ビニールハウスの南西側には小高い山がある。出雲国風土記に神名樋野(かんなびぬ)と記される山である。現在は茶臼山と呼ばれている。
傍から見ると雑木や竹林などが散在するとりたてて特徴の無い山だ。ところがこの辺りは古墳を初めとして古代出雲の歴史が所々に埋まっている土地である。国庁跡、国分寺跡もすぐ側にあるのでこの山にも何かあるらしく、時々調査隊のような人々が登っていくのをみかける。
我々にとっても貴重なビニールハウスの水源を供給してくれるほか、夏の西日、台風の強烈な風からハーブたちを守る防御壁の役割も果たす有難い山である。
いま、茶臼山も所々に淡いピンク色が見られるようになってきた。普段は他の樹木と見分けがつかず、気づくことのない山桜だろう。まだ見える範囲では一つだけだが、山腹の所々に桜色がちりばめられるようになると春本番である。