草遊びの文化

この季節、昔を思い出す動植物が良く目に留まる。圃場の端にたくさん花を咲かせはじめたカヤツリグサも子供のころ手に取って遊んだものだ。

カヤツリグサ

文字で説明すると難しいのだが、これは二人で遊ぶ。茎だけを使って両端から切れこみを入れる。茎は正面から見ると三角(△)になっている。一方は縦に切れ目をいれ、もう一方は斜めに切れ目を入れる。そのまま両方から開いていくと、ちょうど蚊帳を開いたような四角ができる。それでカヤツリグサ。

ところが、年代が近いスタッフにその遊びを説明しても全然話が通じない。一人は同じ地区で遊んでいた仲間だというのに、「シティボーイでしたから」と言うし、もう一人はもっともっと田舎に住んでいたのに知らないという。文化の違いなのだろうか。

花が咲いた様子も線香花火のような感じでなかなか好きである。
実はこの雑草、ずっと「サンカクイ」という名だと思っていた。むかし、誰かがそう呼んでいたのがインプットされたらしい。子供にとっては遊びの対象となる草なんて、「あれ」、「これ」というぐらいにしか呼ばないのでそれでよいのである。