手拭いの友

汗をかく量が日増しに増え、これから夏の終わりまで日に何度も手拭いを洗うようになる。手拭い愛好者の私としては、干す時もスマートに行ないたい。プラスチック製のハンガーは手拭いには不似合いだ。そこで、数年前、こんなものを作ってみた。

手拭いとラベンダーはややミスマッチである
手拭いとラベンダーはややミスマッチである

裏にある山で、竹の枝を少し調達。一本の竹には紐が通るような穴を両端に空ける。細めの紐を結べば、和風のハンガーのできあがりである。つり下げ部分は、柔らかい銅の針金でフックを付けたので、どこにでもぶら下げることができる。製作時間、ものの10分であった。竹の節がちょっとしっくり来ないが、作り直しもせず、夏を数えて3回目ぐらいになるだろうか。

手拭いハンガー

普通のハンガーだと風で飛ばされてしまうこともあるが、押さえがあるので風が強い日も安心。ついでに濡れたシャツまで乾かしてしまう。

手拭いハンガー

紐を巻き付ければ、竹棒2本のサイズにおさまるので、いつも車の片隅に入れてある。

藍染の手拭いが風にそよいでいる姿は暑さの中にもしばし涼感を覚えさせてくれるのだ。

アヤシイ虫

春以降、圃場でいままであまり目にしなかった昆虫を見かけるようになった。艶のある黒く細長い体、素早く地をはう動き。決して好感が持てるような姿ではない。出没するのも、少しじめじめしたような、ハウスの端っことか洗い場の周辺などが主だ。あまりよろしくない素性の昆虫ではなかろうかと推測した。

スタッフのひとりとして正体を知る者がいないし、気になり出すと尚更目に留まる。体長7センチぐらいなので、増えてきたら厄介そうだ。正体究明に乗り出すことになった。

写真を取ろうとするが、これが足が速くてなかなか捉え辛い。このスピードもまた悪そうな感じを増幅させる。ステンレスのボールに入れ、逃げれないようにして撮影。

マイマイカブリの幼虫

写真でじっと見ると、更に気持ちが悪い。この手の昆虫はネットで調べること自体あまり楽しくない。甲虫ではないかと目星を付けて探すのだが、一向に見つからない。パッと見ると昆虫ではなく、節足動物にも見えるが、足は6本だし・・・。「まさか、外来のアヤシイ昆虫では?」なんていらぬ不安もましてきたころ、「もしや、幼虫?」とのひらめきが。調べてみるとビンゴ!

マイマイカブリの幼虫でした。マイマイカブリなら時々見るし、なるほどエサのカタツムリも豊富だ。

正体が分かれば安心。これからはずいぶん違った目でみることができそうだ。

手拭いの季節

蒸し暑さも本格的になり、庭仕事のある日は手拭い2枚を持って出るようになった。

手拭いを愛用するようになって、十年は経つだろう。それまでは普通のタオルを使っていた。夏に汗を含んだタオルの匂いは強烈だ。でも、そんなものだと思いタオルを使い続けていた。手拭いなんて年寄りが使うものと言うような偏ったイメージがあったのだろう。

今となっては使い始めたきっかけも忘れてしまったが、さっぱりとした使い心地と、相当汗を含んでも匂わないことにびっくりしたのは覚えている。第一、嬉しいのは乾きが速いこと。午前中びっしょりになった手拭いも、ざっと手洗いして昼休みの間日なたで干しておけば午後からまた気分良く使える。タオルではこうは行かない。極めて実戦向けなのだ。汗をかく季節だけでなく、冬は首回りの防寒用に、その他の季節も純粋に手拭いとして年中手放せない。

端はそのままのほうが乾きやすいんだそうだ。少々のほつれは気にしない!
端はそのままのほうが乾きやすいんだそうだ。少々のほつれは気にしない!手前は近頃お気に入りの唐辛子柄

また、使い続けるうちに風合いが変化してくるのも楽しい。買いたてのぱりっとした肌触りも良いし、何度も洗っているうちに少しづつソフトになってゆく。向こうが好けて見えるぐらいになると、まるでガーゼのような柔らかさだ。こんな変化を楽しむためにも、生地がしっかりした手拭いを選びたい。

使い始めた頃は嬉しくて、現代風なモチーフやポップなデザインの手拭いにも手を出してみた。けれど使い続けてみると一番しっくり来るのは昔からの和風の柄ばかり。やっぱり日本人なんだなぁ。とつくづく思う。

似て非なるもの

マートルを育てたものの、なかなか花が咲かないと言う声は多い。少なくとも、苗から育てて一年目から咲くことは珍しいと思う。ただ、ある程度大きくなって一度咲くようになるとその後は比較的安定する。

市内でも、これは何年ものだろうかというマートルが植えてあるお宅がある。優に背丈を越え屋根に届くような勢いだ。もちろん、花の時は見事だった。なので株元にも実生がたくさん芽生えていた。

マートルは小さくても気品を感じさせる植物なので、鉢植えで楽しみたいと言う向きも多いだろう。その上で花が咲いてくれれば言うこと無しである。

マートル・ルマ
この鉢も小さめ。今年の春先に植え込んだ。

ただ、小さな鉢植えではやはり咲きにくい。これはドワーフマートルでも斑入りマートルでも変わらない。だが、マートル・ルマの場合はちょっと話が違う。実際9cmポット苗でも花が咲く。全く性質が違うのである。

マートル・ルマ

というのも、他のマートルとは相当かけ離れていて、Myrtus属ではなく、Luma属と言う別の属に分類されることもあるぐらいなのだ。なので葉は小さめでも油断してはならない。15mに成長すると述べている資料もあったりするのだ。

真の悪党

毎日のように苗に水をやるビニールハウスはカタツムリやナメクジにとっては天国なのだろう。特にスタッフが「タネハウス」と呼ぶ、種まき後のトレーや挿し木したばかりのプラグが並ぶビニールハウスはこまめに水やりをするのでカタツムリやナメクジにとっては嬉しい環境になっていると思われる。

かといって、頭を抱えるような被害はそれほど多くない(この春は発芽したばかりのバジルがやられはしたけれど)。なので、見つけた時に取り除くぐらいで特に具体的な対策はしていない。

むしろ、普段目にするいわゆるカタツムリやナメクジよりも、極く小さなカタツムリがたくさんいるようだ。こいつら、種類も良く分からないけれど夜行性なのかあまり目立った活動をしていない。いつ見ても殻に隠れて生きているのかどうかさえ良く分からない。

カタツムリ

気づかれない程度に葉を食べながら実は夜な夜な大宴会を開いているのかも知れない。実はこういう奴らこそ真の悪党だったりするしね。