食害

この夏の猛暑で特に小さな苗たちは大きなダメージを受けた。では大きな株はどうだったかと言うと、根がしっかり張っている分、暑さによる被害はそれほどではなかった。でも、大きな株ほど被害を受けたのがコガネムシによる根の食害。しかも今ごろになって目につくようになってきた。

親木などの鉢を整理しながらついでに株元の草を取っていると、妙に草が少なく、土がふわふわしているものが見つかる。

元気がないオレガノ・プルケルムの鉢。コガネムシ潜伏の気配。
元気がないオレガノ・プルケルムの鉢。コガネムシ潜伏の気配。

「もしかして・・・」と鉢をひっくり返してみると、案の定コガネムシの幼虫が大抵は2〜3匹出てくる。

この鉢からは3匹。すぐに圃場にいるトノサマガエルのディナーとなった。
この鉢からは3匹。すぐに圃場にいるトノサマガエルのディナーとなった。

根は食い荒らされてしまい、大事な細い根などほとんどないことも珍しくない。

かなり根は食い荒らされているものの、まだ植え替えれば大丈夫。
かなり根は食い荒らされているものの、まだ植え替えれば大丈夫。

早期発見すればそれだけ回復する確率も高くなるが、いつまでも分からなければ枯れてしまうことも多いので夏が過ぎたからと言っても気は抜けない。

大きい鉢になればなるほどたくさんの幼虫がいることが多い。大きな株なら多くの幼虫を養えることが分かった上で産卵するのだろうか?あるスタッフは共食いすると言っているので小さな鉢では淘汰されるのかも知れない。

今年の記録?は、直径40cmの鉢から30匹ぐらい出てきたこと。さすがに呆れてしまった。

お彼岸のマドンナ

ああ、お彼岸だなぁとしみじみ感じるのは、おはぎを食べている時・・・じゃなくて、彼岸花の赤を目にした時である。ところが、ニュースでもやっていたが、夏の暑さが災いして今年は開花が遅れているそうだ。そう言えば、帰り道、毎年彼岸花の群落を見かける田圃の畔も今年はまだ隅っこでちらほらと咲いているだけだ。

彼岸花の球根は開花へのカウントダウンが上手だと言うことだが、今年の暑さには惑わされてしまったようだ。

同じように、9月の声を聞くと新芽が出てくるマドンナリリーも、ようやく新しい葉を覗かせ始めている。いつまでたっても芽が出てこないのでさすがに今年は暑さで球根が溶けてしまったかと気を揉んでいたのだ。どうやらここ松江では地植えでは暑さで溶けるリスクが結構高いものの、鉢植えにして乾かしぎみだと今年のような猛暑の年でもなんとか越えてくれるようだ。

ようやく新芽が出てきた株。回りの小さな芽はただの雑草です。
ようやく新芽が出てきた株。回りの小さな芽はただの雑草です。
こちらは少し早めに芽が出てきた株。隣りの枝は春に開花した時の茎。残しておく必要はない。
こちらは少し早めに芽が出てきた株。隣りの枝は春に開花した時の茎。残しておく必要はない。

やっと涼しい風が吹くようになり、今年はなおさら「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉が身にしみる。ああ、お彼岸だなぁ・・・。

LEDライト

秋分の日をむかえるようになり、日が短くなったことをひしひしと感じるようになってきた。夕方、まだ仕事が残っているのに早々と薄暗くなってしまう。

先日など、夕方用事があって圃場に行ったら日中の暑さのせいで、予想以上に苗がしおれていた。すぐにでも水やりをしなくてはならなかったが、一旦家に戻らなくてはならなかった。

用事を済ませ、圃場へUターン。圃場には照明設備はない。さすがに暗闇での水やりは困難なのでヘッドライトとミニマグライトを携えてゆく。もうすでに真っ暗である。

念のためミニマグライトも持ってきて良かった。ヘッドライトだけでも充分見えるが、細かい所を照らし出す時、左手のマグライトがあると無いとでは大違いだ。2時間近くかかる水やりだが、どちらもLEDなので電池切れで明りが消えてしまう心配はない。この頃はエコ的な側面から注目されるLEDだが、こういうシチュエーションでは誠に心強い。

ヘッドライトとマグライト

ミニマグライトは、普段は自転車で使っている。暗くなる時間帯にはあまり乗らないのでライトをつけることもめったにない。慌ててライトをつけたら電池が切れかかっていてあっという間に光量が落ちることが度々だったが、LEDに代えてからは安心して運転が出来るようになった。

ヘッドライトは、子供が寝てしまった後の読書用。本来のアウトドアでの仕事を終え、また枕元へ戻っていった。もう少し寒くなれば、暖かい布団の中で読書の秋を楽しめそうだ。

民具

夏野菜もそろそろ終りが近づいてきた。キュウリはもうすでに片付けてしまったし、オクラもそろそろおしまい。ツルムラサキもさすがに飽きてきた。ナスはもうちょっと頑張れるかも知れない。猛暑のさなかさっぱりだったミニトマトがようやく復活してきた。粒は小さめながら味はまずまず。でも、暑い時期に楽しみたかったなぁ。

ザルと野菜

収穫は、把っ手付きのザルを片手に。このザルは、とある酒屋さんに訪れたとき、ちょうど納屋の片付けをしておられ、その時に出てきたものを譲り受けたものだ。どれぐらい前のものか不明だがとても丈夫で、もらってから10年近く経つのにザルの下の足の部分が壊れただけで(同じような竹で簡単に修理できた)、愛用させていただいている。プラスチックのカゴに比べると野菜を入れた時の収まりも良いし、野菜の色も映える。野菜たちも何となく気持ち良さそうである。

ところで、先月、子供が通っている小学校で校舎改築に伴う備品や器材の大移動が行われた。椅子や机を暑さの中、汗にまみれて運搬した。小学校には「地域の歴史の展示コーナー」みたいなものがあって、昔の調度品や、かつて稲の脱穀に使った道具など、昔使われていた民具が集められている。その中に、例のざると寸分たがわないものがあったのである。

民具として展示されるようなものが未だに現役とは・・・。昔の丁寧な仕事と素材の強さに改めて感心せざるを得なかった。今になって良いものを貰ったなあと思うのである。

土曜日限定

ビニールハウスでの作業中には、いつも小さなラジオから音楽やトークが流れている。

以前も紹介したことのある小さなラジオ、この夏も頑張ってくれたが、どうも調子がおかしくなってきた。山に囲まれた場所なのでもともと電波の入りが悪い。それが、ここ数ヶ月更にチューニングがずれやすくなったり、天気によっては選局自体が難しくなってきた。

そんな時は聞くのを諦めたり、別の局にしてごまかしていたが、とうとうしびれを切らしたスタッフのひとりがラジカセを持参してきた。なんでも母君がかつて使っていたものだそうだが、もういらないと言うのを譲り受けたとか。

ラジカセ
古きよきデザイン。もちろんCDはなし。

「そのうち壊れるのを覚悟の上だろうね」と念を押しておいた。激しい寒暖、土ぼこりや直射日光、湿気など、環境は劣悪である。

それにしても小さなラジオに比べるとラジカセの音質は素晴らしい。土曜朝、スタッフ誰もがお気に入りのFM、「ウィークエンドサンシャイン」、そして「世界の快適音楽セレクション」も「音楽」を聴いている実感がある。音楽が聞こえすぎて仕事の妨げになるぐらいである。

雑音が入りすぎて聞く気になれなかったクラシック番組や軽妙なトーク番組もこれなら楽しめそうだ。毎日の作業も楽しくなるに違いない。

「ん〜、いい音だねぇ」
と感心していると、当のスタッフ曰く
「ラジカセは土曜日だけ持ってこよう、AMは音悪くてもいいし!」

なんだとぉぉぉぉ〜