自然で不自然

降水量が少ないので、圃場のボダイジュが葉を落とし始めた。

おそらく、今の水分量では全部の葉を養っていくのが難しいのだろう。

株元には秋遅くのように枯れ葉が落ちつつある。全部落ちる前にしっかりとした雨が欲しいものだが、今の所の天気予報では望めそうにもない。

ビニールハウスの中に張ってある寒冷紗にも枯れ葉が・・・と思ったら昆虫だった。

自然の中ならば絶対に気づかないと思うが、不自然な寒冷紗にとまっているので不自然に見えてしまう。

アケビコノハという蛾の仲間らしい。枯れ葉に擬態して身を守っているのだろうか。でも、止まる場所にも気をつけな。と言いたくなってくる。せっかくの擬態が台無しだ。

草取りは大事

梅雨明け以降、相当気合を入れて取り掛かる作業の一つが草取りだ。

ポットや鉢の草取りはそれほどでもないが、地面の草取りは何より暑さが大きなハードルとなる。

早朝のまだ涼しいうちならばまだしも、そういう時間は他の細かい作業をすることが多いので、草取り作業ができる頃にはすでに30度をはるかに超えた気温になっている。

「あまり暑いと体に悪いし」

と自分に言い聞かせて他の作業に取り掛かる(逃げる)毎日だ。

しかし今日はさすがに見かねた箇所があり、珍しく早いうちから草取りに取り掛かった。

中央のビニールハウスと奥のビニールハウスの間のスペースで、水のタンクなどがある場所だが、雑草がひどいことになっていたのだ。

しっかりと手袋をはめ、鎌を片手に、空調服も風量を目一杯あげて雑草に立ち向かった。

作業を初めてしばらくしたら、妙に土が濡れている場所がある。昨日の小雨の後どころではない。草をかき分けると、ホースの連結部分から水が噴き出ているではないか!

量はたかがしれているとはいえ、いまだに十分に雨が降らない日が続いている。「お金が降ってくーやなもんだ」からすれば、お金を撒いているも同様だ。雑草が妙に伸びていたのもこのせいだったようだ。

そもそも、横着をして専用のパーツを使わずに何年も放置していたのがいけなかった。

幸い、連結用のパーツが手元にあったので(使えよ!)、すぐに修理ができた。

草取りをしなかったら、下手したらこの夏中無駄に水を撒き散らしていたかもしれない。やはり草取りは大事である。

お金が降ってくーやなもんだ

昨日午後、本当に久しぶりに雨が降った。全国のニュースでは台風や大雨の話題ばかりなので意外かもしれないが。

山陰地方は梅雨明けが非常に早く、短い梅雨ということもあって降水量が極めて少なかった。

先般、近隣のダムも放水量が調整されたり、取水制限が始まった水系もある。

このまま本格的な夏を迎えるのは(もう十分本格的だが)さすがに心細かったので、昨日の雨はとても嬉しかった。

以前スタッフのお父さんが、こんなとき

「お金が降ってくーやなもんだ(お金が降ってくるようなものだ)」

と言ったとか。その気持ちもとてもわかる。

残念ながら、圃場の横、山から流れ出てくる湧き水は微増程度。昨日の雨は木々や土がしっかり吸い込んだのだろう。

ここしばらく、萎れ気味だったレモンヴァーベナも葉がイキイキとしていた。

草木たちにとってはお金以上にありがたいひと雨だったことだろう。

いらぬ心配

つい先日まで蝉の鳴き声を聞かなかった。早い年には春ゼミなのか、GWぐらいに声を聞くことがあるが、これは別としても、梅雨に入るか入らないかの頃「もう鳴き出すのか」ということも決して多くなかったように思える。

それが今年は、梅雨入り後はもちろん、梅雨明け後もさっぱり声を聞かなかった。暑い時にセミの声は暑さを倍増させるのだが、暑いのに声が聞こえないとちょっと心配になってくる。

温暖化がセミにも影響するのだろうか?とか、雨が降らずに土が硬すぎて地上に出てこれないのだろうか?なんていう考えさえ起こりはじめる。

ところがある日、奥の林から一匹の蝉の鳴き声が聞こえ、数日後にはいつもの年と同じうるささで暑さをさらにヒートアップさせてくれている。

今はまだ心穏やかに聞いていられるが、もうしばらく経つとうるさくてうんざりする事になるだろう。

今日は一匹のニイニイゼミが急に腕に止まってきた。いつまでも離れないのでつかまえたが、鳴かないのでメスだったようだ。あまりの暑さに木の枝と間違えたのだろうか。樹液は吸わないでほしいが。