自然で不自然

降水量が少ないので、圃場のボダイジュが葉を落とし始めた。

おそらく、今の水分量では全部の葉を養っていくのが難しいのだろう。

株元には秋遅くのように枯れ葉が落ちつつある。全部落ちる前にしっかりとした雨が欲しいものだが、今の所の天気予報では望めそうにもない。

ビニールハウスの中に張ってある寒冷紗にも枯れ葉が・・・と思ったら昆虫だった。

自然の中ならば絶対に気づかないと思うが、不自然な寒冷紗にとまっているので不自然に見えてしまう。

アケビコノハという蛾の仲間らしい。枯れ葉に擬態して身を守っているのだろうか。でも、止まる場所にも気をつけな。と言いたくなってくる。せっかくの擬態が台無しだ。

いらぬ心配

つい先日まで蝉の鳴き声を聞かなかった。早い年には春ゼミなのか、GWぐらいに声を聞くことがあるが、これは別としても、梅雨に入るか入らないかの頃「もう鳴き出すのか」ということも決して多くなかったように思える。

それが今年は、梅雨入り後はもちろん、梅雨明け後もさっぱり声を聞かなかった。暑い時にセミの声は暑さを倍増させるのだが、暑いのに声が聞こえないとちょっと心配になってくる。

温暖化がセミにも影響するのだろうか?とか、雨が降らずに土が硬すぎて地上に出てこれないのだろうか?なんていう考えさえ起こりはじめる。

ところがある日、奥の林から一匹の蝉の鳴き声が聞こえ、数日後にはいつもの年と同じうるささで暑さをさらにヒートアップさせてくれている。

今はまだ心穏やかに聞いていられるが、もうしばらく経つとうるさくてうんざりする事になるだろう。

今日は一匹のニイニイゼミが急に腕に止まってきた。いつまでも離れないのでつかまえたが、鳴かないのでメスだったようだ。あまりの暑さに木の枝と間違えたのだろうか。樹液は吸わないでほしいが。

緊張の休憩時間

普段の5月ならば、休憩タイムは屋外で初夏の風に吹かれて・・・というのが恒例だったが、今年は肌寒くて「なかでお茶を飲もうか」というパターンも多かった。

それでも6月になった今日は外のボダイジュの下での休憩となった。

新緑の下での休憩は心まで爽やかになってくるように思える。

お茶が終わりそうになった頃、向かいに座っていたU君が、

「その上にあるのって蜂の巣ですかね・・・」

というので見上げたら、頭の上になにやら見覚えのある物体が。サイズからしてもスズメバチ(おそらくコガタスズメバチ)の巣のようだ。

微妙な高さにあるうえに、いまちょうど長い枝切り鋏が手元にないので対策できないが、今はまだおそらく女王蜂だけがいるようなのでこのチャンスを逃すと面倒なことになりそうだ。

スズメバチには申し訳ないが、この木陰の下は譲れない。リラックスできる貴重な休憩時間が緊張の時間にするわけにはいかないから。

これからの活躍に期待

冬の間、枯れた草や枝を片付けているとき、時々見つかるカマキリの卵鞘だが、この冬は案外少なかった。

見つけると、草に埋もれて押しつぶされたりしないよう、枝ごとビニールハウスの適当なところに置いておくと、暖かくなると次々孵化し始め、あちらこちらで幼虫を見かけるようになるのだが、今年はあまり目にしなかった。

それほど心配はしていなかったが、それでも幼虫を目にすると嬉しいものだ。

ボクサーのように体を左右に揺らしている様子は、成虫と同じ。微笑ましくもある。

カマキリも幼虫のうちはアブラムシや小さいハエを食べてくれるようなので、これからの活躍に期待したい。

あっという間のひと月

今日から5月・・・と書いて、あらためて4月があっという間に過ぎていったことを実感。

早朝は気温が一桁に下がりそうな感じで、重ね着をしないと作業もままならなかったが、8時ぐらいからは気温が急上昇。パーカーを脱ぎ、ツナギを脱ぎ、長袖を脱ぎ、昼前にはTシャツ一枚が快適となった。

昆虫たちも活動が活発。咲き始めたラベンダーにはミツバチもやってきて行ったり来たり。本当にミツバチはラベンダーが好きだ。

畑の裏のセイヨウサンザシも満開。甘い微妙な香りが漂う。小さな虫がホバリングしている中をスズメバチも行ったりきたり。去年の秋はあまり見かけなかったので(ありがたかったが)、久しぶりに見た。

昆虫たちが活発に動くのを見ると、こちらもなんだか勢いがつく感じだ。今日から5月、きっとあっという間のひと月になるのだろう。