風邪には御注意召されい

7月にこぼれ種で発芽したロケット、夏の暑さでダウンしてしまうと予想していたのに、雨模様の夏が幸い?して、そのまま秋を迎えてしまった。秋からはさらに元気を増して調子よく成長。葉はいささか硬めなものの、サラダを始めずいぶん楽しませてもらっている。(だいぶ食べ飽きつつあると言うのが本音)

そのうえ、やはり暖冬気味であるのか株が秋の終わりを迎えても成長を続け、とうとう花を咲かせはじめてしまった。

ロケット

何の花でも、縁のない時期に見るとピンとこないものである。日差しまでもが春のような暖かさであるような錯覚をしてしまう。元気のある事は良い事だが、年末年始は寒さも厳しくなる模様。風邪をひかないようにネ。

タクラマカンからのたより

朝、車で走っていて、なにか遠くのほうがかすんでいる事に気がついた。その時は、今日は霧が出るほど冷え込んでいたっけ?。とぐらいにしか思っていなかった。

10時の休憩を過ぎてもやはり遠くがかすんで見えている。スタッフと、これってもしかして黄砂?でもまさか今の時期になんてねぇ。などと話していた。

黄砂

昼にニュースを聞いていたスタッフから「やっぱり黄砂だった」と教えてもらった。

黄砂と言えば、洗濯物を汚したり、近年はアレルギーの原因としても嫌われているが、今の自分はちょっと違う思いで眺めている。

今、就寝時、布団に入ってから開くのがスウェン・ヘディンの「さまよえる湖」。行った事の無い地を文字だけで想像しているといつの間にか心地よい眠りの世界に引き込まれてしまう。

砂漠の中の幻想的な水の流れ、タマリスクとポプラの生える地に思いをはせ、現実から心はかけ離れていく。

今ならば、テレビやビデオでいくらでも現地を見ることができるし、その気になれば自分自身をその地へおく事さえ不可能ではないだろう。

でもむしろ、想像の中で遊んでいる方がはるかに楽しい一面もあるように思う。だって、こんな嫌われ者の黄砂さえ、ヘディンが踏みしめたタクラマカンの砂が飛んできているのかも・・・なんてちょっと好意的に見ることができるのだから。

冬を彩るリーフたち(2)

過酷な環境に置かれると個性が現れてくるのだろうか、近い種類でも冬になると全く違う表情を見せるハーブも多い。例えば、育ち方や葉の形も良く似ている赤花クリーピングタイム白花クリーピングタイム。春夏ももちろん並べてみると赤花は葉色が濃いし、白花は明るい葉色をしているので分かりやすいが、冬はいっそう違いが明らかになる。

赤花クリーピングタイム

赤花の方は葉色が濃い赤みを帯びてくる(タイムの場合、冬に水を少なめにするとより顕著だ。実際この苗も一度水切れしかけたのでいっそう葉色が濃い。)。一方、白花の方は冬には黄緑色が強くなってくる。花は咲かずとも冬はひと目で見分けがつく。

マートル

普段は葉の大小ぐらいしか見た目がはっきりしないマートルドワーフマートルも冬はより見分けがつきやすくなる。マートルの方は葉にブチができやすく、冬はあまり見た目が宜しくない。

ドワーフマートル

一方、ドワーフマートルの方は全体が色づいてむしろ見た目は良好である。どっちも春になるといつの間にか元の濃いグリーンに戻っている。春は他のハーブに目が行っているので気がつかないだけなのだろう。

アイビー

普段はあまり好みではない(失礼!)アイビーも、今の時期はちょっと目を留めてしまう。ただ、これが壁や地面を埋め尽くしていたりするとちょっと辟易してしまうかもしれない。
アジュガ・チョコレートチップ
同じく地面を埋め尽くしているとちょっとうんざりしてしまうアジュガはどちらかと言えば好きな方ではないが、チョコレートチップは控えめな感じが好感が持てた。葉は小さめではあるものの、冬の葉色は同様に鮮やかである。花もまた控え目なところが良いのだ。

冬を彩るリーフたち

今年も残すところ十日ばかり。年内に片付けておきたい事はまだまだ残っているが、寒さのため、体も心もなかなか勢い良く動かない。トシだなぁ。

年末を迎える頃になると、ハーブたちもあるものは枯死し、あるものは落葉し、また地上部を枯らして寒さに耐えているものもある。

なかには葉を赤くして冬の最中を彩る種類も多い。冷たい風もものともしない、元気な子供たちのほっぺのようだ。

シナロアセイジ

シナロアセイジは冬でなくとも赤みのある葉が特徴。寒くなってくるとさらに鮮やかになってくる。ただ、この辺りでもあまり寒さが強くなると地上部はダウンしちゃうのでその際はばっさりと切ってしまう事になる。

サルビア・ブカナニー

同じくサルビアの仲間、ブカナニーも冬は特に茎や葉裏、葉脈が鮮やかになる。花もまだ咲いたりするのでつややかな葉とともに楽しめる。とはいえ、それは安定した環境の中でのこと。強い風や、雪でも降ろうものならもともと弱い枝がポッキンとなるのは必定だ。

レモンティートゥリー

今年、案外面白いなと思ったのがレモンティートゥリー。特に新芽の辺りはきれいに赤く染まるし、繊細な感じの葉と相まって、鉢植えにして冬の観葉植物として楽しめるんじゃないかと思う。実は今だ花を見た事が無いからせめて葉色ぐらいは楽しませてもらってもよいだろう。

ウインターセイボリー

まだ今期、実力が発揮できていないのがウインターセイボリー。もう少し寒さが厳しくなってくると濃い葡萄色とでもいうような葉色に変わる。どちらかと言えば普段はあまり人気がないハーブであるが、以前、あるお庭屋さんがこの色に変わった苗を気に入ってたくさん買って帰られた事があった。この一件でちょっと見直した種類でもある。ぼちぼち冬も本番。「なにしおわば」しっかり実力を発揮してもらいたいものである。

赤い果実

前回のジャスミンの果実の色はどう見てもあまり美味しそうではない。鳥も同じ食べるならばこちらの方を選ぶのではないか。

スィートブライアーローズ

スイートブライアーローズの果実である。圃場の一番隅に植えてあってほぼ放置状態。夏は草に覆われていてほとんど見えないが、雑草が枯れる冬には姿を現してくる。ちょうど果実も色づき、目に留まると言うわけだ。

肥料もやらないし、剪定もしないのにいつの間にか2メートル近くにまでなり、そこそこ花も咲かせているようだ。こんな隅に植えてしまってはせっかくの葉の香りも楽しめないし、ちょっと可愛そうである。ドッグローズよりも葉の感じは繊細で見た目も悪くない。もうちょっとしかるべき場所に植えれば良かったと後悔している。

さて、この果実、以前、収穫して種子を蒔いてみた事があるけれど、はかばかしい結果は得られなかった。ここは鳥たちのために残してやるのが人情ってものだろう。