一月遅れ

先月までの低めの温度が影響したのか、今年はカーペットグラスの開花が一様に遅い。春の新芽の出だしも遅かったし、ほぼ一月ぐらいずれている。

白花カーペットグラス

写真はとあるお客様のお庭。もともと特に何も植わって無い所で、草取りばかり手間がかかっていた。ある意味悩みの種だったので、数年前に白花カーペットグラスを植えることにした。ちょうど隣家との境で、南北に開けた場所。両側に家があるので朝夕は日が当らず、日中のみの日照である。やや日当りが足りないかと心配したのも杞憂だった。あまり踏むことも無い場所なのでフワリと広がった。これぐらい繁茂すれば雑草もあまり生えてこなくなり、草取りの手間も大幅に減った。

今、この手前にある芝生とのせめぎ合いが始まっている。どちらもなかなか強力なのでどちらかが圧倒しそうにはない。年に一度「水入り」と称して間を分けてやる必要があるかなぁ。と見るたびに思う。

お菓子の家

暑さが本格的になりはじめる頃、マロウの葉がくるくるとイモムシによって巻かれるようになる。柔らかなムスクマロウをはじめとして、ブルーマロウブラックホリホックも同じように被害にあう。

ムスクマロウ
毎年のことだし、季節も決まっているので、待ちかねて対応することもできるぐらいだ。ただ、対応は早いに限る。放っておくと、イモムシが大きくなるのにつれて食べる量も増え、加速度的に葉がかじられていく。ただ、食害されることで株がダウンすることは無い。

ムスクマロウ

おや、葉が巻いた感じだなと気がついて、ちょっと覗くと、排泄物が見えるのですぐ分かる。葉を開いてみると、今まで食料にくるまれてのうのうと過ごしていたイモムシが慌てふためいて飛び出してくる。

イモムシ
柔らかなムスクマロウの葉、まるでお菓子の家に住んでいるようなもの。羨ましい限りだ。でも、排泄物も一緒と言うのはね・・・

時には科学的に

当店のハーブの栽培は、もっぱら勘や経験に頼っていてあまり科学的とは言えない。育てる種類が限定されるのならもっと色々なデータに頼っても良いかも知れないが、種類が多いために、何でも一把ひとからげ、全体をみて判断するしかない。

そんな我々でも、時には科学的な考察を試みることがある。(おお、なんかカッコいいぞ)

時々手入れに伺う、とあるお宅の庭のクリーピングタイムが数年前から調子が良くない。肥料を入れたり、植替してみたりしても大きな変化なし。ガンガン日が当り、風通しも良い。それなのに今年など、苔が生えてくる始末。埒が明かないので、土を調べてみることにした。

PH試験

お庭の何箇所からか土をもって帰り、PH試験キットでチェックしてみる。タイムが植わっている場所のPHが低いことが分かる(上列)。いつからこういう状態か分からないが、以前は問題なく成長していたので、その後何かが変わったのかも知れない。

これだけが原因とは言えないものの、とりあえず原因の一つになりそうなものが分かっただけでも少し前進である。さて、これからどうしようか・・・。

花の後

ポット上げが少し遅めになったワイルドクリーピングタイムが今ごろになって満開状態になった。

ワイルドクリーピングタイム

種類の多いタイム、花も白、赤、ピンクを中心に大きめの花や小さい花など幅広い。ワイルドクリーピングタイムは割と普通の方だけれど調子が良いと見た目もそこそこ良好だ。

立性タイムでも、匍匐性タイムでも、花の後の様子は種類によって様々だ。大抵、目立つ花が咲く種類は花が終ったら早めに剪定しないと花がらが目立って見た目がよろしくない。特にモロッコタイムや、イブキジャコウソウなどがそんな感じになりやすい。

ワイルドクリーピングタイムは花がたくさん咲いてもそれほど花の後が汚らしい感じにならないのは嬉しい。

その点、レイタータイムは見事である。花もそこそこ楽しめ、花の後、剪定しなくてもそれほど目立たない。グラウンドカバーとして人気が高いのも頷ける。

努力は買いたいが

店の横のホップの葉にかじられた跡が目立ち始めた。葉をひっくり返してみると、一瞬ぎょっとして手を引っ込めてしまう。毎年お目にかかるとは言うものの、さすがにこの極悪そうな姿にはついひるんでしまう。

キタテハの幼虫
正体は、キタテハの幼虫(だと思う)。毒は無いらしい。普通は、雑草のカナムグラにやって来ると言う。同じHumulus属、似たような味がするのだろう。見た目も良く似ているし。それにしても周囲にはこれ一株しかないし、カナムグラも近辺には無い。食べ尽くしてしまったらどうするのか考えなかったのかな、なんていらぬ心配をしてしまう。

頑張って探してきたのだと思うと、退場願うのは心苦しいのだが・・・。緑のカーテンに大穴を開けられてしまっては・・・。