もう半分

先日から秋雨前線が停滞して曇りの日が続く。

気温は高いが日照が少ない。苗の徒長も著しい。ひょろひょろに上に伸びてしまう。

ミントなどはいうまでもなく、普段は成長がゆっくりのローズマリーやラベンダーさえ柔らかく伸びてしまう。

それをさらに助長しているのが、暑さ対策に取り付けてある寒冷紗。真夏には必須のこの寒冷紗、毎年この時期外すタイミングには悩む。

来週も34度なんていう冗談のような気温予想が出ているので早まって外すのもやや躊躇してしまう。

幸いこのハウスでは、水の消費量が多い種類は左側にまとめてあるので、とりあえずは右半分の乾燥に強い種類の上に取り付けてある寒冷紗だけ取り外すことにした。

ローズマリーやラベンダーには午後遅くを除いてはしっかりと日がさす。

今日は晴れ間も見えたので、半分だけ遮光された状態。取り付け取り外しは面倒だが、寒冷紗も分割しておくことでこういうことも可能になる。

落語ではないが、まず半分、後でもう半分のほうがメリットが多いようだ。

もう半分の取り外しは、さて、いつになるだろう。

強烈な雨と蒸し暑さの1日

後で知ったことだが、今朝、このあたりでは大雨洪水警報が出たようだ。

確かに、7時半過ぎからものすごく雨足が強まって、圃場の轍も川と化した。

川になる轍
轍が川になる

一応ビニールハウスは周囲よりも少し高いところに建っているので、水捌けは悪くない。

それなのに中の通路中程まで水が溢れるというのは、相当の雨量だ。

水の氾濫
ビニールハウス内部まで水が入ってくるのは稀

ここまで水が来たとき、いままでの経験では線状降水帯などで雨が降り続き、相当の被害がでたこともあった。少しだけ「危ないかも」という予感がした。

水路の水
用水路も氾濫一歩手前

圃場の脇の用水路もあふれる一歩手前。

ところが、その雨も急に小降りになり、10時前にはパラパラと降る小雨程度になった。昔の夏の夕立が強烈になった感じだ。

その代わり、猛烈な蒸し暑さが残った。気温は30度を下回っているのに肌がじっとり、不快だ。でも、一番不快に思っているのは蒸れを嫌う種類のハーブだろう。強烈な雨で泥が株元に押し寄せていないか、やや心配である。

雪の下から顔を出す

先月の大雪、1月25日の写真。おそらくこの冬で1番の積雪の時だろう。右側にハーブの親木たちがたくさん埋もれている。

これが今日の様子。ようやくほぼ全ての株が雪の下から顔を出した。念の為、それぞれの株を確認するが、やはりそれなりに被害は大きい。

ビニールハウスから滑り落ちた雪があるぶん、まだ一部、雪の下敷きになって横倒しになった枝もある。

今年もローズマリーはずいぶん枝折れ、裂けの被害にあった。毎年秋には、雪に備えて強く剪定してしまおうと思ってはいるのだが、「まだ冬の間に挿木に使うかも・・・」という中途半端な欲があって残してしまった株がこういう被害にあう。

この株は、確か去年か一昨年もそうとう裂けてしまった。えだを長く伸ばしていると雪で裂けてしまうということがわかったのだからきちんと剪定すれば良いだけなのに。教訓が生かされていないことをただ反省するばかり。

おそらく大丈夫だと思われるが、ホワイトセイジもずいぶん押し潰されてしまった。

ラベンダーも今回ところどころが折れてしまった。

今年被害を免れたのは、マートルの大株。今年ぐらいの大雪だと相当の枝折れが起こる。たまたま、秋にガーデナーのKさんに試しに剪定をお願いしたところ、太い枝だけを残して球状に刈り込んでくれた。「どうなるか・・・」と彼女も不安そうだったが、細い枝が透かれたおかげか、その間を雪が積もって行ったのだろう、全く被害なし。今年の秋もお願いせねばならない。

こうして、雪の下から顔を出してくれるハーブたちには毎回ドキドキさせられる。

ヒヤヒヤのこの季節なのだが、雪の下から顔を出してくれると嬉しいものもある。

昨日、ビニールハウスのご近所さんからいただいた蕗の薹。今年は出てくるのがちょっと早く、ずいぶん大きめだとか。早速、大量の蕗の薹味噌を作った。

これでしばらくは、日本酒を楽しむのには事欠かなさそうだ。

雪の日の仕事

なかなか雪が途切れない。

普段の冬なら、ドカンと降っても3日目には青空が見え、どんどん雪も溶け始めるところだが、今回の寒波はなかなかしつこい。

昨日は水をチョロ出しにしていなかったビニールハウスのホースが凍って水が出なかった。今日は少し暖かくなっていたのか、昼前に試してみたら問題なく水が出て一安心する。

商品の発送も、いまだに荷物の集荷が再開されない。荷物が貯まるのは困るが、出荷作業がない分、他の作業に集中できるのは助かる。

それでも挿し木や種まきなど、じっとしている作業は体がどんどん冷えて行くのですこしでも体を動かす作業として、この間の竹製ベンチ作りの続きに取り掛かる。

一番西側の列ももう終わりが見えてきた。寒さも、しばらくゴソゴソ動いていたら気にならなくなった。午前中にいっきに仕上げるつもりで奮闘したらちょうど12時に終わりまで辿り着いた。

数年ぶりの作業だったのでどれぐらいかかるかの目処を忘れていたが、集中して作業すると思ったよりも短時間で終わるものだ。

重い鉢を乗せても、いままでのエキスパンドメタルと違って撓むことがない。とても気持ちが良い。

いつもと違う冬の終わり

この冬、ここ松江は大雪こそ降らなかったが、いつまでも冬の空が続く。

2月に入ると、例年ならば天気が明らかに1月と異なることに気づかされる。数日に一度でも、春が近づいたような気にさせる気持ちの良い天気が見られるようになり、作業場の薪ストーブの薪の消費量も格段に少なくなる。

ところが今年は、いつまでも冬の空模様。朝起きて外を見ると、また路面が真っ白と言うことがここのところ毎日だ。

2月24日朝の雪。昨日は地面が見えていたのだが・・・

とはいえ、せいぜい1、2センチなので、大騒ぎするほどのことではないが、色々と作業に支障が出る。朝からビニールハウスに積もった雪を見ると少しゲンナリする。

屋根に雪があると冷蔵庫状態

ローズマリーの雪。折れるほどではない

ラベンダーの株も雪をしっかり被り、ローズマリーも白く雪化粧。枝が折れるような心配がないのはありがたいが。

毎年、この時期気をつける必要があるのが、急な暖かさと寒さによる苗の被害だ。

多くの苗はこの時期も出入り口や換気口を開けっぱなしにしているので、屋外と同じ気温。苗もそれをわかっているのでじっと我慢しているからあまり心配はない。

ところが、寒さに弱い苗はさすがに外気と同じでは寒さで枯れてしまうので二重のビニールハウスの中で冬を過ごす。

こちらのビニールハウスは夜はぴっちりと閉じて、昼は天気が良い日だけ空けているのだが、それでも温度が案外上下する。

寒さに弱い種類は、寒さへの備えをそもそもしようとしないので、少しでも動ける温度になると柔らかい葉を伸ばそうとする。

その葉が、寒さでやられてしまうのでこの時期は本当に神経を使う。

主な種類としては、フルーツセイジ。これも冬の間そこそこ伸びたりして、春先の寒の戻りで真っ黒と言うことがなん度もあった。今年もまだ気を緩めることができない。

それから一連のヘリオトロープ。ちょっと気温が上がると伸びはじめてしまって、先日一度、それほど寒い日ではなかったが、扉を閉め忘れて帰ったら、数日後傷みが見え始めてきた。

葉の先が黒っぽくなったのが前兆

また、ちょうどギリギリの温度なのか、ナスタチウムも成長はしないのに花を咲かせている。秋のポット上げが遅くなってしまい、冬前の発売に間に合わなかった株たちだ。花を咲かせてしまったことで春の成長がどうなるやら、いま1番心配な種類である。

一枚のビニールだけで寒さに耐えているレモングラスは、秋までは青々としていたのに、ずいぶん黄色っぽくなってしまった。

今朝のニュースで、週末からは気温が上昇するとのこと。春の成長が目に見える日も近いだろう。