台風が通り過ぎた今日はさすがに気温が低め。ビニールハウスの周りを赤とんぼが涼しそうに乱舞していた。きっとまた気温が上がったら涼しい山の方へ上がっていくのだろう。山から下りてきて再び会えるのは秋になってから。今から待ち遠しい。
気温が急に上がった先週後半から昨日あたりは、昆虫たちの勢いも目に見えて活発だった。アリや蝶、蜂などはもちろん、いろいろな昆虫たちが急に動き始めた感じだ。
今日もヒラタアブの成虫が盛んにホバリングしたり、葉にとまってお尻を振ったりしていた。蜜を探しているのか、それとも幼虫のためにアブラムシがたくさんいそうな産卵場所を探しているのか・・・。
ただ、中にはあまり急に動かないでいただきたい種類もいる。一つはコガネムシの幼虫。成虫が上手に育苗ポットの中に潜り込んで産卵。孵化して、ある程度大きくなってくると土がふわふわになってくるのでわかる。その頃にはずいぶん根もたべられてしまっている。大抵1ポットに4、5匹産んでいるので、きちんと全部取り除くのが難しい。小さいうちだと全て見つけきれないし、大きくなってからでは、根が食い荒らされて苗が復活できない事も多い。
ただ、コガネムシの幼虫の場合は、大抵苗を発売したり、発送する前に発見できるのでそういう意味ではまだ良い。
問題は・・・。
さあ、梱包をはじめようと苗を取り出したら、ローマンカモミールの葉が丸坊主。昨日準備した苗なので一晩でこんなに食べるのはその名も夜盗虫(ヨトウムシ)の仕業に違いない。ナメクジも疑われるかもしれないが、特徴的な光る粘液が残っていない。表面の土が掘られたようにサクサクしているのも動かぬ証拠だ。
このままでは発送するわけにいかず、この被害だけのために新しい苗を再度圃場にとりにいく羽目になった。
この写真はスイートマジョラムだが、朝、「あれ、まだこんなに小さかったっけ」と違和感を感じてよく見ると葉が食い荒らされている。株元をよく見てみるとなんだか柔らかそう。株元の様子はコガネムシの幼虫被害にも似ているが、彼らは葉をかじったりはしない。
そっと周りを掘ってみると、
いらっしゃいました。夜中じゅう大宴会をして満腹で朝帰り、土の中にもぐって丸まってお休み中のようだ。
それでも、コガネムシと違って早く見つければ、また苗は育つ。少し早めに剪定したと思えばいいのだ。
それに、ほぼ単独行動である点も潔くていい。卵は固まって産み付けられるのだがその後は一人で生きているようすなので、健気さも感じられる。
もちろん、こんな大食いが集団でやってこられてはひとたまりもないので勘弁してもらいたい。
また、、今年も1件あったが、苗にそのままついてお客様のところまで行ってしまう事が稀にあるので、発送時には注意が必要だ。
ここしばらく、バジルなど、柔らかくて美味しい葉のハーブの発送が多いので発送担当は目を凝らしている。肩が痛いと言っていたのも、そのせいかもしれない・・・。