あしあと

雪が降った翌朝、圃場に行くとちょっとした楽しみがある。

小さな山に囲まれているここは、夜中結構動物たちが出没しているらしい。むろん普段はあまりその存在に気づくことはないが、雪の後はしっかり足跡を残してくれる。

あしあと

犬や猫はもとより、タヌキは頻繁に出没しているようだ。野うさぎらしい足跡も見つけたし、正体不明の足跡もあった。町に近いのに、結構野生動物は豊富にいるようだ。近年はヌートリアの被害も周囲の畑にあると聞く(今は冬眠中だろうか?)。イノシシや猿が出没したことさえある。

今まで一番驚いたのは、圃場から50メートルも離れないところに大きなクジャクが羽根を広げていたのを見たときだ。さすがに目を疑った。もちろん野生ではなく、どうやら誰かが飼っていたのを捨てたらしかったのだが。

でも、さらに驚いたのは、近所のおばあさんがまるでニワトリを捕まえるようにそのクジャクを捕まえたことだ。こちらは鋭いくちばしでつつかれないかとヒヤヒヤしていたのに「おおよしよし」とかいいながら接近して難なく捕獲。連れてかえってしまた。その後のクジャクの消息は不明である。スタッフの間ではもしかしてその晩食卓に上ったのでは・・・と噂になっている。

上からの冷え

昨日に引き続き、今日も雪模様。雪は吹き込まないビニールハウスとはいえ、あたりが白く覆われるとさすがに気分的に冷え込む。

ビニールハウスに積もる雪
ビニールハウスに積もる雪

日光さえ差せば天国だけど、今日は日が射す時間も少ない。天井をたたく雪の音がなおさら良く響く。今日はまだ良いが、さらに積雪が多くなると、ビニールハウスの屋根にも結構積もる。一定の量を超えると滑り落ちるようにはなっているものの、頭の上に雪が載っている状態はあまりうれしくない。上から冷やされているようでまるで冷蔵庫の中にいる気分。

うーん、デスクワークは無かったっけ?と作業をしつつ考えたりしている。

すじ状の雲

今日はクリスマスイブ。ところがクリスマス寒波がやってきて昨夜から若干の積雪。今朝も激しく雪が降ったかと思うと、突然晴れる。

以前から不思議だったので、気象に詳しいスタッフに、
「どうして冬は強い雪が降る前には快晴だったり、降り止むと一気に晴れ渡るのか?」
と尋ねてみたことがある。実際、このような天候だとビニールハウスの開閉が大変なのだ。急に晴れると一気に気温が上がり、ハウスの中は30度を超すこともある。かといって、開けっ放しという訳にも行かないのだ。

当たり前と言われれば当たり前の言葉が帰ってきた。
「冬と言えば、冬型の気圧配置、となればすじ状の雲ですよね。」

一瞬の晴れ間。でもすぐ後にまた吹雪いてきた。
一瞬の晴れ間。でもすぐ後にまた吹雪いてきた。

たしかに、天気予報で映される雲の様子は衛星写真でも雲のあるところと無いところがはっきり分かる。この筋状の雲が移動してゆけば急に天候が変わるのは明らかだ。言われてみればその通りなのだが、いままで考えても見なかった。普段地面ばかり見ているせいか、視野が狭いというか、大きな物を捉えるのが苦手になってしまったのだろうか・・・。

ホッと一息

12月も中旬に入ると、お客様のお庭のお手入れも山場を迎える。お盆前もそうだが、年末年始を迎えるにあたって、お庭をきちんとしておきたいと思われるお家も多い。なのであまり前に行うのも問題だし、ギリギリになってからの作業もまたしかり。せめてクリスマスの前には一段落しようと、天気の具合と相談しながら作業を進める。

今日は朝から小雪が舞う。普段なら庭仕事は行わず、圃場の仕事を進めるところだ(普通のお庭屋さんはカッパを着て平気でやっておられる。なんて軟弱なことだろう)。でも、今日は別、お庭へGO。

地面も濡れていて、作業効率は悪いし、何しろ寒い。雪が舞っても風がなければ相当楽なのだけれど、あいにく風がよく通るお庭。でも、真夏の酷暑のときに比べれば増しだと自分にいい聞かせつつ作業を進める。

ローズリーフセイジ
寒さのなかローズリーフセイジが開花中であった

作業も無事終わり、お家の方に、暖まるから・・・と、生姜湯を出していただいた。体も温まった上に、安心してホッと一息。苦労も報われる一瞬である。

天気具合で

この秋のはじめ、圃場横のセイジ花壇の植え替えを行った。さすがに植えてから何年もたつと、弱ったり、消えたりする種類も出てくる。少し土も入れ替えて肥料も足した上で、植え直したり、新しい種類を植えたりした。

サルビア・ディスコロールの株も植わっていたのだが、2年ほど前にダウンしてそのままとなっていたので、少し大きめの苗を植え込んだ。

もともとある程度充実した株だったこともあり、順調に枝を伸ばし、秋半ばから早速花茎を伸ばし始めた。

サルビア・ディスコロール

この種類は、サルビアの中でも比較的秋遅くから開花する上に、決して明るい色ではない。それでも晴天の日には、「おっ、頑張って咲いているな!」と言いたくなるけれど、曇天の日にはこの花を見ても気が沈みがちになってしまう。花に罪は無いけれど。曇りがちな日本海側と、冬晴れやすい太平洋側では自ずからこの花に対する評価も変わるのだろうか。