バン!
と上の方から音がした。ビニールハウスに何かが当たった音だ。
ビニールハウスの上には、基本何もない。一部電線がかかっているところがあって積雪時、電線に積もった雪が落ちると似たような音はするのだが、もちろん雪ではない。
もっと嫌な音は、パタパタッという水分を含んだ音。カラスの排泄物だ。幸いいままで誰も被害にあったことはないが、ビニールにこびりついて雨でも降らないと落ちてくれない。時に気持ちが悪いぐらい集まってくるので、その時ばかりは気をつけるようにしている。
今回はそれでもなく、柿の実だった。これもおそらくカラスのせいだろう。近くに柿の木もあるが、巣に持って帰ろうとでもして途中で落としたのだろうか。それとも、咥えてはみたが渋柿で吐き出してしまったのだろうか。
そこそこ熟しているのか、ビニールにあたって砕けていた。固かったり、尖ったりした柿で穴でも開いたら大変だったが、まあよしとしよう。
普段それほど好んで食べることのない柿だが、空のブルーに映える綺麗な柿色をみたら、なぜか食べたくなってしまった。