寒冷紗を畳む

先日取り外した寒冷紗だが、片付けるタイミングを逸して、しばらくそのままになっていた。

昨日も、休憩の後に畳もうかと、ビニールハウスの入り口まで用意していたのに休憩中に雨が降り出す始末。予報は晴れマークだったのに・・・

大きな寒冷紗なので、天気の時に外で畳む必要があるのだ。仕方なく、がさっとまとめたままとなっていた。

今日は、「休憩の後」などと悠長なことを言わずに、とにかく準備ができたらすぐに取り掛かった。少し黒い雲も出てきたので気が焦る。

寒冷紗片付け
雨が降る前に急げ、急げ

まずは幅5メートル、長さ15メートル程度の中型の寒冷紗。ビニールハウスの前の道路に広げる。夏の間には虫の死骸などもへばり付いているので、まずはバタバタとはたいて落とす。

その後、横に半分、更に半分と畳んでいき、肩幅ぐらいになったら今度は縦に何度か畳んで小さくする。

小さく畳んだ寒冷紗
小さく畳んだ寒冷紗

これぐらいになると、20リットルほどの土の袋にちょうど入るので、取り付けてあった位置を袋に記入して詰めておく。取り付け位置を記入しないと、来年、取り付ける場所を探すだけでとんでもなく時間がかかるはめになるからこれだけは毎年必ず実行。

取り付け位置は必須

今日はこのあと四枚ほどの寒冷紗を片付けて終了。結局雨が降るどころか、日が差してきた。

まだ小さいものも含めて数十枚はあるので、全てを片付けるまではまだまだかかりそうだ。今月中に終わるだろうか。

悩める夏の終わり

9月に入ったというのに、昨日の最低気温は30度。日中、一時的に気温が高いのは仕方がないにせよ、夜に気温が下がらないのは人間のみならずハーブたちにとってもしんどいに違いない。

気温を無視すれば、日差しは明らかに秋の様相。柔らかな感じになっているのだが、なかなか寒冷紗も取り外すことができない。

柔らかく育つラベンダー

そのため、親木も、どうしても柔らかく伸びてしまうものが多く、しばらくは挿し木ができないだろう。ラベンダーなど、柔らかく育ちすぎて、挿し木をしても腐りやすい。涼しくなったら一気に寒冷紗を取り外すことになりそうだ。

早く取り外したい寒冷紗なのだが。

また相次ぐ台風の接近も頭が痛い。9号はそれほど警戒していなかったし、軽いものが少し飛ばされたぐらいで被害は少なかった。せいぜい物置用のちいさなビニールハウスの天井が裂けたぐらいだ。これはもともと強度に問題があったので仕方がない。

ただ、次の10号は報道でもしきりに言っているように油断は厳禁。例によってフルクローズにする必要があるのだが、これもタイミングがとても難しい。本日現在の予報では月曜日の朝から夕方にかけて最接近とのこと。せめて曇りか雨であってほしい。暴風で日が差すようなことにでもなれば換気のために一日中ビニールハウスにつきっきりになるかもしれない。「ハウスと一緒に飛ばされないといいね~」なんて冗談で言っているところだが、冗談で終わることを願うばかりだ。

今日はビニールハウスを固定している紐やパイプの点検、交換、飛びそうなものの片付けを行った。

あわせて、屋外の畑のハーブたちも台風対策。せっかく花が咲いているジュピターズディスタフもおそらくかなり風で傷むだろうが仕方がなさそうだ。

どれだけ助けになるかはわからないが、風で振られそうなティートゥリーに支柱をしたり、不必要な枝を剪定する。ラジオでは警戒を呼びかけ続けている。聞いてばかりいると不安ばかり募るが、なんでもいいので対策を行っていると、すこしでも気がまぎれるものだ。

 

結局、半分だけ

お盆前ぐらいから畑のジュピターズ・ディスタフがパラパラと花を咲かせ始めた。ただ、その頃は、暑さもピークで雨も長く降らなかったので花もパッとしなかったし、あまり見る気もおこらなかったのだが、この間からの雨でしっとりとして花を次々と咲かせ始めた。

昨日、今日となんども強い雨が降り続き、陽はほとんど差さない。相変わらず天気予報は来週までずっと曇りと雨。苗の徒長がさすがに心配になる。一つのビニールハウスのラベンダーやタイム、ローズマリーが置いてある場所については我慢できずに寒冷紗を半分だけ取り外すことにした。

晴れれば朝から昼過ぎまではしっかりと日が当たるし、今日のような曇り空でも寒冷紗があるのとないのではずいぶん明るさが違うから、それでも徒長対策にはなってくれるだろう。

半分だけ取り外した寒冷紗

一部分だけ取り外したので、作業自体は30分もかからず終わる。小さい寒冷紗を何枚も継ぎはぎするように張っているので、たたむのもそれほど難しくはない。昔はビニールハウス1棟全体をおおう寒冷紗だったので幅が10メートル弱、長さも40メートルを超えていたから、取り外してたたむのさえ一つの行事レベルだったことを思うとずいぶん楽になったものだ。今回のように細かく調整できるのも小さいメリットだ。

ところが、毎度のことながらこうやって、何か行動を起こすと天気予報は変わる。夕方、天気予報は明日から二日間晴れマークが出たのだ。吉と出るか凶とでるか。

天気予報とにらめっこ

先日の台風10号が通り過ぎてからというもの、とんでもない暑さがようやく落ち着いたような気配。

8月のグロッソラベンダー
暖かいせいか、色も薄く、ちょっと冴えない感じ

なぜか、グロッソラベンダーの一株が急に2番花を咲かせ始めた。といっても花穂は数本。気まぐれに咲き始めたという感じ。

今日も1日曇り空。朝は少し強い雨が降る時間帯もあった。猛烈な暑さがなくなったのは助かるが、ここ数日は曇り空と雨降りの繰り返し。日差しもほとんど届かず、天気予報を見ても来週に入るまでは曇り空が続きそうな模様だ。

こうなると困るのが、強い日差し対策としてビニールハウスに張っている寒冷紗をどうするか。

寒冷紗
強い日差しを遮る寒冷紗も、曇天では無用の長物

すでに、ところどころ苗の徒長の兆しが見え始めている。

ローズマリーの徒長
ローズマリーもちょっと柔らかく伸び始めた感じ

曇り空が続くならば寒冷紗を外した方が良いのだが、まだ8月も1/3残っている。3年前など、9月9日にようやく外しているぐらいだ。

きっと、寒冷紗を外すとまた真夏のような日差しが戻ってきそうで踏ん切りがつかない。しばらくは天気予報とにらめっこすることになりそうだ。

夏を終わらせる作業

今年の夏も長かった・・・

ようやく秋の兆しが感じられるようになって心底ホッとしている。

一番好きな季節は?と、問われれば
「秋」
一番嫌いな季節は?と言われれば
「夏!!」
と答える私にとって、この季節ほど気持ちのアップダウンが激しい時期はない。

梅雨明けが夏の始まりであるように、「夏明け」とか、「秋入り」というのがあればいいのだが。きっと少しぐらい暑くても「秋入り」と聞いただけで気が楽になるに違いない。「立秋があるじゃない」と言われるかもしれないが、暦の上の立秋はまだ夏のピークだから秋の気配さえ感じられないし。

さて、仕事の上で夏の終わり、秋の始まりを区切る作業が寒冷紗外しである。

夏の間、強烈な日光を和らげ、乾燥や温度の上昇を防ぐためにビニールハウスには寒冷紗を張っている。この頃の強烈な夏は、寒冷紗なしなど考えにくいぐらいだ。
レモンバーム
寒冷紗を張っているので、葉が柔らかなレモンバームもこんな風に調子が良いが、きっと一日中真夏の太陽が照りつけていたら葉がチリヂリに焼けてしまって可愛そうな見た目になっっていたことだろう。

ただ、いつまでも張っていると、今度は必要な日光が遮られてしまうので、どこかで取り外さなくてはいけない。
ラベンダー
日光が好きなラベンダーは、すでにちょっと光が不足気味。柔らかく伸びてしまっていた。
ローズマリー
ローズマリーも同様。柔らかで明るい色の茎が伸びている。もうこれ以上日光を遮ると本当にダラダラになってしまうから、そろそろ限界である。

もちろん、寒冷紗を取り外す作業は年によってかなり前後する。古い日記を見ると、冷夏のときなど8月の終わりには取り外した年もある。一方でいつまでも暑さが続いて9月の終わりまでつけていたこともあった。

今週末からは曇り空が続き、30度を超える日ももうなさそうなので、今週から取り外し作業を開始。今年は、まずまず平均的な時期と言えそうだ。
寒冷紗外し
天気が良い日はさすがにビニールハウスの上部はとんでもない温度になって作業ができないから、曇りや雨の日、夕方を狙って取り外す。
寒冷紗外し
「パッカー」というプラスチック製のパーツで挟んで取り付けてあるだけなのでそんなに難しい作業ではないが、内張りにしてあるため、寒冷紗とビニールの間に虫の死骸などが結構残っている。時には針が残った鉢の死骸があったりするので注意も必要だ。
寒冷紗外し
それでも、来るべき夏に備えて寒冷紗を張る作業に比べると、外す作業は鼻歌交じりでルンルンだ。外した寒冷紗を畳んでしまう作業もなぜか全然苦にならない。寒冷紗が片付いたら、まだ蝉が鳴いていようが、私の中では夏は完全に終了。

また来年、これを取り付ける時期が来るかと思うと正直嫌なのだが、とあるスタッフ(彼も夏嫌いの秋好き)が言うには、
「つらい夏も、これが終わればしばらくやってこないと思えばいいじゃないですか」
とのこと。

「今、次の夏から一番遠いところにいるのだ」と考えましょうということ。
物は考えようである。