民具

夏野菜もそろそろ終りが近づいてきた。キュウリはもうすでに片付けてしまったし、オクラもそろそろおしまい。ツルムラサキもさすがに飽きてきた。ナスはもうちょっと頑張れるかも知れない。猛暑のさなかさっぱりだったミニトマトがようやく復活してきた。粒は小さめながら味はまずまず。でも、暑い時期に楽しみたかったなぁ。

ザルと野菜

収穫は、把っ手付きのザルを片手に。このザルは、とある酒屋さんに訪れたとき、ちょうど納屋の片付けをしておられ、その時に出てきたものを譲り受けたものだ。どれぐらい前のものか不明だがとても丈夫で、もらってから10年近く経つのにザルの下の足の部分が壊れただけで(同じような竹で簡単に修理できた)、愛用させていただいている。プラスチックのカゴに比べると野菜を入れた時の収まりも良いし、野菜の色も映える。野菜たちも何となく気持ち良さそうである。

ところで、先月、子供が通っている小学校で校舎改築に伴う備品や器材の大移動が行われた。椅子や机を暑さの中、汗にまみれて運搬した。小学校には「地域の歴史の展示コーナー」みたいなものがあって、昔の調度品や、かつて稲の脱穀に使った道具など、昔使われていた民具が集められている。その中に、例のざると寸分たがわないものがあったのである。

民具として展示されるようなものが未だに現役とは・・・。昔の丁寧な仕事と素材の強さに改めて感心せざるを得なかった。今になって良いものを貰ったなあと思うのである。

土曜日限定

ビニールハウスでの作業中には、いつも小さなラジオから音楽やトークが流れている。

以前も紹介したことのある小さなラジオ、この夏も頑張ってくれたが、どうも調子がおかしくなってきた。山に囲まれた場所なのでもともと電波の入りが悪い。それが、ここ数ヶ月更にチューニングがずれやすくなったり、天気によっては選局自体が難しくなってきた。

そんな時は聞くのを諦めたり、別の局にしてごまかしていたが、とうとうしびれを切らしたスタッフのひとりがラジカセを持参してきた。なんでも母君がかつて使っていたものだそうだが、もういらないと言うのを譲り受けたとか。

ラジカセ
古きよきデザイン。もちろんCDはなし。

「そのうち壊れるのを覚悟の上だろうね」と念を押しておいた。激しい寒暖、土ぼこりや直射日光、湿気など、環境は劣悪である。

それにしても小さなラジオに比べるとラジカセの音質は素晴らしい。土曜朝、スタッフ誰もがお気に入りのFM、「ウィークエンドサンシャイン」、そして「世界の快適音楽セレクション」も「音楽」を聴いている実感がある。音楽が聞こえすぎて仕事の妨げになるぐらいである。

雑音が入りすぎて聞く気になれなかったクラシック番組や軽妙なトーク番組もこれなら楽しめそうだ。毎日の作業も楽しくなるに違いない。

「ん〜、いい音だねぇ」
と感心していると、当のスタッフ曰く
「ラジカセは土曜日だけ持ってこよう、AMは音悪くてもいいし!」

なんだとぉぉぉぉ〜

向き不向き

そう多くは無いが、お客様の庭の手入れで芝刈りをすることがある。いずれも庭のワンポイントで芝刈り機を使うほどの大きさではないので、ハンディ式の電動芝刈り機で事足りる。

こういった単純作業は結構向き不向きがあるもので、自分のように気が散りやすいものには適さないようだ。スタッフには一人、黙々と芝刈りをこなすものがいて大抵は彼が担当することが多い。仕上がりも問題ないのだが、悪い癖で電源コードを時々切ってしまうのだ。

「今日は切らないようにね!」
とみんなで半分冗談交じりで言うのだが、それでも何回かに一回はスパッと切断してしまう。一度など、お客様の家のブレーカーが落ちてしまって大騒ぎになった。

さすがにそろそろ交換しないと危険である
さすがにそろそろ交換しないと危険である

「電源から近い所から初めて、徐々にコードを伸ばしていく」
という基本は分かっているはずなのに、芝刈りに集中しすぎるとコードが目に入らなくなってしまうらしい。他のスタッフからは、
「二日酔いかぁ?」
とか
「どうせ女の子のことでも考えてたんだろ〜」
としばしば茶化されている。

気が散るタイプにも向かず、集中しすぎても駄目、芝刈りは簡単なようでなかなか難しいものである。

れう子

例年ならお盆過ぎには咲いているはずのレウコジャム(レウコユム)・オータムナーレ。今年は今満開を迎えている。ようやく普段の年のお盆過ぎの気候に戻ったと言うことか?

レウコジャム・オータムナーレ

それにしても例年にない勢いで花が上がってきた。暑さをじっと耐え続けた夏の分を取り戻すかのようだ。

さて、ひとりのスタッフがこのレウコジャムを大変気に入っている。家でも育てたり、知り合いのプレゼントにしたりしている。大変良いことだと思うけれど、しょっちゅう、「レウコが大きくなった」とか、「今年のレウコは美しいねぇ」とか言っている。知らない人が聞くと「れう子」という名前のように聞こえそうなので人前ではやめてほしいなぁと時々思うのである。

瀕死

この夏の猛暑、店の花壇にもいたる所に爪痕を残して去っていった。

花壇でも一番良い場所に鎮座しているブルーマウンテンラベンダー。お盆前から暑さの影響が出てきたと思っていたらみるみるうちに枯れ上がっていった。こんな症状が進行している時は返って手をかけるのは危険である。せいぜい剪定したり、陰を作ってやるのがせいぜい。その後も続いた酷暑を考えると植え替えなどした日にはとどめを刺すようなものだったろう。

ブルーマウンテンラベンダー

さて、ようやく暑さも一段落したようで様子を見てみると、まさに瀕死状態。隣りのローズマリーが勢力を拡大し、覆いかぶさってきたのも蒸れに拍車をかけたのだろう。

ブルーマウンテンラベンダー

しかし、株はまずまず充実していたので株元から少し新芽が出始めたのは良い兆候である。今後の涼しさが良い影響を与えてくれることを願う。