アキギリの口惜しさ

世界中に分布するセイジ・サルビアの仲間、当然日本原産のものもある。日本原産と言えばたいてい育てやすいだろうと思えるのに、このアキギリにはそれなりに注意が必要で毎年なんらかの失敗をしてしまう。

一般的なハーブとしてしられているサルビア属、普段育てている種類の多くは日なたと乾燥が大好きである。ところが、アキギリはあまり日が強く、乾燥しているとすぐに葉の縁がチリヂリに焼けてしまう。店頭に出していたりすると、他のハーブと同じような水やりになってしまい、花が咲きはじめるころには葉があまりにみすぼらしくなってしまい、手に取ってもらえないことも多い。

庭植えにする時も、夏は要注意。日陰の涼しそうなところでも、水が切れてしまうと葉があっという間に茶色になる。以前、とある公共施設のグリーンのコーディネイトをしていたことがある。その時にも日陰の部分にぴったりと思い、アキギリを使ってみた。最初は大変好調に育ち、花まで後一歩と言うところで水切れで台なしに。いまでも悔やむ思い出である。

アキギリ
写真は、たまたまうまく花を咲かせた一株。場所にぴったり合えばこれぐらいいくらでも咲くポテンシャルを持っているはずなのに、使う側の力が足りないせいで実力が発揮できないでいるアキギリ。口惜しがっているかも知れない。