何を食べているのやら

昨日、とある花壇の手入れに向かった。

壁沿いの花壇を手入れしていると、壁と樋の隙間に何やらゴミがひっついていた。

最初は笹の葉でもが蜘蛛の巣に引っかかっているのかと思っていたが、どうやら違う。手のようなものが見える。

そっと捕まえてみると、ナナフシの仲間のようだ(後で調べるとエダナナフシではないかと思える)。

しばし観察してから壁に戻してやると器用に垂直の壁を登っていく。スポーツクライミングのオリンピック選手でもここまでスイスイと楽に登れないだろう。さすが六本足である。

ナナフシは植物の葉を食べるそうで、桜やクヌギなどの紅葉樹の葉を食草とするらしいが、建物の周りは広く駐車場。

ツリージャーマンダー

ナナフシがいた下に植っているのは、ローズゼラニウム、ツリージャーマンダー、サルビア・ミクロフィラ・ホットリップ、そしてアンソニーパーカーセイジだけ。一般に食草とされるものはないのだが、一体何を食べているのやら。

まあ、見てわかるような被害も見つからないし、放っておくことにした。

それにしても最初に見つけた時の様子、どう見ても我々から見えにくいところに隠れていたように思える。

危険を感じて隠れたのだろうか、それとも我々が植えたハーブをかじっているのが気まずかったのだろうか。

蕎麦のエネルギー

仕事場へ行く道の脇には蕎麦の畑がある。今年も8月の終わりに一斉に小さな芽吹きが見られたかと思ったら、いつの間にか大きく育ち、少し前から白い花が咲き始めた。厳しすぎる残暑だったのに、あまりそれを感じさせない成長、さすがに救荒作物とされるだけはある。

当店の育苗用土にも、水捌け促進その他のために蕎麦殻を入れているが、蕎麦が育ちやすいシーズンだからだろうか、いろいろなところから蕎麦が芽を出している。

中には、販売用の袋に詰めた中の土から発芽するエネルギッシュな芽もあるほどだ。

この蕎麦殻、専門の製粉会社から仕入れているので、相当しっかり脱穀されているはずなのだが、それでも発芽ゼロではない。

昔、石臼引きの蕎麦殻を使った事があるが、もうそれはそれは、ハーブを育てているか蕎麦を育てているかわからないほど発芽して困ったほどだ。

また、もっと昔、もみがらも土に入れていたこともあったが、たとえ春であってもイネの発芽は一度も見た事がなかった。発芽条件の違いか、脱穀の精度もあるのだろう。でも、蕎麦の中に貯められたエネルギーを感じざるを得ない。

覚えられない蜘蛛の名前

おっとっと、今日は引っかからないぞ!

と、ぎりぎりでよけることができた。

ビニールハウスと、横のボダイジュの間に貼られた大きな蜘蛛の巣。昨日は見事に引っかかって、せっかく作った巣を壊してしまった。

1日で見事なほどに修復された巣、壊してしまうのが申し訳ないぐらいだ(通り道だと厄介だが)。

数年前、キャンプブームに乗ったわけではないが、タープを手に入れた。森の中などで何度か設営してみたが、なかなか難しく、今だにうまく張ることができない。

それに比べるとこんなに小さな体なのに、丈夫で更に美しい糸を張れる蜘蛛に教えてもらいたいぐらいだ。

感心しながら巣を観察したのだが、「え~っと、コガネグモだったっけ?」と種類は曖昧にしか覚えていない。

ずいぶん前に、少しでも苦手意識(蜘蛛の糸が顔に絡まるのは苦手)を克服しようと、相手を知るために本を手に入れたのだが、いまだに覚えられない。結局ジョロウグモのようだった。立体的な巣が特徴だとか。本にはオスが同居すると載っていたが確かに近くに小さい蜘蛛がいた。子供とばかり思っていた。

冬の楽しみ

食用ホオズキの親株に花が咲き始めた。

本当はもう少し早めに咲くのだが、夏前に強く剪定して挿し穂などに使ってしまったため、その分花が遅れた。毎年この調子だ。残念ながら今年の夏の増殖は、トラブルがあってあまり芳しくはなかった。

花が遅れたぶん、気温が下がっていく時期なので余計ゆっくりで結実も相当遅くなりそうだ。この辺りでは、地植えでは雪に埋もれたり霜で地上部がなくなるが、とりあえず開放のビニールハウスの中ならば問題なく越冬する。もちろん、葉はほとんど落ちてしまう。

基本が低くても意地でも結実しようとするから、冬の中頃には小さいけれど甘い果実が食べられることだろう。嬉しいのは、袋の中に入っているので洗ったり、切ったり、皮を剥いたりしなくても済むところ。

冬、薪割りとか、結構ハードな仕事の合間にちょっと口にするのにとてもいい。今から楽しみだったりする。

堂々たる貧乏

毎年のように、お客様から「おじいさんがススキと間違えてレモングラスを刈ってしまった」という声を聴く。

草刈機でバッサリ刈っても、株が残っていたらまたすぐに伸びてくるからあまり心配はいらない。でも、本格的に掘り上げてしまったりするとお手上げだ。

我々はさすがに間違えてというのはあまりないとはいえ、暑さの中、ハードな時期の草刈りでウッカリと親木を切ってしまうことは珍しくない。

その防止のために、支柱を立てて予防をしている。今日ふとみたら、支柱の一つに植えた覚えのないツルが巻き付いていた。

ヤブガラシである。ビンボウカズラとも言われるのだが、こちらの名前の方がピンとくる。貧乏暇なしとも言われるように、暇がなくて草取りができないとこの雑草が繁茂するという由来は、ただただ頷かざるを得ない。

毎日のようにこの前を通っているのに気が付かなかったのだが、いつの間に伸びたのだろう。あらためてツルの成長の勢いには驚かされる。

あまりに堂々としているので、知らない人が見たらこっちを植えていると思われるに違いない。

もうちょっと草取りしろよ・・・という感じだが。それにしてもヤブガラシの巻きひげの丁寧なこと。

支柱を立てた本来の対象は下で草に埋もれていたカルドンだ。ヤブガラシ、根もすごく強いので、厄介。カルドンを移動させるか・・・せっかく根付いて大きくなり始めたのにそっちも気が進まないのだが・・・。