日当りが肝心

ハーブをうまく育てるには日当りを充分考慮するのが大切だが、庭仕事を楽しく行なうにも日当りは肝心だ。

特に夏場は、日なたと日陰では体の疲れ具合が相当違うので、
『「○○邸」は昼から日が陰るから、明日の午後伺おう。』
とか、同じお庭の中でも、快適に作業が進むようにスケジュールを組むと何かと都合が良い。

もちろん、冬でも天気の良い日なら、なるべく日が当る庭が作業をしていても楽しいものだ。今日は3軒ほど手入れに伺う庭があった。快晴だが、風が強い。日陰はけっこう厳しそうなので、まず午前中に東向きのお庭がある家、午後は西向きの花壇がある家というスケジュールにした。

午前中、やはり風が冷たかったが、日が当っていればそれでも作業は気持ちが良い。「寒いなぁ」と言いつつもスムーズに庭仕事が進んだ。日がの当っているとハーブたちもなんとなく嬉しそうに見えるので、同じ手入れをしていても丁寧になるように思う。ハーブも嬉しい、我々も嬉しい、お客様も嬉しい。と良いことずくめである。

まだ葉は冬の装いだが、どこかやわらかそうな雰囲気が出てきた。オレガノ・プルケルム。
まだ葉は冬の装いだが、どこかやわらかそうな雰囲気が出てきた。オレガノ・プルケルム。

こびとのくつや

昨夜、さて、そろそろ寝ようかと言う時になって、天気予報が低温注意報を流しているのを耳にした。

たしか、レモングラスの苗が、上のビニールハウスでそのままだ・・・・

秋に植替したレモングラス、普段はもう少し防寒できるビニールハウスに置いているのだが、今、苗の移動のため、結構温度が下がるビニールハウスに移動させていたままだった。

今日は用事があったのでビニールハウスから早めに帰ってしまったのもいけなかった。夕方までいたら、夜の冷え込みも予想できただろう。

さすがに今からビニールハウスに行くわけには行かないし・・・。気になりながらも、翌朝の温度があまり下がらないことを願って床についた。

さて今朝は、願いもかなわず霜が降り、水たまりには氷が張る寒さであった。気分も重く、レモングラスを見に行ってみた。

なんと、苗の上にビニールがかかっているではないか。薄いビニール一枚とはいえ、上に何にも無いのとあるのとでは結構違う。

レモングラス

「もしかして、夜のうちに小人たちが現れてビニールをかけてくれたのか?」なんて一瞬思ったのだが、私は靴屋のおじいさんではない。昨夕、遅くまで残っていたスタッフが気を利かせて掛けてくれたのだった。

メニー・サンクス。

引き立て役

若い頃はもう少し順応性があったように思うんだけれど、立春を過ぎ、もうしばらくの我慢で春がやってくると言う頃になってようやく体が寒さに慣れてくる。

とはいっても、毎日寒い寒いと言いつつ仕事にとりかかる。朝の冷えた空気の中、モーツァルトブルーローズマリーの青が目にも鮮やかだ。ローズマリーもいろいろあるけど、色の好みで言えば個人的にはかなり上位にランクされる。特に今年は寒さのせいか、何となく例年よりも深みのある色になったような気がする。

この株は上に屋根がかかっているのでまだ葉色はきれいだ
この株は上に屋根がかかっているのでまだ葉色はきれいだ

惜しむらくはあまり寒さに当ると葉色が悪くなってしまうこと。この当りではもちろん枯れることはないにせよ、せっかく良い色の花が咲いているのにもったいない。ラベンダーもそうだが、ローズマリーも花の色を引き立てるバックの葉色が重要なんだなぁ。

本領発揮

挿し木や株分けの親木にする株は、大きく育つ種類や丈夫なものは畑に。寒さに弱いとか、特に湿度に弱いものなどは容器栽培で管理している。

タイムの仲間は寒さにも強いし、丈夫な種類なら地植えでも問題ないのだが、匍匐性については種類が紛れてしまうと大変な事になるので鉢植えでの管理である。

ゴールデンレモンタイムの親木は例年ならちょうど今ごろから葉が鮮やかなライムグリーンになってくる。春が近いことを感じさせる爽やかな色である。しかし今年はちょうど一番寒い時期に場所移動のためにしばらく野ざらしにしていた。普段は無加温とはいえ、一応屋根があるのだ。

ゴールデンレモンタイム

しばらくしてみてみると見事に葉が色づいていた。イエローと言うよりも茶色みさえ帯びた強烈な色。そう言えば昔地植えにしていた頃はこんな色を見せていたのかも。この株も久しぶりに本領発揮している感じで葉もつやつやと元気そうだった。

頼もしいヤツ

冬はビニールハウスの施設のメンテナンスを行なうことが多い。棚を作ったり、拡張したり、補強したり。今年は特に雪で破損したビニールハウスの修理に手間がかかっている。

この頃のパイプハウスは、接続するための金具などが充実しているので、金槌やドライバーぐらいあればそこそこ作ることもできるが、パイプを切ったりするにはさすがに専門の道具が必要になる。今まではサンダー(ディスクグラインダ)と呼ばれる電動の切断機を使っていた。パイプを切るだけでなく、刃を替えることによってレンガも切れるし、サビ落としなんかにも使える。ただ、これは火花が凄いし、強力な回転力があるので危険性も高い。音もものすごいので使うと自然に緊張感も高まる。

パイプ切断用に以前から少し気になっていたツールがあった。配管作業をしている友人が以前持っていたパイプカッターである。パイプに当ててくるくると回すと鉄パイプもポキンと折れるのだ。初めて見た時は、ちょっとびっくりした。こんなに簡単に切断できるとは。

それでも今まではサンダーがあるのでわざわざ購入するまでにはいたらなかった。

パイプカッター

ところが今回、相当数パイプを切る必要が出てきたので購入に踏みきった。パイプに当てて手元の握りを締めながらクルクルと回転させる。厚めのパイプでもものの10回転ほどで切断できる。静かだし、危なくないし、電源コードも引きずらないので非常に楽に作業が進む。心配だったのは鉄のパイプを切断して、さて、何本ぐらいまで切れるのかと言うことだった。でも、今の所無駄な心配であった。200本ぐらい切っても特に問題はないようだ。はじめからついている替え刃も今の所出番がない。

普通の園芸には用がないツールだが、鉄の他にステンレスや銅、真鍮、アルミ、塩ビパイプなども切断できるようなのでDIYが好きなひとにはちょっとおすすめしたい。パイプを切るとどうしても斜めになってしまうと言う悩みも解消される。ホームセンターで購入。2680円ナリ。