自家菜園の意義

今年の夏の自家菜園は渇水もあったが、例年にも増して悪い成績。草とりも十分追いつかなかった。涼しくなって「秋冬野菜でリベンジ」と、意気込んでいるが、本業の傍ら、日々の隙間時間で手入れしていてはやはりペースは遅れ気味だ。

そんなとき、圃場の入り口に軽トラが止まり「おられーかいねぇ」と声をかけてきたのは近隣の農家のAさん。

大きな袋に野菜や栗をいっぱい入れて持ってきてくれた。

先日、木酢液を差し上げたお礼だとのこと。木酢液は、畑のイノシシ対策に使っておられるようだ。

差し上げた木酢液は、前の冬に、くん炭を作った時の副産物。当初はあまり量もでなかったので、自前で菜園に使ったりしていたのだが、量が増え、消費できなくなってしまった。残念ながらpHが不安定なのでお金をいただくようなものでもなく、近隣の方に差し上げたりして使い切っている。

さて、今回いただいたのは、ナスと白ナス、冬瓜、それに拾ったばかりの栗。白ナスは育てたことも食べたこともほとんどないので、料理方法を訊ねたら、細くスライスして、かるくレンジで温めて、味噌で和えるといいとのこと。早速今日のおかずにできそうだ。

Aさんをはじめ、近隣の農家の方には春夏秋冬、いろいろな野菜をお裾分けしていただく。暑い夏でも、厳しい冬でもきちんと生産しておられるし、出来はいわずもがな。

十分に手をかけることができず、昆虫のレストランとなってしまったり、時には収穫もままならなかったりする自家菜園、それにかけている時間を本業に費やした方がいいのではないか、菜園のスペースも仕事用に活用するべきでは?本業でできる苗や、木酢液のような副産物で物々交換するほうがはるかに良いのでは・・・?と、自家菜園の意義について考えてしまう。

もやもやとしつつも、作業を再開して暫くしたらまたAさんがやってきた。小さなタッパーに白ナスの味噌和えを入れてきてくれた。本当に頭がさがる。

やっつけの宿題用に

引き続き、夏の間取り付けていた寒冷紗の取り外しを行なっている。

気温が下がってきたのでもう辛くはないが、この作業の時は長袖が必須だ。

取り外しているとき、寒冷紗とビニールの間に捉えられてお亡くなりになられた昆虫たちの亡骸が落ちてくるのだ。以前、スタッフが死骸に残っていた蜂の針か何かが刺さって、大変なことになったことがある。それ以来、慎重に作業を行うようになった。

何枚かの寒冷紗を外すだけでもこうしてアゲハ蝶、トンボ、アシナガバチ、スズメバチなどの死骸が出てくる。

どれも見事に乾燥していて、やっつけの夏休みの宿題ぐらいには使えそうだ。さすがに9月の終わりまでは、先生も待ってはくれないだろうけれど。

20年以上ぶりの・・・

このごろ充電式草刈機の出番が増えてきたが、それでもエンジン草刈機もまだまだ現役である。

特に、夏の間に伸びるだけ延びて、株元が太く硬くなっている雑草は、充電式では作業能率も悪いので、エンジン式に頼らざるを得ない。

草刈りは真夏が中心で過酷な作業なので、作業前と作業後のメンテナンスもつい疎かになりがちだ(本当はNGだが)。

開始時は、さっさと草刈りを終わらせてしまおうと、とりあえずエンジンがかかればOKという感じだし、作業が終わる頃には汗まみれ、草まみれ、ヘトヘトで、機械置き場に持っていくのがやっとだったりする。

なので、大事なメンテナンスもこのようにようやく涼しくなってからという始末。今回はなんと購入してから一度もしたことがないグリスの注入作業だ。

草刈機を取り出してみるとあまりに汚い。作業に使う六角レンチやスパナも舐めてしまいそうなので、まずは掃除から。暑い時期だとこのへんも端折ってしまいそうなので、涼しくなってから丁寧にするほうがやはり良さそうだ。

とりあえずヤニ取りクリーナーを吹き付けて、ブラシやピンセット、布を使って細かいところまで掃除すしたらずいぶん綺麗になった。

その後分解作業。ギアケースを取り外す。グリスガンを使ってグリスを注入するが、ネットで見たようには軸の部分からグリス出てこない。ただ、注入口にはしっかり入っているようなのでよしとしよう。

再度ギアケースを取り付け。今シーズンの草刈のピークは過ぎたが、しばらくは安心して使うことができそうだ。

あとでマニュアルを見てみたら(手元にないが、今はネットで古いマニュアルが参照できる。ありがたいことだ)、なんと、使用30時間ごとにグリスを注入すべしとの記載が・・・。せめて来年はシーズン中に一度ぐらいは行いたいと思う。ギアケースも外さなくてもよかったようだ。

首を傾げたくなるフォーク

我々の仕事ではあまり出番がなさそうな感じだが実はそれなりに使う機会が多いのが草を集める時のフォーク。

毎日ではないものの、特に春から秋の草刈りがある季節にはよく登場する。刈草を集める時、能率も良いし、万一ヘビなどが草の下にいたりした時の危険も防げる。

このフォーク、先端の四本爪の部分はとても丈夫なのだが、柄は木製なので徐々に傷んだため、今年のシーズン前に交換した。

届いた時からちょっと微妙な感じがしたのだが、爪の部分を据えてみたらやはりおかしい。

なんと言ったらいいのだろう、どうやったらこういうカーブになるのかよくわからない曲がり方をしていた。

けれども、作業ができないというわけでもない。ちょっと首を傾げたような爪の先のように、作業しながら時々こちらまで首を傾げたくなる程度だ。

一応、こう言った作業ツールでは名のあるブランドの商品で、スコップの他色々なツールをこのブランドで使っている。

丈夫で、品質もよいという印象が強いブランドなので今回、検品が不十分だったのかもしれないが、どうしてこういうものを出荷してしまったのかやはり首を傾げたくなるのである。

最初に交換を希望してもよかったのだが、フォークをすげ替えるときにもすんなりできたし、あまり支障はないように思えた。人はいろいろなことに慣れていく力があるという。年をとるとその力も衰えやすく、新しい環境などに馴染みにくくなるというので、あえてこのフォークにも慣れてみようと半年ほど付き合ってみたが、いまだに慣れない。さて、慣れる日は来るのだろうか。

丸くて浮いて転がるもの

先週半ばぐらいから秋のコリアンダー(パクチー)の種まきを始めた。

コリアンダーの種子

コリアンダーは、球形の殻の中に種子が二つ入っている。

軽いので、当然水に浮く。丸いので、転がる。

殻を二つに割ると
中に二つの種子

種子を蒔くときに、毎回どうしてこういう構造をしているのか不思議に思う。

この形でいつも連想するのは、球形の被災シェルター(津波対策ポッド)だ。

ネットを調べればどこかにその回答は見つかるかもしれないが、敢えて色々想像を巡らす方が楽しいものだ。

コリアンダーが今の形になったのが、雨季と乾季の差が激しく、雨が降るとなったら洪水規模になるような地域だったのかもしれない。

大雨が降っても種子が泥に埋まってしまうのではなく、水に浮かぶことでむしろ遠くへ広がっていくことができる。

また、ちょっとした坂道でもコロコロと転がって少しでも遠くに新しい居場所を広げることができたのではないだろうか。

殻があるので、少々の日照りでもきっと耐えるだろう。もしかしたら、鳥などに食べられても、殻がある分消化に時間がかかり、排泄される頃にもまだ種子が保たれているのかもしれない・・・

なんて想像をしながら種まきをしていると、結構あった種子も気がつかないうちに全部撒き終えていた。