年末の大掃除、途中までは順調にいっていた。このままいい感じで終わるだろうと思っていた。
ところが例に漏れずなにかの拍子で本来の掃除から離れてしまうものだ。
なにかの拍子、今回は種子を分類していた小箱だった。
箱に入り切れないぐらい種子の小袋が乱雑に押し込まれていたのがどうも気になり、入れ直したのがいけなかった。
相当昔の日付の袋もある。冷蔵庫内とはいえ、密閉も適当、発芽率も落ちているだろうし、そろそろ処分すべきと思いつつも捨てられない。
服とか、本とかならば結構大胆に処分できるのだが、種子はなぜか処分のハードルがとても高い。
「いっそ発芽しないならば思い切れるかも・・・」
と、さしあたり二つほど袋を引っ張り出して圃場へ持って行き、適当に撒いてみた。
ひとつは三年半ほど前のローマンカモミール。もう一つは、2018年のフィバーフュー。
もしかしたら忘れた頃、春にでも奇跡的に生き残った種子が発芽するかも・・・という程度の気持ちだったのだが、今朝鉢の表面に緑のものが見えて驚いた。
ローマンカモミールは一斉に発芽しているし、フィバーフューもちらほら。どちらもまだこれから更に芽が出てきそうだ。
どちらもとても小さな粉のような種子なのだが、改めて種子の持つ生命力に驚く。
しかし、ローマンカモミールは普段株分で増やすことが多いし(その方が速い)。フィバーフューはもうこの冬の分はおおよそ間に合っている。
場所も確保しないといけないし、発芽したからには長期間放っておくわけにもいかない。
あの小箱さえ目に入らなかったら・・・と年明けに思ってももう遅いのである。