くものがいた。よくみると小さな蛙。

日がさしているとはいえ、気温が低いなか、よく出てきたものだと心配してしまった。そのホーリーもすでに葉の付け根に花芽ができつつあった。

ホーリーの蕾
ホーリーの蕾

同じ日、北面に這わしているのでまだまだ新芽は硬いだろうと思って油断していたロニセラ・グラハムトーマスも葉が膨らみ始めていて慌てて挿木をすることになった。

春は着実に近づきつつある。

殿様御帰還

悪天候やら地震やらで、仕事や生活、気持ちもざわざわしていた夏秋だったが、結構嬉しいこともあった。

少し時間が戻るが、昨年、非常に心配なことがおきた。

圃場の周りは田畑が広がり、すぐ脇には水路、裏には小高い山もあって、カエルなどの両生類も多い場所である。
トノサマガエル
トノサマガエルなど、草刈りをしていると草刈り機のすぐ先からピョンピョン飛び出してくるし、なかにはでっぷり太って素早く逃げることができず、こちらがヒヤヒヤするような立派なトノサマガエルもたくさんいた。ビニールハウスの中でも、水やりの後、水が溜まって湿っている場所など、何匹も集っているのを見かけたものだ。

ところが昨年、このトノサマガエルが妙に見当たらなくなってしまったのだ。その前の年ぐらいに、全国的にトノサマガエルが減っているというようなニュースを目にしていたが、都市部のことで、まさかこんな島根の片隅にまで影響が広がっているとは信じられなかった。

相変わらずアマガエルはたくさん見かけるので、昆虫類やナメクジが減ったとも思えない(実際たくさんいる)。ニュースで言っていたトノサマガエル特有の病原菌(だったかな?)なのだろうかとも思った。

アマガエル
アマガエルは相変わらずどこにでもいる
アマガエル
砥石の上は湿ってて気持ちが良いらしい

今までたくさんいたものが急にいなくなると妙に心配になるものだ。そのせいか、昨年は蛇もあまり見なかった感じがする。

ところが今年になって、春先から小さなトノサマガエルを見かけるようになった。草刈りをしていたら、相当大きなのもでてきたし、水路には以前のように何匹も並んでいる様子をちょくちょく目にするようになった。戻ってきたのが嬉しくてつい見てしまうせいもあるかもしれないが、以前より数は多いのでは?と思うぐらいだ。

ただ、この辺りだけのことかもしれないと思っていたので、この夏、カエル好きなことで知られているガーデナー、ポール・スミザー氏とお話する機会があったので、トノサマガエル、減ってると聞いていますが、見かけますか?と訊ねてみた。

「結構いるよ、今日もたくさん見かけたしね!」
とのこと、全国色々なところを巡っている氏の言葉にすこし胸をなでおろした。他の地域でも元のように増え始めていると良いが・・・。

先日は、急に蛇が飛び出してきて驚かされたが、その先には大ジャンプで逃げるトノサマガエルがいた。上手に逃げおおせたようだ。

もうすぐ今年の草刈りシーズンも終わるが、来年、草刈りシーズンが始まったら、またヒヤヒヤするぐらい飛び出してきてほしい。

出撃準備

今年はなんとなくナメクジの被害が多い感じがする。皆様の所はどうですか?

スミレの仲間の葉も穴だらけになったし、バジルの新芽もかじられた。そしてなんといっても発芽したばかりのナスビときゅうりが一夜にして消失してしまったのには腹が立った。

そして、今標的になっているのが、ニオイアヤメである。どうやら終った花を目当てに食べに来るようだ。咲いている時もかぐわしい花だからきっと食欲がそそられるのだろう。

開化を終えた花。これだけを食べてくれるのなら良いのだが・・・
開化を終えた花。これだけを食べてくれるのなら良いのだが・・・

終った花を食べに来るぐらいならば目をつむる所だが、ついでに葉までかじって帰られたのではたまらない。それでもと思い、朝早い内にチェックして捕殺するようにしているが次から次へと現れる感じできりがない。

葉に大穴が・・・
葉に大穴が・・・

ところが、夕方様子を見に行ってみると、株元にカエル君がいつの間にかいらっしゃる。ナメクジが出てくる時間にむけて出撃準備か?と思いたい。心なしか目つきも鋭くなっているような・・・?

カエル

思わぬところで

小さなカエルがチョロチョロ動き回るようになった。雨でも降るような天気なら思わぬところで顔を合わせることになる。

カエル

上のおちびちゃんはビニールハウスの入口のドア、ちょうど目の高さぐらいをペタペタと登っているところだった。この先上がっていっても何も無いんだが・・・虫も少ないだろうし。

カエル

この2匹は手洗い場のシンクに置いてある砥石の上がお気に入りのようである。雨が降るとしっとりするのだろうか。でもこの周りにもエサはありそうにない。まあ、いろいろ徘徊して経験値を高めているのだろう。でもこのあたりはヘビも多いからせいぜい注意して欲しい。

人待ち顔のカエル

圃場の近所に幼稚園ぐらいの男の子がいる。行き帰りにであうと、時々手を振ってくれるフレンドリーな子だ。

彼は週に何度か、圃場の目と鼻の先にあるゴミ集積所におじいちゃんとごみ捨てにやってくる。そのとき、いつも水路の溜めマスのところで立ち止まり、何かを見ている。

こちらも気になって様子を窺いに行くと、ミドルサイズのウシガエル?がいらっしゃった。以来、毎朝、自分もなぜかこのカエルの様子が気になって溜めマスを覗くようになった。

ウシガエル?

近くの農家さんが置いている肥料袋(田んぼへの水引込調整用のようだ)がお気に入りなのか不思議といつも朝にはこの定位置にいらっしゃる。昼ごろになるとどこかへ消えて、また翌朝にはここにいる。

何をしているやら想像もつかないが、かの男の子がやってくるのを待っているのだろうか。そう思うとなにやら人待ち顔のようにも見えてくる。声はまだ聞かないので彼氏を待つメスなのかも知れない。それとも肥料袋のオジサンに恋をしているのか・・・