殿様御帰還

悪天候やら地震やらで、仕事や生活、気持ちもざわざわしていた夏秋だったが、結構嬉しいこともあった。

少し時間が戻るが、昨年、非常に心配なことがおきた。

圃場の周りは田畑が広がり、すぐ脇には水路、裏には小高い山もあって、カエルなどの両生類も多い場所である。
トノサマガエル
トノサマガエルなど、草刈りをしていると草刈り機のすぐ先からピョンピョン飛び出してくるし、なかにはでっぷり太って素早く逃げることができず、こちらがヒヤヒヤするような立派なトノサマガエルもたくさんいた。ビニールハウスの中でも、水やりの後、水が溜まって湿っている場所など、何匹も集っているのを見かけたものだ。

ところが昨年、このトノサマガエルが妙に見当たらなくなってしまったのだ。その前の年ぐらいに、全国的にトノサマガエルが減っているというようなニュースを目にしていたが、都市部のことで、まさかこんな島根の片隅にまで影響が広がっているとは信じられなかった。

相変わらずアマガエルはたくさん見かけるので、昆虫類やナメクジが減ったとも思えない(実際たくさんいる)。ニュースで言っていたトノサマガエル特有の病原菌(だったかな?)なのだろうかとも思った。

アマガエル
アマガエルは相変わらずどこにでもいる
アマガエル
砥石の上は湿ってて気持ちが良いらしい

今までたくさんいたものが急にいなくなると妙に心配になるものだ。そのせいか、昨年は蛇もあまり見なかった感じがする。

ところが今年になって、春先から小さなトノサマガエルを見かけるようになった。草刈りをしていたら、相当大きなのもでてきたし、水路には以前のように何匹も並んでいる様子をちょくちょく目にするようになった。戻ってきたのが嬉しくてつい見てしまうせいもあるかもしれないが、以前より数は多いのでは?と思うぐらいだ。

ただ、この辺りだけのことかもしれないと思っていたので、この夏、カエル好きなことで知られているガーデナー、ポール・スミザー氏とお話する機会があったので、トノサマガエル、減ってると聞いていますが、見かけますか?と訊ねてみた。

「結構いるよ、今日もたくさん見かけたしね!」
とのこと、全国色々なところを巡っている氏の言葉にすこし胸をなでおろした。他の地域でも元のように増え始めていると良いが・・・。

先日は、急に蛇が飛び出してきて驚かされたが、その先には大ジャンプで逃げるトノサマガエルがいた。上手に逃げおおせたようだ。

もうすぐ今年の草刈りシーズンも終わるが、来年、草刈りシーズンが始まったら、またヒヤヒヤするぐらい飛び出してきてほしい。