技量が問われる花

夏から秋の長期間、存在感を示すのがロシアンセイジである。ちょうどラベンダーが終わる頃から咲きはじめ、放って置こうものなら11月になってもまだ花をのこしていることさえある。

ロシアンセイジ

夏の暑さにも強く、容器栽培で水が切れても、割りと立ち直りやすい。このへんは秋咲きのセイジ、サルビア属に比べても遜色が無い。花の色といい雰囲気といい、セイジの仲間だと思っている人も多いのではないだろうか。

一つ残念なのは、切り花にした時、花もちがあまりよくないこと。涼しげな感じを室内に持ち込みたくて試してみたこともあるが、あっという間に花を落としてしまった。また、一本では見栄えがしないのも残念である。何本かまとめて植えるといい感じになるので、ラベンダーと組み合わせ、平行になるように列植するとなおいい感じになりやすい。この点、一株でも見栄えがする多くのセイジ類に比べ、植える時に工夫がいる。

さて、ポット苗の状態で開花させたとき、見栄えがする花とそうでない花がある。ロシアンセイジはどちらかといえば後者である。売る側としてはその分説明しなくてはならない。また、写真うつりもあまり宜しくないので、どちらかといえば売りにくい植物である。といってもロシアンセイジに罪は無い。こちらの技量が問われるのである。