梅雨入りもカウントダウンという感じだが、初夏の気持ちが良い天気が続く。我々人間も、ハーブたちも気持ちの良い天気を満喫している感じだ。
この時期人気のレモンヴァーベナ、育苗自体は前年の夏の終わりぐらいから行う。そもそも加温施設がないので春からの育苗では全然間に合わないからだ。
夏の終わりから秋の半ばぐらいまでに挿し木してポット上げ、冬を越させるようにしているが、あまり時期が遅かったり、寒すぎると冬の間に寒さでダウンすることも多い。
そのため、二重のビニールハウスの中で冬の間を過ごさせることが多い。
ところが今年は例年にない寒波もあり、二重のビニールハウスのなかが満員。また、一部については移動し忘れたということもあって、何ケースかのレモンヴァーベナは通常の一枚のビニールハウス(しかも冬でも大抵は開けっ放し)で冬を過ごすことになった。
移動し忘れた分については冬の途中で気がついたので、「もう仕方がない」と諦めていた。それでも、3月の初めにポツポツと芽が出始めて、結構喜んでいた。
結局のところ、1/3ぐらいは枯れてしまったようだが、のこりはなんとか冬を乗り越えたようで、「こんな小さな苗なのに」と、正直びっくりした。
一方で二重のビニールハウスの中に入れたものは、厳寒期こそ落葉したが、春になってすぐに芽吹き、ほぼほとんどが冬を越した。
ただ、その後が問題である。ぬくぬくと暮らした株はそのあとの成長がそれほど芳しくない。春の発売開始こそ早くできたが、その後の成長はごくわずか。
一方で過酷な冬を過ごした株は、ここ半月ほどであっという間にぬくぬく株を追い越して目覚しい成長を遂げ、中には花芽さえ見え始める株もあったりする。
そのため、先日からはこちらの株を優先して発売するようになった。
挿し木やポット上げもほぼ同時期なのに、これほどの違いが出るとは、寒い冬を通して面白い発見があった。