ひっそりと闇に紛れて

この暖かさなので、まだ様々な害虫に悩まされる日が続いている。

もう半月もすれば、昆虫たちはほぼなりを潜めるのでずいぶん気が楽になるのだが、かわっていままで目立たなかったものが気になるようになってくる。

それがこの陸貝の仲間(名前は知らないが※)だ。もちろん、ナメクジには本当に年中悩まされているが、もしかしたらこの陸貝も一年を通じてひっそりとハーブの葉っぱを食べているのかもしれない。

一方で、陸貝の代表ともいえるカタツムリにはそれほど困っていない。日々水やりをする苗なので、もっといても良さそうなのに、被害は年に数えるほどだ。

この陸貝は小さいし、食べたとしても葉に開ける穴も小さいのだが、夜行性なのか早朝によく見かける。以前、タックシールを食べて穴をかけていたのを見たこともある。紙の裏のノリが美味しかったのだろうか。

殻もとても薄いのでちょっとつまむとパリンと割れてしまう。大きな被害がない分、ちょっとかわいそうに思うこともある。

でもそういうのにかぎって闇に紛れて悪いことをしているのでは?なんて思うのはドラマの見過ぎかもしれない。

※調べたところ、オカモノアラガイの仲間のようだった。

食欲の秋

朝、仕事場へ来ると、たいてい苗の状況を確認するために一回りする。

極端に乾いているものがないかをチェックするのが主な目的だが、何気なしに見ていると、ふと違和感を感じることもある。

違和感を感じた苗

今日はこの苗だ。昨日までは下の土が見えないぐらいもっと葉が茂っていたはずなのに、その上、葉の様子もおかしい。何かに齧られている・・・。

この時期こういう齧り方をするのはたいてい芋虫の仲間だ、夜中の犯行ならヨトウムシが疑わしい。現行犯で捕まえてやろうと葉の裏を見るがどうも見つからない。

上手に土の中に隠れていることもあるが、その場合は土が少しふんわりしているので手掛かりになる。だが、それも見つからず。悔しい。

なによりも、育ったらこの秋に新規に紹介しようと思っていた種類で、結構大事に育ててきたもの。周りのものは狙わずにこれを狙われてしまった。悔しい。

くまなく探したが、見つかったのは置き土産のフンだけ。少なくともバッタとかではなくて芋虫の類だということは確かだ。もしかしたらナシケンモンかもしれない。

とりあえずは、食害された葉を剪定して様子を見ることにした。

他の苗もチェックしていると、かなり離れた場所にあったペパーミントゼラニウム(これも久しぶりの増殖で目にかけていた・・・)も齧られていた。

こちらは現行犯逮捕できた。ナシケンモンだった。

それにしてもどいつもこいつもものすごい食欲。秋だなぁ。

何を食べているのやら

昨日、とある花壇の手入れに向かった。

壁沿いの花壇を手入れしていると、壁と樋の隙間に何やらゴミがひっついていた。

最初は笹の葉でもが蜘蛛の巣に引っかかっているのかと思っていたが、どうやら違う。手のようなものが見える。

そっと捕まえてみると、ナナフシの仲間のようだ(後で調べるとエダナナフシではないかと思える)。

しばし観察してから壁に戻してやると器用に垂直の壁を登っていく。スポーツクライミングのオリンピック選手でもここまでスイスイと楽に登れないだろう。さすが六本足である。

ナナフシは植物の葉を食べるそうで、桜やクヌギなどの紅葉樹の葉を食草とするらしいが、建物の周りは広く駐車場。

ツリージャーマンダー

ナナフシがいた下に植っているのは、ローズゼラニウム、ツリージャーマンダー、サルビア・ミクロフィラ・ホットリップ、そしてアンソニーパーカーセイジだけ。一般に食草とされるものはないのだが、一体何を食べているのやら。

まあ、見てわかるような被害も見つからないし、放っておくことにした。

それにしても最初に見つけた時の様子、どう見ても我々から見えにくいところに隠れていたように思える。

危険を感じて隠れたのだろうか、それとも我々が植えたハーブをかじっているのが気まずかったのだろうか。

覚えられない蜘蛛の名前

おっとっと、今日は引っかからないぞ!

と、ぎりぎりでよけることができた。

ビニールハウスと、横のボダイジュの間に貼られた大きな蜘蛛の巣。昨日は見事に引っかかって、せっかく作った巣を壊してしまった。

1日で見事なほどに修復された巣、壊してしまうのが申し訳ないぐらいだ(通り道だと厄介だが)。

数年前、キャンプブームに乗ったわけではないが、タープを手に入れた。森の中などで何度か設営してみたが、なかなか難しく、今だにうまく張ることができない。

それに比べるとこんなに小さな体なのに、丈夫で更に美しい糸を張れる蜘蛛に教えてもらいたいぐらいだ。

感心しながら巣を観察したのだが、「え~っと、コガネグモだったっけ?」と種類は曖昧にしか覚えていない。

ずいぶん前に、少しでも苦手意識(蜘蛛の糸が顔に絡まるのは苦手)を克服しようと、相手を知るために本を手に入れたのだが、いまだに覚えられない。結局ジョロウグモのようだった。立体的な巣が特徴だとか。本にはオスが同居すると載っていたが確かに近くに小さい蜘蛛がいた。子供とばかり思っていた。

やっつけの宿題用に

引き続き、夏の間取り付けていた寒冷紗の取り外しを行なっている。

気温が下がってきたのでもう辛くはないが、この作業の時は長袖が必須だ。

取り外しているとき、寒冷紗とビニールの間に捉えられてお亡くなりになられた昆虫たちの亡骸が落ちてくるのだ。以前、スタッフが死骸に残っていた蜂の針か何かが刺さって、大変なことになったことがある。それ以来、慎重に作業を行うようになった。

何枚かの寒冷紗を外すだけでもこうしてアゲハ蝶、トンボ、アシナガバチ、スズメバチなどの死骸が出てくる。

どれも見事に乾燥していて、やっつけの夏休みの宿題ぐらいには使えそうだ。さすがに9月の終わりまでは、先生も待ってはくれないだろうけれど。