庭に活かす

昨年からとあるお宅で、もと畑だったところをデザインし直して花のお庭に作り替える作業が進行中。土作りから始まって、花や球根も加え、ずいぶんお庭らしくなってきた。道路に面している上、柵なども無いので近所の方の反応もあるため、やりがいもある。横を通られる方から、
「きれいになりましたねぇ」
とか言われると単純に嬉しい。

さて、春先、このお庭でがっしりとした葉が突如地面から現れた。スタッフが、
「これ、何かな?」
と尋ねるが、さっぱりわからない。小さなうちはなにやら原種のサルビアにも似た葉をしていたので、
「家の人が植えられたんでしょう、サルビアのなんかじゃない?とりあえず、そのまま」
と答えていたが、来るたびにどんどん大きくなり、一枚の葉が60cmぐらいになってきた。さすがにこれはサルビアなんかじゃなさそうだ。

小さい時は、Salvia dolichanthaにとても良く似ていた・・・
小さい時は、Salvia dolichanthaにとても良く似ていた・・・

作業を進めるにも邪魔になってきて困っていたところ、たまたま奥様が、
「あれ、これ何かしら?」
と尋ねられた時に、ご主人が
「あ、こりゃ、前植えてたゴボウだ。種子取るからこのまま置いといて」
と仰って正体がわかった。スタッフの前で面目丸つぶれである。実際、ゴボウは育てたことも無いし、地下部分しか普段見ないから知らなくて当然なのだが、ハーブばっかりやっているからこういうことになるのである。

いずれにせよどんな花が咲くのか、楽しみである。うまくお庭の中で活かせるといいのだが。でも、周りは農家の方が多いから、笑われるかもなぁ・・・。

朝のフレッシュサラダ

主に多年草を主体に育てているせいか、正直言うとあまり一年草の栽培は得意ではない。特に、開花期になると、有無を言わさず花芽を付けていくエネルギーについていけない感じだ。

苗を育てる上でも、ちょっと目を離した隙に花が咲いていたということもよくある。このナスタチウムもちょっとポット上げ(用土節約のため、プラグまきであった)が遅くなったこともあり、まだ株が十分に成熟しないうちに花を咲かせ始めた。

ここ数日バタバタしていたため、気にはなっていたのだが、花芽の剪定も後回しだった。今朝ようやく少し時間に余裕ができて花芽を摘む。ナスタチウムは本当にどこでも食用にできて、花や葉はもちろん、花芽も、花の後にできる種子(柔らかいうち)もぴりっとした辛みとともに、美味しく食べられる。

見た目は花のほうが良いだろうけれど、柔らかい食感や、これから花を咲かせるところを食べてしまうという罪悪感もスパイスになって、花芽のほうが美味しい気がする。

ナスタチウム花芽

いくつか食べると、朝の眠気もどこへやら。明日はもう少し摘んで、朝食のサラダに入れよう。

援軍の到来

さて、いよいよローズのつぼみが膨らんでくるようになると、ゾウムシとともにいやでも目にすることが多くなるのがアブラムシ。もうすぐ開花を迎えそうなつぼみにびっしりとたかられるとさすがにいい気分はしない。庭の持ち主のお客様も、姿が見えにくいゾウムシと違い、見えやすいので心配されることが多い。

アブラムシ

つぼみが少なければ直接手でつぶすのが確実だし、こまめに木酢などで予防するという手もあるにはあるが、大きなツルばらなどではそういうわけにもいかない。

幸い、いくつかのお庭では今年、強力な援軍がやってくるようになった。ひとつはナミテントウ。ツルばらの葉の間をごそごそと動き回り、あまりアブラムシを食べている様子を見ることは少ないが、卵を産んでくれれば幼虫は特に強力な助っ人である。

ナミテントウ
もう一つはヒラタアブ。これも幼虫は大食漢のようで、すでにつぼみの奥のほうへ頭(?)をつっこんでいるからお食事中なのかもしれない。

ヒラタアブ

専門家がやってきたので、しばらく我々は手を出さず、アブラムシについてはあとはお任せすることにした。我々の仕事は、庭の持ち主に援軍の到着を伝え、彼らのために、薬剤などまかれずにしばらくは様子を見てほしいとお願いすることであった。