ほんの数日で

先日のブログでもうすぐするとツマグロヒョウモンが・・・と書いていたら、一気に被害がではじめた。

「今年はちょっと遅めかな?」と思っていたのだが、秋を感じさせるような天気になったら急に目立ち始めた。暑い間は動かないよう我慢していたのかもしれない。

かじられたニオイスミレの葉に隠れているのは・・・

今まで割と調子良かったスイートバイオレットだったのに、急に齧られた後が目立つようになったのだ。

ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモンは上手に隠れているので、そっと葉を裏返してみると、結構大きく育っているのがあちらにもこちらにも見つかる。

見た目によらず毒はないので安心

涼しくなって「食欲の秋」となり、大食いして急に成長するのだろうか。

まだ小さい苗は一気に被害を

少しだけでも、「今年はあまり被害がないかも」と思ったことを後悔した。

さて、スタッフと「今年は妙に遅くない・・・?」と話していたヒガンバナも、今日、畑の東側、いつもまとめて咲く場所を見てみたら、花茎が一気に立ち上がっていた。

彼岸花。5日ほどで一気に伸びた

この場所は、先日の日曜日草刈りした場所である。その時かなり地際で刈り込んでいたし、もちろんその時も気が付かなかったので、およそ5日ほどでこれほど伸びたようだ。こちらもツマグロヒョウモンと同じく、涼しくなるのを待ちかねて・・・という様子だった。

我々も、涼しくなるのを待ちかねていたので、遅れていた秋の作業に本腰を入れねば。

好き嫌い

植物を育て始めた頃は、病気や害虫が発生すると、とても焦って恐れたものだ。初心者の時には原因もわからず、害虫の種類もよくわかっていないので仕方がないのだが。

それが長年育てることで少しずつでも病気や害虫のことがわかるようになってきてあまり慌てなくなる。「そろそろ出てくるかな」という予想も結構当たる。当たらない夏の天気予報よりも確率は高いと思う。

それでも、油断していると思わぬ被害を受けることがある。

今年の夏はあまりに気温が高く、日射も強かったので、葉が柔らかくてすぐに乾いてしまうフルーツセイジを日陰に置いていた。暑さ自体には相当強いので、少々水が切れようと日向に置いておけばよかったのだが、例年よりも葉が柔らかく育ってしまったのだろう。気がつくと一気にベニフキノメイガの幼虫の餌食になっていた。

ベニフキノメイガの幼虫は結構すばしっこいし、糸の中に隠れているので、丁寧に取り除くのは結構面倒だが仕方がない。

でもこれが、初心者の頃だったら手前に置いてあるスイートバイオレットの苗の心配もしてしまったことだろう。「これにも移ってしまうんじゃないか」と、不安になったに違いない。

だが幸いに、ベニフキノメイガはシソ科専門。隣がローズマリーやタイムなら危ないが、スミレはお好みではない。隣にあってもまったくOKだ。そのかわり、もう少ししたら必ずと言ってもいいほど現れるツマグロヒョウモンの幼虫の出現に目を光らせる必要はある。

また、この時期よく見かけるのがスズメガの幼虫(ベニスズメ?)。例年は、ビニールハウスの周囲に生えるヤブガラシによく付いていて草取りをしている時にびっくりすることがあるのだが、今年は日陰を作ろうと企んでいるブドウの葉にもしっかりつき始めた。

ここで育てているハーブにはブドウの仲間はないので、気にする必要はないのだが、このブドウは来年に向けてしっかり株を充実させたいから退去してもらう。

とりあえず外のヤブガラシに移動してもらった。ヤブガラシならいくら食べてもらっても構わない。というか、食べ尽くしてもらうと助かるぐらいだ。

ラベンダーに絡みつくヤブガラシ。蒸れに弱いラベンダーにとってはあまりよくない

ヤブガラシに移動して、しばらく観察していたが、あまりお気に召さない様子だ。

柑橘の葉を食べるアゲハの幼虫も、柑橘の種類が違うと嫌がると聞く。この辺も好き嫌いやこだわりがあるのだろうか。それとも食草自体が違う別の種類だろうか。昆虫は難しい。

目にもさやかに

秋きぬと目にはさやかに見えねども・・・の和歌も、詠まれた時代には、何月ぐらいのことだったのだろうと思う。

案外8月の半ばぐらいだったのかもしれない。

今のような気候なら、ひと月ぐらいは遅くならないとこんな歌を詠む気にはとてもなれないだろう。

自分が毎年秋を感じるタイミングは風ではなく、収穫の終わった田んぼから籾殻を焼く香りがする頃だ。

ところが今年はまだ一度も香ってこない。

圃場の近所でも、作付けが毎年のように減っていき、遠目でしか稲が育つ姿を見る事ができない。

この、籾殻を焼いてくん炭を作る香りは苦手な人も多いようだが、自分にとっては夏を乗り越えて穏やかな秋を迎える事ができたとしみじみ感じる香りだ。

秋遅くなって、本業が一段落したら譲ってもらった籾殻を使ってくん炭も作るには作るのだが、早くとも11月。まだまだ先。

くん炭
これは昨冬製作の籾殻くん炭

香りを楽しむだけのために今からくん炭作りをするわけにもいくまい。

さて、ちょうどこの時期、ブルーミストフラワーも涼しげな色の花を咲かせる。

ブルーミストフラワー

秋の涼しい風が吹くころに毎年咲き始めるのので、「目にもさやかに」秋を感じさせてくれる。しかも遠目で見ると、ふわふわとした花という感じだけの印象だが、近づいてみるとその繊細さに少し「おどろかれぬる」なのである。

ところが花を咲かせて寒くなると、急にシワシワと葉が枯れていき、完全に地上部がなくなってしまう。

あまりにもあっさりしているので、本当に枯れてしまったと勘違いするぐらいだ。

でも心配は無用。翌年にはしっかり復活してくれる。

籾殻を焼く香りも、また復活してはくれないだろうか。

寒冷紗を畳む

先日取り外した寒冷紗だが、片付けるタイミングを逸して、しばらくそのままになっていた。

昨日も、休憩の後に畳もうかと、ビニールハウスの入り口まで用意していたのに休憩中に雨が降り出す始末。予報は晴れマークだったのに・・・

大きな寒冷紗なので、天気の時に外で畳む必要があるのだ。仕方なく、がさっとまとめたままとなっていた。

今日は、「休憩の後」などと悠長なことを言わずに、とにかく準備ができたらすぐに取り掛かった。少し黒い雲も出てきたので気が焦る。

寒冷紗片付け
雨が降る前に急げ、急げ

まずは幅5メートル、長さ15メートル程度の中型の寒冷紗。ビニールハウスの前の道路に広げる。夏の間には虫の死骸などもへばり付いているので、まずはバタバタとはたいて落とす。

その後、横に半分、更に半分と畳んでいき、肩幅ぐらいになったら今度は縦に何度か畳んで小さくする。

小さく畳んだ寒冷紗
小さく畳んだ寒冷紗

これぐらいになると、20リットルほどの土の袋にちょうど入るので、取り付けてあった位置を袋に記入して詰めておく。取り付け位置を記入しないと、来年、取り付ける場所を探すだけでとんでもなく時間がかかるはめになるからこれだけは毎年必ず実行。

取り付け位置は必須

今日はこのあと四枚ほどの寒冷紗を片付けて終了。結局雨が降るどころか、日が差してきた。

まだ小さいものも含めて数十枚はあるので、全てを片付けるまではまだまだかかりそうだ。今月中に終わるだろうか。

もう半分

先日から秋雨前線が停滞して曇りの日が続く。

気温は高いが日照が少ない。苗の徒長も著しい。ひょろひょろに上に伸びてしまう。

ミントなどはいうまでもなく、普段は成長がゆっくりのローズマリーやラベンダーさえ柔らかく伸びてしまう。

それをさらに助長しているのが、暑さ対策に取り付けてある寒冷紗。真夏には必須のこの寒冷紗、毎年この時期外すタイミングには悩む。

来週も34度なんていう冗談のような気温予想が出ているので早まって外すのもやや躊躇してしまう。

幸いこのハウスでは、水の消費量が多い種類は左側にまとめてあるので、とりあえずは右半分の乾燥に強い種類の上に取り付けてある寒冷紗だけ取り外すことにした。

ローズマリーやラベンダーには午後遅くを除いてはしっかりと日がさす。

今日は晴れ間も見えたので、半分だけ遮光された状態。取り付け取り外しは面倒だが、寒冷紗も分割しておくことでこういうことも可能になる。

落語ではないが、まず半分、後でもう半分のほうがメリットが多いようだ。

もう半分の取り外しは、さて、いつになるだろう。