ぴったりの場所

今日も一日暑かった。日が傾き、山の端に隠れるとホッと一息つくことができる。

剪定屑を片付けに畑の方に行くと、隅でホワイトキャンピオンが咲いている。植えた覚えは無いのでこぼれ種で飛んできたのだろう。雑草の中でひときわ引き立つ白が何とも涼やかである。

ホワイトキャンピオン

ホワイトキャンピオンは、いわゆる観賞用ハーブの中にあってはこれと言って目立たない。葉も平凡だし、花もたくさん咲くと言うほどではない。鉢植えにしても間延びしやすいので、良い雰囲気に見せるにはかなり腕がいる。

もともとがワイルドフラワーだし、ひっそりと咲く方が向いているのだろう。この株も、自分が一番引き立つ場所を選んでここに来たのに違いない。

どうやって増やそう

ハーブの増やしかたは種子や差し芽や株分けなどいろいろあるけれど、多くの種類は「これがベスト」という方法が大体決まっている。種子では増やせない(増やしにくい)ものは差し芽や株分けで行なうなど、その他の方法をとるし、そうすれば大体問題ない。

ただ、中には、種子でも、差し芽でも株分けでも増えるなんていう有難い種類もある。ミントなどがこれに当り、どれでも良く増えてくれる。とは言え、種類や増やしたい数に応じて方法は使い分ける。

問題は、どの方法でもとり合えず増えるけれど、これと言った確実な方法がない種類だ。

レッドキャンピオンなど、シレネの仲間が自分にとってはそうだ。一般的には種子が良くできるので、種子で増やすと言うのがこの種類のスタンダードである。とりまきどころか、こぼれ種でもガンガン増えると言うし、実際にそうだと思う。ただ、自分は腕が悪いのか、タイミングが悪いのか、種子増殖はどうも相性が良くない。

レッドキャンピオン

で、差し芽や株分けにも挑戦してみた。差し芽はまずまず発根する。ところが、ポット上げして苗にしようとすると花がすぐ上がってしまい、葉が充実しにくい(シーキャンピオンはうまく行く)。そのまま地植えなら問題ないだろうけど。と言って花を切り戻すだけでは販売できるような充実株にならないのだ。

だったら、株分けは?というと、キャンピオンの細かすぎる根と案外貧弱な株元が邪魔してこれもイマイチだったりする。

今年は株も充実しているし、この後たくさん種子が採れそうなのでまたチャレンジしてみるつもりだ。