からかってもらえるならば

「蒔いた種子は、全部出るか、ひとつも出ないかのどちらかだ」

確か、カレル・チャペックが書いていたように思うが、本当にその通りに思う。少なくともちょうど良いようには発芽してくれない。そのうえ、ちょうど良いときにも発芽してはくれない。

特に今年はどうもその傾向が強い。

一昨年に収穫した種子だったので、おそらく発芽率が落ちているだろうと思っていたペレニアルフラックスの種子。蒔いてもしばらくは全然発芽する気配もなくて、もう1度蒔かなくては・・・と思っていた矢先に一斉に発芽。小さい鉢に結構多めに蒔いたので、ぎゅうぎゅう詰め状態だ。

せめてこの鉢に20、いや30ほどの発芽数ならばすこし様子を見ても良いけれど、この調子では少し放っておくだけで根がこんがらがってしまいそうだ。決して根が強い方ではないペレニアルフラックスなので、根を傷めるのは避けたいから、早めの移植が必要な状態だ。

それにしても、今、発送などで結構忙しいタイミング。せめてもう1週間ほど待ってくれればまだ良かったのに。なぜこんな忙しい最中に発芽してくれるのだろう。まるで育てるこちらがからかわれているかのようだ。

でも、からかってもらえるならば、それも結構、なにかしら気持ちが通じている気もするのだから。

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