アシナガバチ不動産

気温が高い日が続く。今日も24度まで上がった。11月なのに・・・・。

昨夜など、外から虫の声が聞こえてきて9月半ばかと思わせるぐらいだった。明日は27度という予想も出ている。どうなるのだろう。

一番下にあるビニールハウスの奥では先日からアシナガバチが乱舞している。当初は巣があるのかと警戒したのだが、よくよく観察してみるとどうやら違う感じだ。

巣がある場合は巣がある付近から出たり入ったりするのが普通だ。ところが、あちらからもこちらからもハチが飛び交う感じ。

以前も同じようなことがあったのを思い出した。他のスズメバチなどに襲撃を受けた巣が崩壊、行き場を失ったアシナガバチが似たような行動をしていた。

もちろん、巣を探したりするようなバカな行動はしないのが吉。夕方になって気温が下がるとおとなしくなってくるので、様子を見ることにした。

さて、今朝、7時前のこと。この場所に積んである袋を整理しようと持ち上げたらゴソゴソと動く集団がいた。アシナガバチだ。

やはり以前と同じく、元々の巣がなくなったハチたちが集まっているのだろう。前回もこの状態のまま冬を過ごして春を迎えていた。

さて、この場所は冬に向けて色々と片付ける必要がある。どこかに移動してもらいたいのはやまやま。

芋虫をハンティングするアシナガバチ(5月)
芋虫をハンティングするアシナガバチ(5月)

でも、今年も相当芋虫や毛虫をとってくれていたはずである。来年も仲良く付き合っていきたいから、どこかいい越冬場所を斡旋したいものだ。

アシナガバチ不動産でもあれば相談しに行ってあげるのに。

ほんの数日で

先日のブログでもうすぐするとツマグロヒョウモンが・・・と書いていたら、一気に被害がではじめた。

「今年はちょっと遅めかな?」と思っていたのだが、秋を感じさせるような天気になったら急に目立ち始めた。暑い間は動かないよう我慢していたのかもしれない。

かじられたニオイスミレの葉に隠れているのは・・・

今まで割と調子良かったスイートバイオレットだったのに、急に齧られた後が目立つようになったのだ。

ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモンは上手に隠れているので、そっと葉を裏返してみると、結構大きく育っているのがあちらにもこちらにも見つかる。

見た目によらず毒はないので安心

涼しくなって「食欲の秋」となり、大食いして急に成長するのだろうか。

まだ小さい苗は一気に被害を

少しだけでも、「今年はあまり被害がないかも」と思ったことを後悔した。

さて、スタッフと「今年は妙に遅くない・・・?」と話していたヒガンバナも、今日、畑の東側、いつもまとめて咲く場所を見てみたら、花茎が一気に立ち上がっていた。

彼岸花。5日ほどで一気に伸びた

この場所は、先日の日曜日草刈りした場所である。その時かなり地際で刈り込んでいたし、もちろんその時も気が付かなかったので、およそ5日ほどでこれほど伸びたようだ。こちらもツマグロヒョウモンと同じく、涼しくなるのを待ちかねて・・・という様子だった。

我々も、涼しくなるのを待ちかねていたので、遅れていた秋の作業に本腰を入れねば。

好き嫌い

植物を育て始めた頃は、病気や害虫が発生すると、とても焦って恐れたものだ。初心者の時には原因もわからず、害虫の種類もよくわかっていないので仕方がないのだが。

それが長年育てることで少しずつでも病気や害虫のことがわかるようになってきてあまり慌てなくなる。「そろそろ出てくるかな」という予想も結構当たる。当たらない夏の天気予報よりも確率は高いと思う。

それでも、油断していると思わぬ被害を受けることがある。

今年の夏はあまりに気温が高く、日射も強かったので、葉が柔らかくてすぐに乾いてしまうフルーツセイジを日陰に置いていた。暑さ自体には相当強いので、少々水が切れようと日向に置いておけばよかったのだが、例年よりも葉が柔らかく育ってしまったのだろう。気がつくと一気にベニフキノメイガの幼虫の餌食になっていた。

ベニフキノメイガの幼虫は結構すばしっこいし、糸の中に隠れているので、丁寧に取り除くのは結構面倒だが仕方がない。

でもこれが、初心者の頃だったら手前に置いてあるスイートバイオレットの苗の心配もしてしまったことだろう。「これにも移ってしまうんじゃないか」と、不安になったに違いない。

だが幸いに、ベニフキノメイガはシソ科専門。隣がローズマリーやタイムなら危ないが、スミレはお好みではない。隣にあってもまったくOKだ。そのかわり、もう少ししたら必ずと言ってもいいほど現れるツマグロヒョウモンの幼虫の出現に目を光らせる必要はある。

また、この時期よく見かけるのがスズメガの幼虫(ベニスズメ?)。例年は、ビニールハウスの周囲に生えるヤブガラシによく付いていて草取りをしている時にびっくりすることがあるのだが、今年は日陰を作ろうと企んでいるブドウの葉にもしっかりつき始めた。

ここで育てているハーブにはブドウの仲間はないので、気にする必要はないのだが、このブドウは来年に向けてしっかり株を充実させたいから退去してもらう。

とりあえず外のヤブガラシに移動してもらった。ヤブガラシならいくら食べてもらっても構わない。というか、食べ尽くしてもらうと助かるぐらいだ。

ラベンダーに絡みつくヤブガラシ。蒸れに弱いラベンダーにとってはあまりよくない

ヤブガラシに移動して、しばらく観察していたが、あまりお気に召さない様子だ。

柑橘の葉を食べるアゲハの幼虫も、柑橘の種類が違うと嫌がると聞く。この辺も好き嫌いやこだわりがあるのだろうか。それとも食草自体が違う別の種類だろうか。昆虫は難しい。

三月の終わりに

今日で三月も終わり。一月二月はゆっくりだったが、さすがに三月は駆け足で去っていった。

お花見シーズンも駆け足で去っていきそうで、結局圃場の裏の家の桜を眺めるぐらいで終わりそうだ。

ビニールハウスの中や畑、花壇でも植物たちが春の動きを見せはじめた。

レモンヴァーベナの苗
レモンヴァーベナの苗

毎年、この姿を見るとホッとするのがレモンヴァーベナの苗。いままでマッチ棒のようだった枝から急に柔らかなグリーンが見え始める。特に今年は、場所の都合もあり、ほとんど防寒できないところに置かざるをえなかったのでなおさら安心した。まだまだ全体のうちの一部なので完全に喜ぶわけにはいかないけれどそれでもやはり嬉しい。

斑入りエルダー
斑入りエルダー

いっぽう、鉢植えで育てている斑入りエルダーの親木、きれいな斑入り葉が広がり始めた。あまり日差しが強く、暑くなると葉が傷んでくるのでむしろこの時期の柔らかな葉が一番いい感じかもしれない。

花壇では、なくなる寸前だったイエロースイートバイオレットがようやく復活。

イエロースイートバイオレット
イエロースイートバイオレット

本当なら株を充実させるために早めに花も取り除きたいところだが、せっかく咲いたので・・・となかなか剪定する気にはなれない。他の種類に比べると香りは弱いが、この時期の柔らかなアプリコット色はいい感じだ。すぐ隣に咲いているドワーフコンフリー、毎年絶好調。ちょっと花の終わりは残念な姿になりやすいが、一斉に咲くとこれはこれで見事だ。

ドワーフコンフリー
ドワーフコンフリー
ホップの新芽
ホップの新芽

店舗の西側の花壇では、ようやくホップが土の中から顔を出し始めた。これからはあっという間に伸びていくので、きちんと誘引して日陰をつくるようにしたいが、毎年のように忙しい時期に重なるので、気がついた頃にはもう遅し・・・と今年もなるんだろうな。

 

ミントのアブラムシ
ミントのアブラムシ

植物たちがイキイキとしてきたら、当然、昆虫たちも活動を始める。そろそろミントの新芽にもアブラムシがつき始めた。

アシナガバチ
アシナガバチ

朝のうちは、越冬場所と思われる角材やパイプの保管場所でじっとしているアシナガバチ、お昼に近づくとかなり元気に飛び回り始めるようになった。

虫の心配をしなくていい季節はもう終わり。これからは生き物たちと密に関わっていくシーズンだ。明日から4月、怒涛のシーズンの始まり始まり。

冬の生き物たち

今朝は予想外の積雪。せいぜいにわか雨が降る程度だと思っていたのに、サラサラの雪が降り出した。案外気温が低いのだろうか。

除虫技
雪を纏ったワームウッド

 

今年は、ここ数年のうちでは結構それなりに冬らしい冬のような気もするのだが、一方で、「この時期なのに?」と思うような生き物を何度も目にする。

ツチイナゴ
ツチイナゴ

まずはバッタの仲間。雪が舞う1月の半ばトノサマバッタ(と思ったらツチイナゴというバッタのようだ)がビニールハウスの外でガサガサと音を立てていた。ビニールハウスの中から間違って外に出てしまったのかもしれないが、ビニールハウスもほぼ外気温だ。

クサキリ。死んでいるのかなとつついたら足を動かした

また、1月の終わりにはクサキリ(多分)がビニールハウスのフレームに止まっていた。暖かい日だったので動き出したのかもしれないが、鮮やかな緑色はこの季節らしくない。

ちなみに、先月、お土産でイナゴの佃煮を頂いた。今まで進んで食べることはなかったが、お土産だということもあって抵抗も少なかったのかもしれない。それでも、ややおっかなびっくり口に入れたら意外な美味しさと歯応えに先入観は完全に払拭された。今後は目の前の皿に出てきても躊躇なく箸が伸びそうだ。正直なところ、硬くて口の中に突き刺さる田作り(ごまめ)よりもサクサクとして好みである。

将来的に、食糧難で昆虫食を摂取せねばならないことになっても案外抵抗なくいけそうだ。

もしかしたら今年はバッタの仲間を見る目も違ってくるかもしれない。

また、一昨日はニオイスミレの鉢にツマグロヒョウモンの幼虫。他の季節なら即刻退場してもらうところだが、なんだかかわいそうで躊躇してしまう。

先日、ホーリーの挿木をしていた時には、足元で動くものがいた。よくみると小さな蛙。

日がさしているとはいえ、気温が低いなか、よく出てきたものだと心配してしまった。そのホーリーもすでに葉の付け根に花芽ができつつあった。

ホーリーの蕾
ホーリーの蕾

同じ日、北面に這わしているのでまだまだ新芽は硬いだろうと思って油断していたロニセラ・グラハムトーマスも葉が膨らみ始めていて慌てて挿木をすることになった。

春は着実に近づきつつある。