農業では、いつ頃種子をまいて、いつ頃定植、収穫はいつ頃というように栽培計画をたてることがとても大事だ。
かつては栽培計画らしきものを作っていたこともあったが計画通りいったことはまずなかった。栽培する種類が半端なく多いうえに、種まきしてから発芽まで、挿木をしてから発根までの期間もそれぞれ異なる。そのうえ、季節やその年どしで発芽や発根にかかる日数も変わってくるので、いついつ頃に種子をまくと、何日後に発芽、更に何日したらポット上げなんていう計画をたててもほとんど役に立たない。10種類、いや、20種類ぐらいまでならなんとかコントロールできるかもしれないが。
なので、計画的な農業とはとてもいえない。乱暴な言い方をすれば、行き当たりばったり。その一言に尽きる。
ポット上げも行き当たりばったり。種子の発芽ならば目で見てわかりやすいので、芽が出てポット上げできそうならそうする。でも、挿し木の発根は、プラグをひっくり返すのが確実だが、いちいち裏返すのも面倒なので、大抵は地上部の様子をみて芽が動き始めたことで判断する。
もちろん、経験から、そろそろ発根しているだろうという予測はつくけれど、それにしてもラベルの日付が頼りとなる。
今日もふと見たレモンマートルの挿木に、「ん?」と違和感を感じて名札の日付を見てみたら3月の終わり、十分発根している頃だ。
もともと葉が黄色っぽいので、この夏前に挿木したものと見分けがつかなかった。プラグから出してみたら、しっかり発根していた。
このまま見逃していたら、半年遅れもあったかもしれない。
レモンマートルの場合、成長にはある程度気温があった方が良いので、すぐにポット上げをすることにした。
気が付いてよかった。挿木したプラグも、作業順に並べてはいるのだが、つい見落としがちだ。スタッフには日々「観察が大事」と言っているのに、反省、反省。