圃場のそばの荒地にあるヒガンバナ、今年はまだ咲かないのかと思っていたのに、今日ふと見たら赤い花をいつもの年のように咲かせていた。
ヒガンバナの開花が遅いとラジオか何かで耳にしていたが、この辺りでは例年と同じように咲いたようだ。
夏のあいだ姿を隠して、秋にひょっこりと顔を見せるのはヒガンバナだけではない。
ビニールハウスのポット苗でも、そういうものは結構多い。特によく似たパターンを見せるのがマドンナリリーだ。
開花時期こそ初夏だが、その後、小さい苗でも大きな株でも同じように徐々に葉が弱ってくる。
育て始めた頃は、株自体が弱ったのではないかと随分心配したものだ。だが、これは夏を乗り切るための姿。夏を越すには無駄なエネルギーを使わずさっさと涼しい地下で眠るのに限るのだろう。自分だってもし許されるのなら、同じように秋までじっと涼しいところで隠れていたいぐらいだ。
地上部がなくなるし、球根なので水分の消費は随分少ないのだが、それでも極端に乾かない程度の水やりは必要。もっとも、水のやりすぎは球根が腐ってしまうので厳禁。葉が残っているものよりも見えない分、かえって難しいかもしれない。
そのマドンナリリー、今年もヒガンバナと時を同じくするかのように土の中から顔を出し始めた。
涼しくなってから、何もなかったように顔を見せられると、ことさら辛かった今年の夏を思うと、ちょっと小憎らしい気もする。でも、ひとつ、また一つと芽を見るたびにホッとするのも確かだ。もちろん、全部が顔を見せるわけではなく、何割かはダメになってしまうのだが、今年は比較的成績が良さそうだ。
このまま順調に育ち、もう少し涼しくなった頃、紹介できると良いのだが。