春を先取り

今日はお客様のお庭のお手入れ。できれば2月初めには伺いたかったのだが、悪天候でずれ込んでしまい、ようやくお邪魔することができた。

庭に入ると、おっと、足下からたくさんのクロッカスが。店の花壇や、圃場にも植えているのに、まだ咲く気配さえ見せないから、一足先に春を先取りされたようで、ちょっとうらやましく思う。

クロッカス

3階の東向き、日当り良好のお庭と、やや日当りの悪い西向きの花壇では相当差がつくのだろう。圃場なんて、年によっては前年のうちに咲いてしまうNarcissus bulbocodiumが、ずっとつぼみのままだし。

ところでこのお庭は所々にクロッカスが植わっていて春先はつま先立ちで歩かねばならない。でも、花や葉の無い時期はあまり気を使わず歩いているので丈夫なものだなと改めて思う。早くうちでも咲かないだろうか。

朝のタマゴ

三月も目前だというのに野はまだ冬の色で覆われている。鈍い色の中で一部だけ鮮やかな色があると一際目立つ。今朝見つけたのは明るいイエロー。遠くから見るとタマゴでもあるかのように思えた。
クロッカス・クリームビューティー
正体はクロッカス・クリームビューティー。以前紹介した「クロッカス・ブルーパール」の仲間である。朝や曇天の日は花びらを閉じていて何かの卵のように見えるが、日が射してくるとパラボラアンテナが開くように太陽に向かう。
クロッカス・クリームビューティー2
植えたままで何年もほったらかしなのでこのところ少し数が減ったようだ。廻りも草だらけで圧倒されつつある。今年は少しメンテナンスしてやりたい。

律義な球根

クロッカスは律義である。ある日ふと気がつくと今まで何もなかったところに大きな花が出現して驚かされるが、毎年大きく時期を外すことはない。また、似たような種類でも毎年必ず同じ順番に開花する。
クロッカス・ブルーパール
ビニールハウスの横にもう5年以上植えっぱなしのクロッカスだが、毎年この「ブルーパール」から咲きはじめる。続いて黄色の「クロッカス・クリームビューティー」。そして最後に「アドバンス」が咲いて終演を迎える。

まだ寒い中ブルーパールが咲くと、やや冷たい色が寂しく感じることが多い。ちょうど雨やみぞれの日が多いからだ。

でも、希に今日のような日が射す日には同じブルーでも柔らかく感じるから不思議である。