悩みの種

秋の種まきはタイミングが難しい。あまり早いと暑さが影響するし、遅すぎては気温が低くてこれまた発芽に影響がある。

特に暑さを嫌う種類については文字通り悩みの種だ。

毎年それなりに気を使うのがチャービル。気温が高いうちは、本当に頑固なほど発芽をしてくれない。こちらとしてはやはり気が焦るので、お盆を過ぎた頃からウズウズして、ちょろっと蒔いたりしてみるが、やはり発芽してこないものだ。

「もしかして種子に問題があったのか?」とまた少し蒔いてみるが、やはり出ない。それを何度か繰り返したのち、涼しくなると一斉に発芽して大変なことになるのだ。

さすがに近年はお盆を過ぎても比較的ゆったり構えられるようになったし、今年は特に暑かったので、9月半ばぐらいから蒔き始めた。

その種子たちも本当に涼しくなってからようやく発芽をし始めた(一応心配で、保険としてもう一回は蒔いたのだが・・・)。

これからは少々気温が低くても素直に発芽してくれるから、安心して少しずつ蒔いていこうと思う。

寒いGWのスタートと苗たち

ゴールデンウィークがスタートしたが、ここ数年で稀に見る気温の低さ。

今朝も作業の取りかかりは防寒用にパーカを羽織らねばいけなかった。

天気がいいので最後に残った作業場の薪ストーブを片付けようとしたら、スタッフの一人が「昨日の夕方寒すぎて点けた」という。確かに我が家でもストーブをつけていたぐらいだから、片付けはもう一週間先延ばしにすることにした。

白花モッコウバラ

畑の端にある白花モッコウバラも、もう一歩まで蕾が膨らみながら咲かない。

白花モッコウバラ
4月12日の白花モッコウバラ

4月の12日にこんな感じだったので、GWを待たずに咲くのではという感じだったのだが、その後、気温が高い日が少なかったのだろう。

そういう調子なので、苗の育ちも非常にゆっくりだ。

バジルの苗

毎日のようにお問い合わせをいただいているバジルもまだこんな調子。少し前「GWが終わった頃には・・・」と答えていたのだが、それも怪しい。何年か前、4/20頃に発売したことがあるが、嘘のようだ。

先週、スタッフミーティングで「去年はもうレモンヴァーベナやレモングラスを発売していた」という話が出ていたのにこれも今年はまだまだ。

レモンヴァーベナもようやく枯れ枝から新芽が出てきてもう一歩。例年ならもう枝が3倍ぐらいに伸びている。レモングラスもまだ葉の伸びが弱々しい。

レモングラス

高い気温が好きなものだけではなく、冬に地上部がなくなって春に伸びてくるホップも普段の年よりのんびりとしている。

ホップなかにはまだ膨らんだ芽が地際に見えてきたというぐらいの株もあったりする。

もちろん、加温したり、ビニールハウスを密閉して温度をあげればもっと早く育てることはできるのだが、それは「病害虫さんいらっしゃい」と同じことなのでじっと我慢して気長に待っている。(ブログを見ていただいている皆様も、気長に待っていただくことになりそうです。暖かい地域の方は、お近くで手に入る苗をお求めいただいた方がいいかもしれません。)

一方で涼しいのが好きな種類は絶好調。

暑さや群れに弱い、レッドセイジ、ゴールデンセイジもおもわずニヤニヤするぐらいいい調子だし、イタリアンパセリやチャービル、コルシカンミントなども気持ちよさそうに育っている。

イタリアンパセリ

チャービルコルシカンミント

今年のGWは、涼しいのが好きな種類が満喫しているようだ。

早起きは種子とともに

夜明けが少しずつ早くなってきた。朝はそれほど苦手ではないほうだが、冬の間は他の季節に比べると布団から出るのがおっくうだ。

それでも2月も後半になると、明るくなるのが早くなってきたことと、もう一つ布団から抜け出すモチベーションが発生するので、朝起きだす時間が早くなりつつある。

春の苗のための種まきは種類にもよるが秋遅くから始まる。場所の都合もあるが、一気に撒いてしまうのではなく、種類を変えたり同じ種類でもずらしてまいてゆく。

とはいえ、気温が極端に時期は撒いた種子も発芽する種類は非常に少ない。そして、それらの種子が眠りから目覚め始めるのが少し暖かくなるこの時期なのだ。

毎年同じような種類の種子だし、年によって姿が変わるわけではない。それでも種子が発芽するのは待ち遠しく、発芽を見つけるとやはり嬉しい。毎日何かが発芽しているわけではないにせよ、春に向けた動きがあるというだけでも朝布団から出る気分がずいぶん違うのだ。

ハーブの場合、いろいろな種類があるので発芽の姿も様々。サイズも様々。仕事にもまだ余裕があるこの時期はじっくり観察するのもまた楽しいものだ。

イタリアンパセリの発芽

気温が低くてもよく発芽するイタリアンパセリ。少し気まぐれで、発芽するときはすごくたくさん出てきて困るが、同じパッケージでも「あれ?」と不思議に思うぐらい発芽しないこともある。
ジャーマンカモミールの発芽
ジャーマンカモミールは、とっても小さいが、ギザギザがついた本葉が出てくると見分けやすい。こぼれだねで生えてきても見つけやすい種類だと思う。
ローマンカモミールの発芽
こっちはローマンカモミール。いつもは株分けで増殖するので、発芽した姿は普段そんなに見かけない。
コリアンダーの発芽
以前も紹介したコリアンダー。たまに一つだけしか出てこないこともある。
ストロベリーの発芽
ルーゲンストロベリー。小さくてもしっかりイチゴの葉だ。ハーブも、種類によっては小さいうちと大きくなってから葉の形が違うものも結構あるが、これは見間違えることがない。
アニスヒソップの発芽
アニスヒソップは小さい上にあまり特色がない芽生え。本葉が出てくるとすこし分かりやすいが、零れ種で生えてきたら雑草と見分けるのは困難だ。
ナスタチウムの発馬
ナスタチウム。丸い葉の上に玉のように乗る露が魅力だが、発芽したばかりの葉にもしっかりと露が乗る。
カルドンの発芽
たくましく大きく育つカルドンは、発芽からして力強く土を押しのける。
チャービルの発芽
チャービルも割と気まぐれで、出るときにかぎってこんなにたくさん。分けるのが大変だ。
ローズマリーの発芽
普段は挿し木でばかり増やすので、これもお目にかかることが少ないローズマリーの発芽。親木の株元の零れ種である。

まだまだ数え切れないほどあるのだが、今日のところはこれまで。

ゆっくりとハーブたちの芽生えを観察できるのももう少し。本格的な春になるとそんな余裕もすくなくなるから、せいぜい今のうちにじっくりちいさな命のスタートを見つめてみたい。

太刀魚とチャービル

昨夜、夕食は私の大好物・・・お寿司だった。といっても、スーパーのパック寿司なのだが。とはいえ、整然と並ぶにぎり寿司には心が躍る。どれから食べようか、最後のシメはどれに・・・と、流れを考えつつ箸を進める楽しみもまた格別。

3つめに箸をのばしたとき、おや、これは・・・。光りものの握りの上に乗る鮮やかな緑の葉。
「もしや、チャービルでは???」
つまんで口にいれてみるとおなじみの風味が。

ケーキの上ではよくお会いするがまさか光り物の上にいらっしゃるとは。パックのふたを見てみると、太刀魚の握りの上に乗っていたようだ。チャービルを基準にして考えるとびっくりだが、今やなんでもありのお寿司を基準にすれば決して驚くべきことではない。

迂闊にも、単独で食べてしまったので太刀魚との相性は検証できずじまい。太刀魚とシャリ、醤油とワサビ、そしてチャービル(こう並べるとなんかすごいね)のマッチングを堪能してみたかった。

さらに迂闊なことにはお寿司の魅力の前に写真を撮ることさえ忘れていたのである・・・。

ナントカの法則

秋から冬、早春にかけての苗を育てるのなら、種蒔きは夏からスタートすることが多い。ただ、今年の残暑では発芽してもうまく育たないのではという心配から例年よりもかなり遅れて種子をまいた。

それでも、発芽するものとしないものがはっきり別れた。特に暑さを苦手とするチャービルイタリアンパセリはさっぱり発芽しないまま10月を迎えた。種子があまりよくなかったかも・・・。と、再度種子まきしなおした。

ところが、今度はあっという間に発芽。発芽率も高い。念には念を入れて、2回目には多めに蒔いたのも災いした。そのうえ、秋前に蒔いたものまでどんどんと発芽してきてしまった。良くあることだ。

イタリアンパセリの発芽

どうやら涼しくなるまでは全く顔を出す気はないらしい。自分の身を守る方法は良く御存知だということだ。(むしろ、冬でも結構発芽してくれるのだ)

さて、この大量の発芽苗、これからどうしようか。そもそも苗ができる頃には秋の園芸シーズンはとっくに過ぎている・・・。こりゃ、春用かな?来春、セール苗で出てくるようなことがあれば、それは私が原因です。