冬のメンテナンス

植物たちの成長が穏やかな冬は、気持ち的には少しこちらも楽になるのだが、設備のメンテナンスの面では冬は気が抜けない。

雪対策はもちろん、このごろずいぶん少なくなったとはいえ、水回りの凍結対策も考慮に入れておく必要がある。具体的には、凍結が懸念される日の夕方に、散水ホースの先からごく少量水を出しておくだけなのだが、忘れないことが重要で、一度自宅に戻ってから暗い中水を出しに行ったこともあった。

凍結対策を行ったときには、ポタポタとはいえ水が出っぱなしになるので、時々ポンプのモーターが回る。

だが、今朝、凍結対策はしていないのに時々ポンプが回る音がする。これは逆にどこかから漏水している証拠だ。この秋以降3回目である。

理由はわからないのだが、なぜか気温が下がってくるとネジが緩むのか、漏水が起こる。たいていはホースとパイプの継ぎ目が緩んで水漏れが起こる。

怪しい場所は何十ヶ所もあるが、丹念に突き止めていくと漏水箇所は見つかるものだ。

今日は一番上のビニールハウスの中央付近でホース下のシートが濡れていた。ホースを辿ったらたしかにパイプとの接続部分で漏水していた。

地面に這いつくばって増し締めを行う。もともと、直結するようにはできていない塩ビパイプに無理やりホースを差し込んで固定しているので当たり前だが、パーツ代をケチるとこうなるといういい見本だ。

スパナは一周するぐらい回った。これまで何年もこのままだったのが不思議なほど。しばらく様子を見て、これ以上漏れていないことを確認して終了。

一度時間をかけて全ての箇所を丁寧にやり直したいものだ・・・と思いながらも毎年できずに冬が終わる。

貧乏性と気まぐれの種子

フェンネルは毎年のように自家採取しているが、秋に集めた種子をすぐに蒔いたところ、これが全然発芽しなかった。

株自体も、この夏の暑さであまりコンディションが良くなかったので、十分に結実しなかったのではという結論で、終わりにしていた。

そういう経緯もあって、まだ蒔き残した種が少しあったのだが、蒔く気も失せて収穫したまま、しかもボウルに入れたまま放置してあった。

とはいえ捨てるのは気が引け(貧乏性だ)、まとめて小さな鉢にまいて片付けたつもりになっていた。

それにしてもラベルの下手な字!載せるのが恥ずかしい

ところが、今日見てみると、一斉に発芽。何か妙に嬉しく感じた。

一旦少し寒さに当たったのが良かったのだろうか、ボウルの中で1月以上放置されていたが、これが追熟という形になったのだろうか。最初の種まき、または種まき後の扱いに問題があったのだろうか。それはわからない。購入した種子ではあまりないのだが。とはいえ、フェンネルに限らずとにかくこういうことは決して珍しくないし、そういうのもまた、楽しめる余裕がある方がいい。

初雪が降る

朝、作業をはじめてしばらくしたら、ビニールハウスの屋根を叩く、強い音がし始めた。アラレだ。今朝はここ数日より体でわかるほど十分寒く感じていたが、いよいよ本格的な冬がやってきたようだ。

どうやらこれが松江での初雪として観測されたようだ。

ニュースによると平年より1日遅れで昨年よりは20日遅いとのこと。昨年はずいぶん早かったようだ(記憶にはないが)。

むしろ、今年はずいぶん遅い気がしていて、まだ冬用タイヤへの交換もしていない。家の周囲では先週ごろからタイヤを交換する光景が見られたのだがまだまだ大丈夫ではと油断していたが、次の天気の日には思い腰をあげようと思う。

圃場の冬対策といえば、あとは何があったかな・・・ともう一度考えてみる。

種子や挿し木のハウスの内張りも取り付けたし、作業ハウスの掃除も完了、休憩場のストーブも設置完了、あとは大雪の時の灯油ストーブの着火試験ぐらいか。余裕余裕、今年はせわしない12月もゆとりを持って過ごせるかも・・・・と思っていたのだが・・・。

そうそう、畑に植えてあるローズマリーの雪による枝折れ対策がまだできていないことを思い出した。何株もあるぞ。そういえばティートゥリーの剪定もまだだし、レモンヴァーベナの風除けもできていない。店のホップの片付けもまだできていないし、ハニーサックルも伸びたまま。雪が降ったら去年みたいにワイヤごとちぎれてしまうかもしれない。

急にのんびりしてはいられなくなった。

5分でひと冬分

先日から稼働している薪ストーブだが、今年の冬、一つだけまだ準備できていないものがあった。

それが着火用の杉の葉。これが薪ストーブ着火にはとても良いのだ。新聞紙や他の枝でももちろん火はつけられるが、勢いも良いし、香りが良い。ビニールハウスで使う分にはこれに限る。(ただし、一般家庭ではどうだろうか。香りが強すぎるかもしれない)。

毎年、この杉葉を親戚の山で拾い集める。集める場所も決まっていて、ちょうど杉林の下の道の脇。ちょうど風が通るところなのか、この下に落ちた古い杉の葉は程よく乾いている。

ほんの5分ほどで、大きな紙袋に2つぎゅうぎゅう詰める事ができた。これでひと冬に使う分には充分だ。

ただ、気をつけなくてはいけないのは、この山は鹿の生息地。落とし物も多い。まあ、臭いわけでもないし、もう慣れてしまったが。

でも、なぜかお昼のお弁当のおかずによく似た黒豆が入っていた・・・。さすがに苦笑せざるを得なかった。

これは、夏に同じ場所で出会った子鹿(バックする車をじっと眺めている様子)

パスポートは肌身離さず

先週から仕事の間、肌身離さず身につけているのがパスポートポーチだ。

中身はパスポートではない。ホッカイロだ。

ホッカイロは、秋以降気をつけて腰につけるようにしている。寒さ対策というよりは、腰痛予防、特に腰の筋がロックしてしまうのが、温めているとまだ予防できるようなのだ(私の場合)。

ただ、この間少し恥ずかしいことがあった。

少し暖かい日、ビニールハウスで体を動かしたら結構暑くなり、上着やシャツを脱いでタートルになっていた。そのタートルに貼るタイプのカイロをつけていたのだが、そのままホームセンターへ買い物に行ってしまったのだ・・・ああ・・・。

まあ、暗い話題も多いこの頃、周囲の人をクスッと笑わせてあげたと思えばいいのだ。

こういう深刻なケースが発生したのをきっかけに、つけかたを考える必要があるのではと思うようになった。

まず、冬とは言え体を動かして暑くなった時に剥がしたりまた貼ったりすることが頻繁にある。また、着替えた時の張り替え、休憩で横になる時や長時間の運転中に貼りっぱなしで低温火傷になりかけたりすることもあった。

1日のうち、貼ったり剥がしたりは案外多い。かと言って貼らないタイプは落としやすい(畑で泥だらけになるのも嫌だし、トイレでの落下だけは避けたい)。

そこで、どうにかできないかと、ずいぶん考えていたのだが・・・。腰につけて簡単に着脱できて、下着でも、もう一枚上でも使える、かつ不自然に見えないもの。

腰につけていて違和感のないもの・・・というとウエストポーチだが、大きすぎる。自分で作ってしまうことも考えたが・・・、そうだ、パスポートを身につけるタイプの薄型ポーチならどうだろうと思いついた。

試しに百均にないかなと探したが近所の店では見つからず、家族にふと話したら子供が以前使ったのがあるという。見せてもらったらいい感じだ。

早速つけて見たらなかなか良い。厚さも熱さももほどほどだし、つけたり外したりも楽。見た目も違和感がない。これなら腰につけたままでホームセンターに行っても恥ずかしい思いをしなくて済む。

「あの人パスポートを身につけている(外国の方かしら)(心配性なのかな)(若年性認知で連絡先が入っているのかも)」

などと思われようがかまわない。

少なくともカイロを晒して歩くよりはマシだろう。