やいとすえーよ

「しゃんわることしちょうとやいとすえーよ!」
(そんな悪いことをしているとお灸をするよ)
と、昔は良く言われたものである。

本日伺ったお宅で木に絡みついていたヘクソカズラ。「ヤイトバナ」とも呼ばれる。花の内側が赤いので、花冠(開いた方ですね)に唾をつけ、肌にくっつけると、ちょうど火をつけたお灸に似ることからこの名前がついたとか。

ヘクソカズラ

なかなか可愛らしい花である。日が当って透けた感じの花色と、奥の赤紫がまたいい感じを醸し出している。秋になる実もまた風情があるので上手に使えば面白い素材になりそうだ。

残念ながら名前で損をしている。ヘクソである。確かにあまりよい匂いとは言えないが、我慢できないほどのひどい匂いではない。まあ、雑草として他のものに絡みつくと始末に悪いので、負のイメージが強いのだろう。

別にサオトメカズラという優美な名前もあるという。この名前で広まっていたらもう少し人気があるのだろうに。本人(ヘクソカズラ)も悔しがっているだろう。

見かけで判断するべからず

今日は市内のお客様のところへお庭のお手入れに伺った。

作業中、スタッフの一人が、バラの枝にアシナガバチの巣を発見。幸いまだ小さめである。その上、普段良く見る黄色っぽいアシナガバチと感じが違う。見た目に何となく茶色みがかっているし、動きがのそのそしている。

アシナガバチ

バラの害虫となる青虫類の天敵としてそのまましておいても良かったのだが、お客様が刺されてもまずいのでこの場所から撤退してもらうことにした。

それでも、後学のために写真だけは撮っておくことに。近寄ってもあまり攻撃する素振りを見せないので大胆に近接撮影を行なった。あまりにおとなしいので、害のないアシナガバチなのかも・・・なんて話をしていた。無知というのは怖いものである。

後ほど調べてみたら、どうやらキボシアシナガバチという種類で、防衛本能、攻撃性は強いらしい。もう少し踏み込んでいたら危ないところであった。見かけおとなしそうでも、怒らせると怖いのだ。人間も結構そうだったりしますよね。油断禁物である。

実はこの翌日、別のお庭でアシナガバチにアタックされて痛い目を見たのである。

快適な梅雨

梅雨は全くあける気配がない。週間予報を見ても7月の終り頃まで曇りマークが続く。苗の徒長を心配しつつ空を見上げている。

一方で、暑さや直射日光を嫌う種類は元気いっぱいである。快適に梅雨ライフをお過ごし中だ。

ゴールデンレモンバーム

このゴールデンレモンバームの苗も、例年ならば、梅雨の半ば頃までに強い日差しで葉が焼けたようになって、日陰で療養中の身である。ところが今年は日よけをしていないところでもこんな調子。壁紙にでも使えそうないい感じの葉を伸ばしている。

まあ、この後本来の暑さが戻ってきたときのほうが返って怖いというものだ。早めに剪定しておいた方が良いのかも・・・と思うこの頃である。

カスタマイズ

圃場の日々の作業でなくてはならないのが一輪車。いわゆるネコ車である。当然、通称は「ネコ」。
「おーい、ネコ持ってこ〜い」
となるのである。

畑の用土や、植え替えで出た古い土、ついでに大きめの道具などを運ぶのにも欠かせない。

ところが、上部の土を入れる皿の部分は案外やわで、きちんと手入れをしないと数年で錆びて穴が開いてくる。初代のネコ車も相当酷使したのであっという間に穴が開いてしまった。それでもフレームや車輪はしっかりしているので2代目を購入した時に少し改造して苗を運ぶ専用車にしたのである。

ネコ車

角材で土台を作り、その上に竹を割ったものを渡して支えにした。いまでは苗などを運ぶアルミのネコ車も市販されているがこれで充分である。

さすがに数年使うと、上部の竹が端から折れてしまい、そろそろ修理が必要となってきた。

本格的な夏になったら、徹底的に直してやりたいと思っている。夏の宿題がまた一つできた。フレームも所々錆びているので錆も落としてやろう。ついでにチェレステカラーに塗ってやって、ビアンキのバーテープでもハンドルに巻いてやるのは・・・さすがにやりすぎだろうか。

暑い昼下がりには

夏休みを目前にしてもまだ梅雨が明けない。梅雨明けは待ち遠しいと同時に、厳しい暑さの中での作業が待っているので身が引き締まる思いがする。

さすがに真夏になると昼から3時ぐらいまで、ビニールハウスの中での仕事は危険を伴うので、なるべく室内でできる仕事に替える。伝票の整理や、原稿作り、調べものなどである。

以前から気になっていたちょっとしたことを調べたりするのもそんな時である。

Salvia属は非常に種類が多く、姿形、性質も様々である。それでも名前はたいていがサルビア・○○とか、△△セイジというのが大半だ。

そのなかで異彩を放つ名前のジュピターズディスタフ(JUPITER’S DISTAFF)。今年も先頃開花しはじめた。花も大きめでなかなか素敵なSalviaである。ところが、名前を聞いただけではいったいどんな植物なのか全くピンとこない。サルビアの仲間であることさえ推測しにくい。

ジュピターズディスタフ

ジュピターというのは神話で出てくるような名前だし、木星?のことだったっけ。ディスタフというのはなにやら糸巻き棒だと言うことらしい。

実際に調べてみるとあっけない理由だったりするのだが、結構深いテーマが隠されていたりするので、気まぐれで調べはじめるのは危険である。

このようなことを真夏の暑い盛り。店内の涼しい環境の中で調べるのである。さてどんな答えが出てくるのやら。