初志貫徹しなくても

梅雨前、何年越しにビニールハウスの脇に掘ってある排水用の溝を整備した。

溝といっても、大雨が降った時に少しでも排水を助長して、ビニールハウスのなかに浸水しないように(ゲリラ豪雨レベルだと役に立たないが・・・)、掘っているもので、畑の畝の脇に溝を掘っている程度のものだ。

なので、作業は手作業(重機など入れる場所でもないし)。クワも使いにくいぐらい狭いので、最初は片手で使えるスコップで行うつもりだった。

ところが、溝にはいずいぶん泥と、それに混じって小石、中にはゲンコツぐらいの石もあったりして、スコップでは太刀打ちできず、作業は一旦中断。

さて、どうしたものかと思っていたら、片手で使えるピッケルのような園芸ツールをネットで見つけた。「これならば、埋まった石も細い方で掘り出せるし、溝を掘るのにもちょうど良さそうだ」と判断。近くのホームセンターへ向かった。残念ながら、ホームセンターには、ピッケルのように両方刃が出ているものではなく、片側のみの製品、いってみれば片手で使える小型のクワといったツールが販売されていた。「初志貫徹するべきか」とずいぶん迷ったが、現物の誘惑には勝てず、これを購入。「片手唐鍬」というもののようだ。

片手唐鍬とツルつき

使ってみるとこれが非常に使い勝手が良い。溝を掘る作業も、石が混じっていてスコップではお話にならない場所も問題なく作業が進み、思ったよりも楽に早く溝の掘直しができた。

そのうえ、普段親木の畑にしている場所も石が混じっているのだが、この時期は雑草ががっしり根を張っている。そんな場所に苗を植えようとする時、やはりスコップよりもずいぶん楽にできることに気がついた。それなりに重量があるので、根を張った草取りをするときも草掻きツールやスコップよりも確実に土に刺さるし、なんといっても掘り起こしが非常に楽だ。ということで、この夏の愛用ツールの一つとなった。

さて、不思議なもので、先日親戚の納屋の片付けの手伝いをしたときに、まさに最初に欲しかったピッケル状(ツル付きというそうだ)のツールがでてきた。使わないと言うことなので、譲ってもらうことになった。そんなにどこの家にあるものでもないと思うのでちょっと不思議だが、類は友を呼ぶということなのだろうか。

いずれにせよ、こちらも今後活躍しそうだ。初志貫徹しなくてよかったと今になって思う。