春は急ぎ足で

昨日、ふと、作業場に貼ってあるカレンダーをみて、目を疑った。

カレンダー
余裕を持って一週間前に設定しているとは言え・・・

このカレンダーには、例年、必ず行わなければならないルーチン作業が記載されているのだが、一月後の3月13日の欄に、

「お彼岸前の草刈り」

の項目があったのだ。朝からずいぶん強く吹雪き、あっという間に道路も真っ白。畑にはまだ雪がたっぷり残っている状態で、一月後に草刈りが必要とはとても考えられなかった。

頭をひねって、2年前の作業日誌を開けてみたら、2月14日に「最高気温 17℃」との記載。自分で書いていたのに、やはり信じられなかった。春は急にやってくるものなのだろう。

さて、一転して今日は快晴。いったい何日ぶりだろうか、2月に入ってから初めてと思えるような天気の良い日だった。太陽と青空をしみじみとありがたく感じた。

お昼前、南からの強い風が吹いた。さすがに春一番とはならなかったと思うが、それでも春が近づいていることを感じさせてくれて、ホッとする。

この風で、畑の雪も一気に溶けていった感じだ。雪の下からハーブたちが顔を出している。

心配していた通り、対策を怠ったものはそれなりに被害が。

グラッペンホールラベンダーグラッペンホールラベンダーは、裂けるとまではいかなかったが、ずいぶん枝が曲がっていた。

チェリーセイジ
剪定していなければ避けていたかも

チェリーセイジは、しっかり剪定していたのでほとんど大丈夫。

ホワイトセイジホワイトセイジもずいぶん枝が曲がっていたが、株自体は大丈夫そうだ。枝は挿し木ができるだろうか。

その他、枝折れも多数。

ティートゥリー
毎年防寒なしで越えてきたのだが、少し心配なティートゥリー

雪ではなく寒さでだろう、ティートゥリーは真っ白に。こんなことは初めてかもしれない。樹が生きていればいいのだが。

今のところの天気予報では、おそらくこれで寒さも一段落しそうだ。急がなくていいので、ゆっくりと春がやってきてほしい。

冬の花道

昨年も2月の半ばに大雪に見舞われたが、その時は一晩で大量の雪が降った。

今年は、昨年のように一晩でということはなかったものの、毎日毎日徐々に降り積もる雪だった。

ビニールハウスにとっては一気に積もる方が危ないので、一応今の所は大きな問題はない。それでも、この辺りではあまりないふり方なので心配は続く。

昨夜も大雪警報が発令され、雪がさらに積もった。主要道は昨年よりも迅速に除雪が行われたようで、市内中心部の国道などは朝も雪はあまりない状態だった。もちろん、一歩脇道に入ると道は真っ白の圧雪で覆われている。

ましてやビニールハウス周辺は交通量も少ないため、かなり覚悟して出かけた。スタッフも、「もしかしたらすこし手前に車を置いて歩かなければ・・・」と思っていたという。

ところが、やってくると、綺麗に除雪されていた。昨年同様、お隣のFさんが重機で除雪してくださっていたのだ。まるで花道をいく気分。

除雪
ビニールハウスへ向かう花道

おそらく除雪してもらっていなければ、ビニールハウスまで車は入れなかったことだろう。感謝・感謝である。

滑り落ちる雪日中は日が差し、ビニールハウスの上に積もった雪もズルズルと滑り落ちて行った。久しぶりの太陽にハーブの苗たちもホッとしたことだろう。

とはいえ問題はその滑り落ちた雪。ハウスの間に溜まった雪は気温が上がらないとなかなか溶けてくれない。次の寒波までに少なくなってくれるといいのだが。

溜まった雪
目の高さぐらいまで溜まっている

雪の日の作業は静寂の中で

先週末は、春を思わせる暖かさで気分もちょっとゆるんでいたのだが、今朝は一転して雪模様。
雪の日
気温はというと、さほど下がっていなくて零度前後。でも春の暖かさから引きずり戻された体にはとても寒く感じる。
雪の畑
畑もビニールハウスも雪に覆われた。

雨が降ると雨音がうるさいほどのビニールハウスの中なのだが、雪の日は一転して静寂に包まれる。

ビニールハウスの雪
雪の降った朝は静かだというが、上下左右が雪に囲まれた広い空間は、すべての音が雪に吸い込まれるようでなにか怖さを感じるぐらいの静けさだ。

ときおり、ビニールハウスから滑り落ちる雪の音にさえびっくりさせられる。周りが静か過ぎるので、自分がたてる音さえもとても大きく感じる。でも、それが悪いというわけではなく、かえって一つ一つの作業が丁寧になる感じだ。

そういえば先日、ネットで雪の朝のような静けさを作り出す耳栓の記事を見つけた。

デスクワーク時の耳栓愛用者としてはとっても気になる。

まだ発売は先のようだが、一度試してみたい。雪の日のハウスの中とどっちが静かかな?

この冬一番

今朝目が覚めてみると思わぬ大雪に少し驚いた。

昨夜の間にかなり降り積もり、自宅の横でも早朝から除雪車が走り回り、うるさいのなんの。いやいや、こんな朝早くから除雪していただき、ありがたく思わねばなりませぬ。

昨年の豪雪では痛い目にあったので、さすがにビニールハウスが気になり、朝食もそこそこに様子を見に出かけた。

ユーカリも雪をすっぽりとかぶり、重そうな様子だし、ギンヨウボダイジュも枝に雪をまとっている。

今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン
今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン

ギンヨウボダイジュ

ビニールハウスは幸い大丈夫だったが、ずり落ちた雪がハウスとハウスの間に高く積もる。この冬一番の積雪だ。

ハウスの間の雪

山陰地方でももう少し雪が多い場所だと、この横に落ちた雪の重みで、横からビニールハウスがつぶれるという。幸い、この辺りではまだそれほどの雪は積もらないので(昨年は微妙だったが)、今のところは心配していない。

昨年はビニールが古くなって苔などが生えたビニールハウスが、雪が滑らずに被害を受けた。今年はほぼ新しいビニールなので雪もある程度積もると自然に落ちるが、一つだけ古いビニールのままのハウスはやはり滑りが悪い。

ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)

さて、上記の「この冬一番」という表現だが、個人的にはあまり好きではない。もちろん、【今までのところでは】一番にという意味だということはわかっているものの「この冬一番の寒気が」なんて天気予報で言われると、冬になったばかりでもこの冬中で一番寒いんじゃないかという印象を与えられて思わず縮こまってしまう。スタッフもこの言葉を聞くと、「ええっ!」と大騒ぎする。何かもっといい表現が無いんでしょうかねぇ。

ヘの字

圃場の植物への大雪の影響は数限りないが、ひときわ目を引くのが、圃場横のユーカリだ。

ユーカリ

重い雪で折れることさえなかったものの、見事にヘの字を描いてしまった。とても重い上に落ちにくい雪だったのだろう。

まだこの先も雪の日が続く予報がでているので無理に矯正するのは止めにした。(この後どういう成長を見せるのかもちょっと興味深い・・・)

ユーカリにとっても受難の冬なのであった。