お引っ越し

圃場の横には、地区の集会所がある。この隣に小さな水田があった。長い間耕作する人もなく、荒れ放題だったが、いつの間にかガマが生えてきたりしてちょっと風情のある場所になっていた。なかでも秋にピンク色の小さな花を咲かせるサクラタデが群生していて、目を楽しませてくれていた。

サクラタデ

ところが昨年、この水田も集会所の駐車場にするために埋め立てられてしまった。どうやら耕作放棄地で雑草も多いため、周りから苦情が出たらしい。地区で買いあげたと言う話も耳にした。

あのサクラタデがもう見られないとなると少し残念だったが、よその土地のもの。かかわり合う権利は無い。

近くに寄って見るととても可愛らしい姿の花である
近くに寄って見るととても可愛らしい姿の花である

ところが、今年、ちょうどサクラタデがあった反対側、圃場の端っこに小さな株が花を咲かせているのを見つけた。きけばサクラタデは種子で増えることはないという、一体どうやって?身の危険を感じて必死でお引っ越ししたのだろうか。まさか、道路の下を通って?。いずれにしてもちょっと嬉しい出来事であった。

敏感な我等

庭仕事をしていて、イラガと同じぐらい(人間への)被害が多いのが、チャドクガである。こいつらも今年、発生している庭が多く、庭についたら、まず作業の前に危険がないかチェックしなくては安心して作業にかかれない。

チャドクガ

このお宅でも椿の葉をもしゃもしゃと食べている彼等を発見。チャドクガは毎年同じような時期に同じ木にでてくるので割り合い見つけやすい。一方、イラガはチャドクガほど好みがうるさくないようで、「え、こんなところに?」という木に入る上、葉の裏に隠れて不意打ちしてくるので厄介である。

チャドクガにさされても、イラガのような強く痛みはしない。ただ、かゆみが長く続く上、針が衣服に残っているとそのうち散らばるのか、思わぬ場所がかゆくなって始末に負えないのだ。長袖を来ているからと安心できない。この春にはお腹の方まで発疹が出てきて往生させられた。場合によっては2〜3日かゆみとお付き合いせねばならないことも多い。

でもなぜか、スタッフのうち、一人だけは免疫(?)があるのか、チャドクガがたくさん群がっているところで作業をしていても平気なのだ。本人は
「鍛え方が違う」
と、得意げにのたまうのだ。
「鈍感なだけなのだろう」と、残りの者たちは悔しそうに言うしかないのである。

地下足袋の進化

私は小さい頃から足がでかい。小学生の時、指定の体育館シューズのサイズをオーバー、特別にバスケットシューズを履く許可を与えられていたぐらいだ。

大人になってからはさすがに足の成長はストップしたようだ。それでも普段履く靴は29cm。デザインや価格で靴を選ぶことはできない。まずサイズがあることが第一条件になってしまう。幸い、海外には大足の方も多いようで、通販で頼めばなんなく手に入るようになった。有りがたい世の中である。

ただ、特殊な靴になるとそうはいかない。長年の悩みだったのが地下足袋だ。土の上で様々な作業をする時にこれ程よいものは無いと思う。防水性、防護性にはやや問題もあるにせよ、軽く、安く、洗える、そして親指が離れていることの気持ち良さは何ものにも替えがたい。足場の悪いところでも踏ん張れることも嬉しいポイントだ。

ただ、残念なことに、サイズがなかった。近所の作業用品専門店でも28cmどまり。なんとか足は入るものの長時間の作業では親指と足の甲に負担がかかり、痛くなってしまう。それでも我慢して履いていた。

ところが先日、スタッフが、良いものがありますよと推薦してくれたのがこれ。お祭り用の地下足袋だ。堂々の29cm。

地下足袋

地下足袋

しかもエアいり!である。作業用ではなく、お祭り(初心者用)と言うのが少し気にかかるが、裏のパターンも割としっかりしている。履いてみると、やはり充分な余裕が有るサイズと言うのは良いものだった。

驚きのエア入り
驚きのエア入り
一般の作業用よりもかえって凝ったブロックパターンだったりする
一般の作業用よりもかえって凝ったブロックパターンだったりする

このように苦労させられるデカ足、たまには良いこともある。水泳は結構速いのだ。早い話がペンギンなのである。

菊を愛でる

重陽の節句である。ここは一つ菊でも愛でようかと圃場の周りを一回り。野に咲くキク科の花を探してみる。

アキノノゲシ

まずはアキノノゲシ。となりの荒れ地にたくさん開花中であった。写真に写してみるとなかなか良い感じだが、花の後の綿毛が一気に飛んでくるのには毎年閉口させられる。

ヒメジョオン

続いてヒメジョオン。春から秋までいつでも見かける。ビニールハウスの間に結構生えている。しょっちゅう草を刈っている場所なのに元気だ。エリゲロンの仲間だとは今まで知らなかった。そう言われれば共通点も多い感じだ。名前も何となく似てるね。

オオジシバリ?

圃場の裏の当りにいっぱい咲いているのはオオジシバリ(ただのジシバリかも知れない)。こんな圃場の端ではそれほど邪魔にはならない雑草なのだが、完全に駆逐しようとすると大変だ。

ノコンギク

最後に見つけたのがノコンギク。ビニールハウスの外から枝を伸ばし入れて、ポット苗の上に咲いていると、ハーブの花が咲いているようにも見える。「私も仲間に入れて」と言っているかのようだった。

今日は充分観賞用として楽しませていただきました。どうもありがとう。でもまた明日からは雑草として扱うのでヨロシク。

芋虫のボルト

どちらかと言えば病害虫の被害に悩まされることの少ないローズマリーだが、今の時期はちょっと違う。

春に開花が終わり、少し休ませてからローズマリーは挿し木をすることが多い。すると、ちょうど夏にポット上げを迎え、今はぐんぐん成長する時期になる。気温も高めで、水分も申し分なく与えていると柔らかく、美味しい新芽が次々伸びるから、蛾(蝶かも?)の幼虫の餌食になりやすい。

マリンブルーローズマリー

幸い、見つけるのは容易で、葉がかじられた跡が残る。冬ならばがっしりとした葉でなかなかかじられることも無いだろうと思われるマリンブルーローズマリーもこの有り様だ。

この中央に犯人がいる
この中央に犯人がいる

丁寧に探せば犯人の居場所も分かる。何枚かの葉を巻いてお家を建てている。たいていはこの中にいるので、すぐわかるのだが、捕殺しようと思うのなら慎重に。

突然動き出し・・・
突然動き出し・・・

俊足のスプリンターなのだ。見た目からは想像できないぐらいすばしっこい動きで下へ逃げる。地面に落ちたらなかなか見つけにくいだろう。

下に向かってパパパッと逃げる
下に向かってパパパッと逃げる

カメラで撮影するのもなかなか大変だった。