3月初めのハーブたち

3月に入ってから暖かい日と寒い日が交互にやってきている。

トスカナブルーローズマリー
みぞれの中のローズマリー

昨日はみぞれが降るような寒さで、トスカナブルーローズマリーの青い花も寒々しく見えたほど。それでも、2月はまだ、日差しが届く日の方が圧倒的に少ないので、気持ちは明かるい。

今日は三日目。天気が回復して少し暖かい。

満開の

サンタバーバラローズマリー
サンタバーバラローズマリー

も昨日と今日ではずいぶん感じが違う。バックに咲いているオオイヌノフグリのブルーも、あたたかな日差しの元だからこそ目に優しい。

おそらくもう極端な寒波はやってこないだろう。陽光のもと、畑を一巡してハーブたちの様子を見る。

マートル
マートル

ここ数年、寒さでかなり傷めつけられたマートルも今年は難を逃れたようだ。さすがに新芽は真っ赤だが、雪の枝折れも最小限。背丈を越し始めているので、花が終わったらかなり強く剪定してやろうと思う。

アープローズマリーも花の準備が進んでいる。

アープローズマリーの花芽
アープローズマリーの花芽

寒さに強い分、本当に暖かくなってからでないと開花しにくいのだろう。

ティートゥリー
ティートゥリー

ティートゥリーも今年はこの程度で済んだ。新芽が伸びるにはまだかなり気温が上がるまで待つ必要がありそうだ。

一方、レモンティートゥリーは明るい茶色のまま。

レモンティートゥリー
レモンティートゥリー

こちらのほうが今年は被害が大きい。葉も硬くなっているのでいずれパラパラと落ちていくだろう。もちろん、そのあと新芽も出てくるだろう。

同じく、寒さと雪でやられたローズゼラニウムも茶色だが、株元に近い方から新芽が見え始めていた。株はダウンしていないようだ。

ローレルの蕾
ローレルの蕾

ローレルは開花まであと一歩。去年は寒さで汚らしい開花だったので、今年はいい花が楽しめそうだ。

外にいるハーブたちは、これからはあまり心配はいらない。そのかわり、ビニールハウスの中で育つ種類はすこし油断できない季節になる。

油断できないフルーツセイジ
油断できないフルーツセイジ

フルーツセイジもほとんど傷む事なくここまできたが、結構、この先暖かさで柔らかく伸び、寒の戻りで伸びた葉が一気にダメになってしまうことがたびたびある。忙しい季節を迎える分、目が行き届きにくくなるので注意が必要だ。

寒波の後で

1月20日。大寒。氷点下にはならなかったものの、西風がとても強い。

少し穏やかだった昨日とはうって変わって、一時間おきにみぞれ混じりの雨が差したかと思えばお日様が現れ、めまぐるしい天気となった。

先週末の寒波による雪が、日当たりが悪くてなかなか解けなかったのだが、ようやく消え、ハーブたちも顔を覗かせ始めた。

昨年1月の寒波で大きな被害を受けて、種類によっては夏まで影響が残ったものもあったので、圃場を一回りしてチェックした。

冬の初めに、防寒しておいたレモンティートゥリーや、レモンヴァーベナも特に問題はなさそうだ。

レモンティートゥリー
レモンティートゥリー。風除けだけの防寒。上の方の葉は傷んでいるが、株元は元気そう
レモンヴァーベナ
レモンヴァーベナ。こちらも、普通落葉して丸坊主になるぐらいなのでほとんど問題なし。

先週末はマイナス3度ぐらいだったので、心配しなくても大丈夫なようだ。それなりに葉は傷んでいるが。

同じく、マートルなども、昨年ほどのダメージは少ない。その他、寒さに弱い種類もとりたてて影響はなかった模様で安心した。

カルドン
カルドン。ちょっと大きくなりすぎた

また、大雪が降ると潰れてしまうカルドンも10センチに満たない積雪では影響はなさそうだ。ただ、冬に葉が傷んでばっさり剪定することで、ある程度サイズが抑えられて良いのだが・・・。現在株幅2メートルぐらい。もうこの場所を我が物顔で占拠している。

 

雪が降って周りの雑草が枯れてしまったことで顔を覗かせたのがボリジ

ボリジ

草に覆われていた時にはわからなかったが、零れ種で案外たくさん出ていた。すでに移植が難しいぐらいのサイズに成長している。雪が降るまでは雑草の下で伸びるチャンスをうかがっていたのだろう。これからは一気に葉を広げて場所取りを進めてくるに違いない。

ブルーキャットミント
ブルーキャットミント。株元の新芽はぎゅっとひきしまって色も濃い。

ブルーキャットミントも古い枝や葉が傷んで、株元から新芽が顔を覗かせていた。天候が落ち着いたら少し剪定してやらねば。

もちろん、ラベンダーをはじめ、ローズマリーやタイムなど比較的寒さに強い種類はノープロブレムだった。

とはいえ、まだ少なくとも節分ぐらいまでは油断できない。おだやかな季節が来るのが待ち遠しい。

早々と防寒対策

11月は、あっという間に過ぎてしまった。これから年末に向かってせわしない12月と、行く、逃げる、去るの3ヶ月も控えている。きっと春まであっという間だろう。

昨年の12月は雨が多いぶん、それほど気温が下がらなかった。それが災いし、1月の寒波に書いたように、急な冷え込みでいろいろなハーブが大きなダメージを受けた。

一番ひどかったのがレモンティートゥリー。これまでは、特に防寒対策をしていなかった。葉が赤くなったり、一部の枝が枯れたりはしていたが、「案外強いものなんだな」と気にしていなかった。もちろん、どの程度まで耐えるか、調べてみたいという意味もあったのだが・・・。きっと、しんどい思いをしていたのだろう。

そのため、春になっても一向に芽が出てくる気配がなく、もう枯れてしまったとばかり思っていた。

レモンティートゥリー
4月終わりのレモンティートゥリー。全く芽が出る気配はない。
レモンティートゥリー
7月始め、諦めていた頃、株元から新芽が

それでも「もしかして・・・」と未練がましく畑に残していたら、なんと7月になって株元から新芽が。秋遅くには60センチぐらいまで盛り返した。

レモンティートゥリー
10月にはここまで復調

せっかくここまで頑張ってくれた株、今度は傷めてはならないと、先日、早々に防寒対策を行った。

レモンティートゥリー
まずは長く伸びた枝を剪定

防寒しやすいように伸びた枝は剪定。周りを大きめのビニールで囲う。

防寒

四隅に支柱を挿して行燈仕立てにするだけの簡単な防寒だが、この場所は谷風が吹き抜けるので、これだけでもだいぶ違う。
防寒
ついでにレモンヴァーベナも同じようにビニールで囲ってやった。

多分、今年もレモンティートゥリーはそれなりに傷む可能性もあるだろう。レモンヴァーベナは完全に落葉してしまうが、昨年も大丈夫だったし、暖かくなると少し遅い時期とはいえ、かならず芽が出てくる。

「今年は寒くなるぞー」とか、「雪が多いぞ!」と周りの人々は恐れさせて言う。しかし、前もって対策している年は案外拍子抜けするぐらいになるものなのだ(そうあってほしいけど)。

ハーブの防寒の詳しい方法については、

ハーブの防寒・地植え編(その1)
ハーブの防寒・地植え編(その2)
ハーブの防寒・地植え編(その3)

でご紹介しています。

1月の寒波

1月下旬の寒波は全国的に影響があったようで、たくさんの方から問い合わせをいただいた。

例年には見られないような被害があったり、今まで青々としていたハーブが寒さで急に茶色くなってしまったというお問い合わせが多かった。

当店の圃場でも、ここ数年では記憶にない影響があったので、今後の参考のためにも記録に残しておこうと思う。

ちなみに、松江気象台の記録では、1月24日のマイナス4.9℃が最低となっている。圃場では、マイナス6.9℃を記録していた。

まず、圃場脇の花壇のメキシカンブッシュセイジ

今回の問い合わせで多かったのもメキシカンブッシュセイジについてだった。「秋遅くから元気に新芽が伸びていたのに、寒さで一気に傷んでしまった」というものである。
メキシカンブッシュセイジ
当店の圃場でも、毎年のように一旦新芽が伸びて、降雪や霜によって枯れる。
今回もこのような感じであるが、根が傷んでいなければ問題なくまた春に新芽が伸びてくる。この株は恐らく大丈夫だろう。

次に、レモンティートゥリー

レモンティートゥリー

毎年冬に葉が傷むが、せいぜい、枝の先端の方の柔らかい葉が茶色になるぐらい。今年は、かなり大きな葉まで茶色くなっている。これほどの被害は初めてだ。おそらく傷んだ葉は一旦落ちるだろうが、内側の方は大丈夫なようなので、暖かくなったら新芽が出てくるだろう。新芽が出てきたら、傷んだ葉のところから剪定するなり、しごき落とすなりすれば良いと思う。
ローレル
少しは被害があるかと思っていたローレル(月桂樹)。全く傷んでいなくてちょっと意外だった。

次に、ティートゥリー

ティートゥリー

ごく小さな葉は茶色くなっているが、あまり問題はないようだ。ここよりももう少し内陸の大東町では、毎年葉がカサカサになって落ちてしまうが、株はダウンすることはない。

この寒波の前後で大きく様子が変わったのが、パイナップルセイジ

パイナップルセイジ

それまでは、葉も少し残って、枝もまだしっとりとした感じだったのだが、枝も葉も完全に枯れ果ててしまったように見える。昨年伸びた枝からはあまり良い葉が出てこないので、いずれ剪定してしまうから問題ないのだが、少し心配ではある。
食用ホオズキ
寒波の前までは、まだグリーンが残っていた食用ホオズキも、この通り。中にあった実も凍みてしまったのか、ぐちゃぐちゃになっていた。恐らく株はダウンしないと思うので春には土の下から新芽が出てくるだろう。

最も心配なのが、マートル

マートル

例年葉の先が傷んだり、葉が赤みを帯びることはあっても、このように変わってしまうのは初めて見た。道路際で風の通り道になったのかもしれない。

マートル

ただ、ところどころに緑の葉も残っているから、多分大丈夫とは思うが。

おおよそ、大きなダメージを受けたものは以上である。

アボンビューラベンダー

ラベンダーの仲間は写真のアボンビューラベンダーのようなフレンチ系をはじめ、問題はなさそうだし(レースラベンダーピナータラベンダーは無加温のビニールハウスの中でも葉が傷みはした)、ローズマリーやタイムの仲間、ミントのように冬地上部がなくなるものは全く心配なさそうだ。

おそらく、今後はこれほどの寒波は来ないような気がするが、もう一度となると、レモンティートゥリーや、マートルは少し対策しておく必要があるかもしれない。

冬を彩るリーフたち

今年も残すところ十日ばかり。年内に片付けておきたい事はまだまだ残っているが、寒さのため、体も心もなかなか勢い良く動かない。トシだなぁ。

年末を迎える頃になると、ハーブたちもあるものは枯死し、あるものは落葉し、また地上部を枯らして寒さに耐えているものもある。

なかには葉を赤くして冬の最中を彩る種類も多い。冷たい風もものともしない、元気な子供たちのほっぺのようだ。

シナロアセイジ

シナロアセイジは冬でなくとも赤みのある葉が特徴。寒くなってくるとさらに鮮やかになってくる。ただ、この辺りでもあまり寒さが強くなると地上部はダウンしちゃうのでその際はばっさりと切ってしまう事になる。

サルビア・ブカナニー

同じくサルビアの仲間、ブカナニーも冬は特に茎や葉裏、葉脈が鮮やかになる。花もまだ咲いたりするのでつややかな葉とともに楽しめる。とはいえ、それは安定した環境の中でのこと。強い風や、雪でも降ろうものならもともと弱い枝がポッキンとなるのは必定だ。

レモンティートゥリー

今年、案外面白いなと思ったのがレモンティートゥリー。特に新芽の辺りはきれいに赤く染まるし、繊細な感じの葉と相まって、鉢植えにして冬の観葉植物として楽しめるんじゃないかと思う。実は今だ花を見た事が無いからせめて葉色ぐらいは楽しませてもらってもよいだろう。

ウインターセイボリー

まだ今期、実力が発揮できていないのがウインターセイボリー。もう少し寒さが厳しくなってくると濃い葡萄色とでもいうような葉色に変わる。どちらかと言えば普段はあまり人気がないハーブであるが、以前、あるお庭屋さんがこの色に変わった苗を気に入ってたくさん買って帰られた事があった。この一件でちょっと見直した種類でもある。ぼちぼち冬も本番。「なにしおわば」しっかり実力を発揮してもらいたいものである。