梅雨の恩恵

雨が少ない上に暑さが厳しい。にもかかわらず、菜園のバジルたちは元気である。一応株元にマルチをして乾燥を防いではいるけれど、例年でも結構水切れ気味になりやすいのに意外である。

ルビンバジルとスイートバジル
梅雨明け以来しっかりとした雨は降っていないのに、渇水の話も出てこない。時々ネットでチェックする近隣ダムの貯水量もまだ心配するような値にはなっていない。春からの降雨がしっかりと地面に滲みているのだろう。降り続く雨にうんざりした梅雨も今になると有難く思う。

バジルたちにもその恩恵があるのかどうかは分からない。さあ、葉の状態が良いうちにどんどん使わなくては。

ルビンバジルは花も咲き始めた。隣にスイートバジルがあるとついそちらに手が伸びてしまう上に、花の咲いた様子が可愛らしいので収穫は後回しになりがち。困ったものだ。

夏の種まき

例年ならもうかなり進んでいるはずの夏の種まき、今年は暑さのために遅れぎみである。

ただ、ある程度の温度を必要とする種子ならばすぐ発芽してくれる。春先にかなりてこずることの多いリコリスの種子も揃って発芽する。

リコリスの発芽

ただ、発芽した後は例年以上に気を使う。この後、徒長の心配をしたり、水切れはもちろんのこと、柔らかい茎が腐ってしまう恐れもある。

そもそも暑さを嫌う種子は蒔くことすらままならない。以前いたスタッフが、保育園のバザーが秋にあるので苗を出品しようとした。「かわいいから絶対人気がでる」と、チャービルをお盆過ぎ頃に蒔き始めた。案の定一つも発芽しなかった。

今年のような気温ならなおさらだろう。涼しさを好む種類の種蒔きはまだ当分先になりそうだ。

通り雨

待ちに待った雨。通り雨程度とは言え、緊張していた気持ちがふっと和らぐ。お盆前の台風以来の雨は、たった2週間ぶりなのに、一月も待ったような気がする。

ビニールハウスに打ち付ける雨音が快い。花壇や畑も多少潤っただろう。それよりも心への潤いは計り知れない。通りすぎる雨雲に、もう少しゆっくり動いてくれと願いつつ空を見上げているうちに、雨足は弱くなっていった。

ギンヨウボダイジュと蝶
ギンヨウボダイジュと蝶

外へ出てみるとギンヨウボダイジュに蝶が雨宿りしていた。

コガネバナ

この暑さで今年は稲刈りも早まるらしい。スタッフの家でもスタートしたし、圃場の周りの農家も少し前から慌ただしそうだ。炎天下の中の稲刈り、無理をされないようにと今年は願ってしまう。
稲穂と田圃
ビニールハウスの横の水田も稲穂が色づいてきた。「黄金色」とも形容されるが、実際に稲刈りされる頃よりも、少し前ぐらいの方が鮮やかな気がするのは自分だけだろうか。

収穫する側になれば、しっかりと充実した稲穂が垂れ下がってこそコガネ色に見えるに違いない。

さて、バイカルスカルカップはコガネバナとかオウゴンの別名を持つ。どの辺がコガネなのかオウゴンなのか見るたびに不思議に思っていた。葉は、花が咲く頃ちょっと黄色っぽくはなるけれど(暑さのせいかも)、そんな理由とは思えないし。

ということでさすがに気になって調べてみたら、薬用にされる根が黄色味を帯びているので、オウ(黄)ゴン(草かんむりに今と書く・またはやまかんむりに今)と呼ばれるそうな。コガネと言うのもこの辺りから来ているのかも知れない(未調査)。

バイカルスカルカップ

ちなみに根に含まれる成分もオーゴニンとかバイカリンというらしい。花色がバイカル湖の色に似ているから・・・・なんていう理由ではなさそうだけど、バイカリンを含むからバイカルスカルカップ?それともバイカルスカルカップに含まれるからバイカリン?まあ、それよりも涼しげな花色を楽しみましょう。

癖が付く

酷暑の終わりはまだ見えてこない。

作業をする時にも、誰もがこまめな水分補給を心がけている。そんなときに話題になるのは
「むかし、部活の時は水が飲めなかったよね〜」
という話。

今は、コーチがしきりに水を飲めとアドバイスすると聞く。当時を知っているものにとっては天国である。

「水を飲むとかえって疲れる」「癖が付く」というのが当時の常識であった。良く生き延びたものだ。

さて、基本的に水やりをしない店頭の花壇もそろそろ限界、葉の大きなラングウォートも午後にはグロッキー気味である。まあ、水やりをしないのも「癖が付く」という理由なんだけれどね。

ラングウォート

早く枯れた葉は取り除いて、少し葉も透かしてやってさっぱりとしてやる方が良い。しかし、「どうせ、もう少ししたら株分けもするし・・・」と言い訳しながら八月は終わりに近づいてゆくのである。