こんな場所にはこのハーブ-セイジ

ハーブの代表種でありながら、案外使われていない、そして案外上手に育てるのが厄介なのがこのセイジ(コモンセイジ、ガーデンセイジ)だったりする。

特にここ松江を含め、暖地では、一応育つには育つのだが、数年または一年を待たずして枯れたり、ダラッと枝が伸びやすく、美しく育ちにくいことが多い。(もちろん、涼しい地域ではもっと良好に育ちやすい。)

こういう場合の常套句が、「風通し、水はけを良く、株元に光があたるよう」などというセリフなのだが、そう言っても、前後左右に十分なスペースがあり、日当り良好水はけ抜群なんていうお庭はそうそうない。

コモンセイジ

この場所はちょっとそう言う意味では特殊なほう。駐車場脇の花壇で、風や日を遮る者は周囲にない。南側、西側は道路、東側と北側が広い駐車スペース。しかも花壇で30cm以上の高さがある。これ以上の場所はそうそうないかもしれない。

なので生育もいまのところトラブル無し。株もとの葉も落ちることなく、葉色も見事である。今後のためを思うと、少し切り戻して新芽を出してやりたい。スタッフで相談したが、ここは「見せる花壇」なので、せっかく調子の良い葉を冬に見せないのはもったいないということで今秋はこのままに。雪でつぶれることもあるだろうから春先に強剪定をかけようと言うことになった。

こんな場所にはこのハーブ-プロストレイトローズマリー

立性のローズマリーと異なり、匍匐性(這い性)ローズマリーは、あまり季節を問わず、次々と花が咲いてくれるのが嬉しい。基本的に丈夫だし、山陰の夏や冬にも全く動じない。庭づくりにもなにかと頼りがちになってしまうハーブである。花色の濃さや育ちかたでいろいろな種類はあるものの、プロストレイトローズマリーはもっとも基本になる種類だ。

さて、プロストレイト(這う)と言う名前だからといって、必ずしも真横にしか伸ばせないものではない。むしろ、斜面や崖の上のようなところから垂らすと見事になる。もう20年以上前になるだろうか、尾道のとあるお庭で、家の近くの3メートルぐらいある崖の上からそれは見事に垂れたプロストレイトローズマリーを見たことがある。幅は1メートル以上あっただろう。まさに懸崖づくり。その時の驚きはいまでも忘れられない。

話は変わり、この場所は、駐車場から一段上がった庭の縁。西向きで南側にはすぐ家があるし、背中側にはおおきなツルバラがあるため、日照は午後遅くなってからのみである。最初、ツルバラの株元と、コンクリートの壁の冷たさを隠したくてプロストレイトローズマリーを植えた。もう植えて10年以上経つが、特に問題なく育っている。

プロストレイトローズマリー

さすがに、古い枝が多くなってくると、前方へのせり出しが強くなりがちなので、今年の春、かなり強く剪定をかけた。また、奥のほうの枝は、だいぶ枯れて葉も落ちていたのでこれらも相当取り除いた。もう少し壁際によって欲しいところだが、新しい枝も順調に伸びているので多分大丈夫だろう。

別のお庭だが、現在、北向き法面の最上部にプロストレイトローズマリーを植え、法面を覆うように育てつつある場所が一つある。後々、うまく育ったらまた紹介したい。

なぜか楽しい

今年の秋は、なんとなく秋咲きの球根の開花が遅いようだ。店の横のレウコジャム(レウコユム)・オータムナーレ、・・・この頃は秋咲きスノーフレークと呼ばれることも多いようだけど・・・、昨年まではたいてい8月中に咲き始めていたのに、今年はなかなか開花する様子を見せず、ずいぶん心配していたが9月も半ばを過ぎてからようやく咲き始めた。

 

レウコジャム・オータムナーレ

夏の真っ盛りに小さな小さな花がけなげに咲いているのを見ると可愛らしくてしょうがないのだが、こちらも暑さでくたびれているころなので、せいぜい朝のうちしかゆっくりと眺める気にはならない。そのうえ、お盆過ぎで草取りも「もうイヤ・・・」となりつつある頃だ。草丈の低い彼らは周りを雑草に覆われようものなら全く見つけてもらえないだろう。

ところが今年は思わず遅く咲いてくれたのが功を奏した。秋風に吹かれつつ、ゆっくりと眺めることができ、「いいタイミングで咲いてくれた」と喜んでいる。毎年徐々に分球しているようで、少しずつ花数が増えていくのはやっぱり楽しいものだ。たとえ圃場では同じものを一生懸命株分けしているとしても・・・。