朝、ビニールハウスに来ると、ざっと一回りするのが日課となっている。苗の土の湿り具合や葉のしおれたのがないかをチェックしたり、日々の成長を調べるのも大事である。
朝の気温が下がってくるとビニールハウスの中であっても葉に露が降りるようになる。早朝にかけて現れ、日が高くなるといつの間にか消える露。「露を置く」と言葉にした古人の繊細なまなざしに改めて感心してしまう。
さて、露に限らないが、水滴が良く似合うハーブがレディスマントルである。近年は学名読みでアルケミラモリスと言う方が良く通じるようだが、個人的にはレディスマントルと呼ぶ方がぴったり来るような気がする。水をやった時に葉の上に溜まる水滴もさる事ながら、露が縁に着いた姿もまたデリケートな感じがして良いものだ。
ただ、レディスマントルで秋の露を楽しむならば夏を越してくたびれた葉ではせっかくの露も台なしだ。秋を迎える前にに傷んだ葉をしっかり整理して新しい葉を伸ばしてやること。フレッシュな葉に露が置かれるとまた格別なのである。