芝桜の代わりに

風が強く、ゴールデンウイーク初日なのに肌寒い。といっても自分は休みではないのであまり関係がない。

毎年、この時期になると、プラティア・アングラータが満開になる。暑いのはどちらかと言えば苦手なこの種類なので今年は特に元気が良い。

プラティア・アングラータ

だが、これはポット苗。本音を言えば、今後の成長を考えるとあまり咲かせたくは無い。でも、少々花芽を摘み取ったからと言って開花を諦めさせることは難しい。

昨日来店されたお客様は、GWは芝桜を見に遠くまでお出かけなさるとか。遠くへお出かけは今年のGWは無理そうだから、せめて我々は芝桜の代わりにプラティアでも眺めて楽しもう。近くから見ればそれなりに楽しめる。かな?

気まぐれキャットミント

今日は市内の幼稚園の花壇の整備。年度替わり間際はかえってお邪魔だったりするので、久しぶりの訪問だった。これからぼちぼち伸び始めるだろうと思っていた花壇のハーブたちがすでに結構育っていて驚いた。

ブルーキャットミントとオレガノプルケルム
特に、昨年秋に植え付けたブルーキャットミント、かなり成長し、すでに花が上がっていた。両脇のオレガノ・プルケルムは夏前に植えていたので、ワサワサ状態。これから可愛らしい花を見せてくれるだろう。幸い、日当り、風通しとも良好なのでそれほど心配はしていないが、ちょっと密になりぎみである。花が終ったら少し小さめに剪定する必要がありそうだ。

さて、このブルーキャットミント、ここ松江辺りでは案外成育にばらつきがある。おそらく湿度と気温の関係だと思うけれど、うまくいく場所ではとても良く育つ一方で、場所が合わないとまったくヒョロヒョロに育ったり、あっという間にダウンしてしまうことも珍しくない。なので、ちょっと気まぐれな印象を受ける。

ちなみに今までで一番うまくいったのは、とある公園内の花壇、北向きの急傾斜、日当たり良好、風強し。と言う場所だった。コンパクトな株立ちと言い、濃い花色、花の密度など言うこと無しであった。なかなかああいう場所は今後出会えないかも知れない。

人待つ間に

誰かを待たせることに比べればまだましとは言え、人を待つのは苦手である。特に、いつ来るか分からない相手を待っている間は他のことがなかなか手に付かない。

それでも圃場にいる時ならば、いざ来客が合った時にもすぐに手を止めることの出来る作業がいくつかあるのでまだましな方だ。ちょっとした片付けや、草取りなどはこんな時に持って来いの仕事である。

今日も午前中、ある方と約束があったので、いらっしゃるまでに草刈りをして過ごすことにした。

草刈りも「○○時までに終えて次の仕事を・・・」というような場合と違って、いつ手を止めても良いつもりで行なえば、かえって気が楽で丁寧に作業が進む。普段なら見落としてしまいそうなこぼれ種のジャーマンカモミールも雑草の中で見つけ、草刈機を動かす手を止めた。来年、この当りに広がってくれることを期待しつつ、丁寧に残しておいた。普段なら分からず周りの雑草と一緒に刈ってしまっている所だ。

ジャーマンカモミール

9時過ぎから始めた草刈り、おそらく10時ぐらいにはいらっしゃると思っていた方が顔を出されたのは11時過ぎてからであった。おかげで、大半の草刈りが済んでしまった。

イラガとタナゴ釣り

昨日は、市内のとあるお庭へ作業へ伺った。ローズやハーブなどの手入れがメインの仕事だったが、大きく育った山椒の枝を少し剪定してやろうとしてちょっとびっくり。イラガの繭がいくつもついていた。

昨年何度も伺った庭だったのにイラガがいたとは分からなかった。我々スタッフも、そしてお客様にも被害がなくて幸いだった。

イラガの繭
いつ見てもこの繭はお洒落だ。一つ一つ違う模様は、一体何のためについているのだろう。繭と言えば柔いものという印象がある。しかし、この繭の硬いこと。指などではとても割ることは出来ない。(中にあの恐ろしいイラガの幼虫がいるかと思うと、指で割るような気にはなれないけれど。)

ところが、一体誰が目をつけたのか、この繭を釣りの餌にしようと考えた人がいたのには驚きだ。タナゴと言う小さな魚の釣りエサに使われるのだ。中にいる虫を切って、その腸を極小の針に巻き付けて使うとのこと。ここ山陰にもタナゴはいるようだが、釣りをしている人は見たことが無い。

不思議に思い、以前、そのことを宍道湖自然館ゴビウスの館長さんに聞いてみた。返ってきた答えは「そういう文化がない」とのことだった。小さな小さな魚を真冬に釣るような酔狂な釣りである。江戸の釣り文化は山陰までは届かなかったようだ。イラガたちそしてタナゴもさぞ安心していることだろう。

でも、釣りもたまにする私としてはいつか試してみたいと思っている。少なくとも餌のある場所はいくつか目星がついているし・・・。でも、変な目で見られそうなのが一番怖い。

「あのさん、あぎゃんこめ溝で、この寒いに何しちょられーだーか?だーだねか?」(あの人、あんなに小さな溝で、こんなに寒いのに何をしてるんだろうか?馬鹿じゃないかね?)
と言われるのがオチだろうなぁ。

私を忘れないで

今ごろになると、育苗ポットや親木の鉢からひょいっと顔をのぞかせてくるのが実生のビオラ・いわゆる三色スミレ(ハーツイーズ)である。

ハーツイーズ

一応栽培リストには載っているものの、この所怠けていて生産できていない。うちが苦手とする一年草と言うこともあるが、夏の種まきをついつい忘れてしまうのだ。秋も半ばになって、ああ、今年も育て損ねた・・・。と後悔し続けている。

今になって思わぬ場所から顔を見せる彼らを見るとそんな我々を咎めているかのようで少し心が痛む。まるで私たちを忘れないでね・・・と言うようで。同じような名を持つ一年草、Forget me not もまた、かつて同じような流れで栽培をやめてしまった一つなのである。