農繁期の種子

気がつくとチャイブが種子をつけはじめていた。

チャイブ

チャイブ

5月の初めには可愛らしいピンクのネギ坊主を揺らしていたのに、時の経つのは早いものである。上からのぞくと、黒い粒々が見えるようになってきている。

比較的小さい種子が多いハーブの中でもチャイブは種子とりがしやすい種類だと思う。それでもタイミングは大事だ。放っておけばいつの間にか落ちてしまう。種子たちも人間の都合を待ってはくれない。

種子とりに気が回るのはまだ時間的余裕が有る証拠である。いっぱいいっぱいの時なら気がついた時には種子はもう落ちてしまっている。それを見て更に余裕の無さを実感して焦ってしまうのだ。

実は今もそんなに余裕はないのだが、あえて種子とりをすることで、焦る気持ちが少しだけ押さえられるのではないかと思うのである。

切り取って、かるく振ってもまだ種子はあまり落ちてこない。充分に熟していないようだ。何個かネギ坊主を収穫して紙袋に入れておく。しばらくすると軽く振るだけでパラパラと種が落下してくるようになればOKである。
チャイブの種子
ただ、そのまま紙袋が放置され、数ヶ月後に見つかったりするとまた余裕の無さを痛感させられたりするので要注意である。

先人の失敗

長い間品切中になっていたチャイブスがようやく大きくなってきた。それほど遠くない時期に発売できそうだ。

チャイブス

チャイブを見るたびに思いだすのは、まだハーブを作りはじめてまもない頃、園芸の大先輩から伺った笑い話である。大先輩の友人は、チャイブを育てようと、ポットに種を蒔いたのだ。ところが、1ポットにひと粒づつ。当然のことながらヒュ〜ッと一本だけ伸びたポットが並ぶことになったそうである。

その時は「それはドジですね。」と答えていた自分だったが、まだ育苗もほとんどしていない頃である。教えてもらわなかったらきっと同じことをしでかしたに違いない。笑いながら、「チャイブは数粒を蒔くこと!」としっかり心に刻んだのである。

まして今なら、直まきもせず、小さなプラグに数粒づつ巻いてポット上げするか、株分けで苗を作るのでポット苗も比較的揃いやすい。写真のは、種子からなのでちょっと線が細い感じ。ガシッとした株分け苗にはやはり劣る。

同じ種子からの苗でも秋にポット上げすると、冬いったん地上部が枯れ、春に出てくる新芽のものはすごくエネルギッシュである。本当は春の苗はこちらを出したいというのが本音だ。今年は間に合わなかったけど。